マインドフルネス 第二章の夜明け
先週末のマインドフルリーダーシップ・シンポジウム2019をおえて、あえて少し間をおきました。
シンポジウム初開催から5年経ち、この5年はどうだったのか、次の5年はどうあってほしいか。
読まれている皆様のご認識とは、だいぶ飛躍があるかもしれないですが、明けない夜はありません。
流行から文化定着へ
この数年で、「マインドフルネス」という言葉の受け止められ方が、確実にじわじわと変わっています。
3、4年前は、
「マインドフルネスってなに?」
「マインドフルネスって、瞑想? あやしい?」
「マインドフルネスは効果あるの?」
という、何それ?感ありました。
それがこの1、2年で、
「マインドフルネスは流行っているらしい」
「マインドフルネスは集中力が高まり、ストレスが減る」
「マインドフルネスをやってみたら、スッキリした」
など、キタコレ感になりつつあります。
2010年代前半にアメリカのシリコンバレーを中心に流行になり、TIME誌の表紙でMINDFUL REVOLUTIONというタイトルがつくまでになりました。それから数年の時を経て、2014年、東京にGoogleのSearch Inside Yourselfが持ち込まれたのを皮切りに、新聞やテレビのメディアで取り上げられることが増えたり、関連イベントが盛り上がったり。着実に広がり、言葉の認知は進み、ある程度は定着してきたなという印象です。
いまでも、IT系企業や東京エリアと、他業界・他業種、地域と比べると、若干の時差、温度差はあります。ただ、SNSやニュースのタイムラインなど、折にふれて、言葉を目にする機会が多くなっているのではないでしょうか。
しかし、この数年も続いている流行のビックウェーブは、肌感覚でいうと、いったん一段落しているように思います。googleトレンドのキーワード検索や関連書籍出版数からみても、実は踊り場になっています。このまま温まった熱は冷えていくのかというと、そうでもなく、ある程度のところで、歩留まり、また温まっていくものと思います。
それはどういうことでしょうか。
個人トレーニングから組織文化の醸成へ
一言でいうと、局面・潮目が変わりつつある過渡期(夜明け前)ということです。過渡期をへて、新たなムーブメントが起こりそうな予感しかしていません。
いままでの文脈では、いわゆる意識高い人が、コンディション維持やパフォーマンス向上など、あくまでも個人トレーニングとして、受け入れられてきました。ジムやヨガ、コーチング、語学習得と同じような部類です。
これからの文脈では、個人(点)だけではなく、組織(面)にも必要とされている背景や構造、可能性があるためです。人事の観点では、人材開発から組織開発へといえるかもしれません。ひとつずつ深堀ってみます。
背景として、世の中はVUCA worldで、とっ散らかっています。個人や組織もマルチタスクすぎて、とっ散らかっています。とっ散らかりの2乗で、わけわからない状態です。そのうえに、2020年代以降のAI、IoT、5G時代には、感情知性や人間性が求められるといわれています。
構造として、感情知性や人間性を高めることは、まずは個人の内面的開発することになります。個人の内面的開発していくと、組織への働きかけが起こってくることがあります。
例えば、「あの会議の発言や空気がギスギスしているな」とか、「この温かい場のおかげで、いいアイディアがいっぱい出るな、でもあの人はまだ発言していないな」とか、今までうすうす感じていたけど、スルーしていたことに心当たりはあるのではないでしょうか。
それが、内面的開発されたことにより、うすうすではなく、明確にメタ認知してしまい、見逃せなくなってしまいます。結果として、その人から組織への働きかけが起こりはじめ、他メンバーからも組織への働きかけが多くなってくるというサイクルが生まれます。
先日のシンポジウムでは、マインドフルネス実践を通じて、EI(感情知性)スコアが高まるという検証データを提示するとともに、システムループを展開しました。
つまり、ざっくりまとめると、第一章では個人トレーニングの片輪走行だったのが、第二章では人材開発と組織開発の両輪になり、マインドフルな組織文化の醸成につながるという見解があり、流行から文化への過渡期であると言えます。
マインドフル・〇〇から、〇〇へ
第二章のもう少し先のビジョン、希望も含めての展望になるかもしれないですが、組織文化から日本文化になることです。
マインドフル・ウォーキング
マインドフル・イーティング
マインドフル・リスニング など
マインドフルという枕詞がなくても、人々は皆、その瞬間瞬間は、そのことに全身全霊で味わうのが当たり前になることです。
かつては、インターネットの流行とともに、
電子メール(Eメール)はメールへ
電子商取引(Eコマース)はコマースへ
電子決済は、〇〇ペイへ
電子の言葉がはずされても意味をなし、いつのまにかに置き換わってきています。
インターネットが生活の一部となり、なくてはならないものになったように、マインドフルネスは、もともとあったもので、つい見失いがちなものに気づけるものです。
この記事を、歩きスマホやながら食べしていても、大丈夫です。いつでも取り戻せすことができますから。
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