はりねずみくんはいつもひとりぼっちでした
ちくちくした背中のせいで
はりねずみくんはいつもひとりで夜をすごしていました

ぼくは、背中がちくちくしているから
きっと、ずっと、ひとりでいないとだめなんだ

ぼくは、背中がちくちくしているから
一緒にいたい人のことでさえ、傷つけてしまうんだ

アルマジロくんはいつもひとりぼっちでした
ごつごつしたからだのせいで
だれも近寄っては来ませんでした

ぼくだって
ふわふわの生き物に生まれたかった

ふわふわで、やわらかい
そういう生き物に生まれたかった

そうやって、ふたりはずっと
自分の殻に閉じこもりながら
長い時間をひとりきりで過ごしてきました

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だけど、もうふたりはひとりぼっちじゃありません

アルマジロくんのかたいからだのおかげで
はりねずみくんはいつだって一緒にいることができるから

じぶんのちくちくした背中のせいで
傷つけてしまうんじゃないか、なんて
そんな心配をしなくたって
アルマジロくんとは一緒にいることができるから

アルマジロくんだって、じぶんのごつごつしたからだが
とっても誇らしくなりました

頑丈なぼくだから、はりねずみくんと一緒にいれるんだ
それはとっても、うれしいことなんだ

きっとずっと、きみを探してたんだ

ぼくがぼくのままでいられるように
ぼくがぼくでいていいんだよって、
きっとずっと誰かにそう言ってもらいたかったんだ

だからぼくたちはきっとだれかをさがしてたし
だれかのさがす、だれかになりたかったんだ

ぼくたちは全然ちがうけど、
ちがうから一緒にいられるんだ
きっとずっと、きみを探してたんだ