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「大雨のときはマンホールに気をつけて!」マンホールの専門家が語る注意点

最近、線状降水帯やゲリラ豪雨の情報から、「今まで経験したことがない」「100年に1度」など危険を知らせる表現とともに、テレビなどでマンホールから水が噴き出している映像を見ることがあります。「凄い雨だね…」「気をつけよう」と思うことはあるかもしれませんが、「マンホールが危ない!」と思う人はどの程度いるでしょうか?

実は、雨水冠水した道路のマンホールは非常に危険なのです。

我々日本鋳鉄管の主力商品は水道管ですが、埼玉県久喜にある工場で長年マンホール蓋を製造している、マンホール蓋メーカーでもあります。今回は、当社の中でも特にマンホール蓋との関わりが長い、清水開発技術センター長から、気になるマンホール記事と、マンホールをめぐる現状と取り組みについて解説をさせていただきます。

先日、こんな記事が出ていました。

この記事には、マンホールの危険性が解りやすく掲載されていて、その危険性を最新のマンホール蓋の機能によって回避できることが紹介されています。しかし、最新のマンホール蓋にも限界があり、全ての危険を回避することはできないため、過信してはいけません。
常に冠水道路には、マンホール(孔)があると思い、逆流などの異常が感じ取られるマンホール蓋には近づかないことが大事なのです。

また、この記事には「事故防止技術=安全対策」がされていない蓋が少なくとも約300万基あり、なかなか取り替えが進んでいないと述べられています。効率的に蓋を交換するためには、下水道台帳の整備が重要です。

下水道台帳の整備は、マンホール蓋一つ一つを管路台帳と紐づけて、構造確認や写真などを撮る必要があります。非常に手間がかかる作業で、下水道台帳整備自体に多くの時間と労力が必要であることが問題なのです。

ここに大きな革新が必要であり、現在、私たち日本鋳鉄管とWhole Earth Foundation(以下、WEF)で取り組んでいる市民参加型のゲームを活用したマンホール情報の収集は、その一翼を担う革新技術となります。

(ご参考)WEFとの取り組み:マンホール聖戦「鉄とコンクリートの守り人」
https://www.nichu.co.jp/others/event/

また、記事中で紹介されている問題以外にも、マンホール蓋が抱えるリスクは多数あります。

特に下水道用マンホール蓋は、汚水などから発生する硫化水素により蓋裏だけが腐食するなど、蓋表面からは全く分からない事象があります。一見危険だとわからないマンホールが道にあると思うと怖いですよね。そこでマンホホールの劣化に対して、予測可能とする先進技術開発が早急に求められているのです。

私たち日本鋳鉄管は、WEFとの実証実験や技術開発などを通じて、これからも全国のマンホールの安心・安全を守る取り組みを続けてまいります。活動の進捗は都度ご紹介させていただく予定です!


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