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からっぽマン

からっぽマンは、いつも、からっぽでした。
自分だけがからっぽなのだと、思っていました。
そんなからっぽな自分のことが、あまり好きではありませんでした。

ぼくはからっぽでいたままではだめなんだ、
なにかを探しに行かなくちゃ

からっぽマンは、自分がからっぽではなくなるためのなにかを
探しに行くことにしました

さがしても、さがしても、さがしても
からっぽマンはからっぽなままでした。

からっぽマンは、自分が探しているものが
どんな色で、どんな形で、どんな大きさなのか
なにもしりませんでした

さがしても見つからないのなら、と
からっぽマンはいろんなものを食べたり、読んだり、聞いてみたり
そういうことをしてみることにしました
いろんなものを詰め込んでみることにしました

だけど、おなかはいっぱいになっても
だけど、本の山は高くなっても
だけど、覚えきれないほどの歌を聴いても
自分のなかはいつもいつもからっぽなままでした

からっぽマンはいつも、いつも
自分だけがからっぽなのだと悲しくなりました

どうして、ぼくはからっぽなままなんだろう

ともだちの鳥さんはいつも
そんなからっぽマンの話をじっと聞いていました。

でも、鳥さんは気づいていたのです。
からっぽマンがからっぽではないことを。

からっぽマンのなかには、ちゃんと
きらきらと輝く星があることを

からっぽマンには見えなくたって
鳥さんからはちゃんと見えていたのです

だけど
からっぽマンが、自分で、気づけるまで
鳥さんはもうすこしだけ内緒にすることにしました

からっぽマンは今日も探しに行きます
からっぽな自分を変えたくて
からっぽじゃない自分になりたくて

だけど、からっぽマンは大丈夫
からっぽマンが、からっぽではないことを知っている
鳥さんがそばにいるのだから

ぼくたちはきっとからっぽマン
いつもなにかをさがしてる
だけど、ぼくたちは鳥さんにだってなれる
きみはからっぽではないのだと、
からっぽマンのそばにいてあげられる
そういう鳥さんにだってきっとなれる
だから
からっぽマンは大丈夫、
からっぽだって大丈夫


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