少年スポーツにおける適正なトレーニング

私は接骨院の院長をしています。ある時期少年スポーツ(野球)に関わりました。そこで野球やサッカー・バスケットなどのトレーニングを見て、小学生にとっては負荷が大きすぎると感じました。指導者は良かれと思ってやっているのですが、これがケガの原因となっています。

なぜ負荷の強いトレーニングを子供にしてしまうのか?

これは勝利至上主義が1番の要因です。フィジカルが強いチームが試合では勝つ確率が高く、勝利を目指すあまりトレーニングに負荷をかけ過ぎる傾向にある。2つめは、指導者が自分の経験に基づいた指導方法をしているのが要因です。その経験が高校生の頃のものが多く、小学生にとっては負荷が強すぎるのです。

上の事から感じるのは、指導者が子供の身体の特性を理解することが必須だと思います。ここでは、子供のからだが大人とどのような違いがあるのか具体的に説明し、適正な負荷、トレーニングを紹介していきます。

筋肉

子供と大人で1番違うのは筋肉です。大人ほど子供は筋力アップはしません。なぜなら、男性ホルモンの分泌が少ないからです。筋肉が強くなるためには男性ホルモンが必要です。男性ホルモンは第二次性徴が始まると多く分泌されます。15歳くらいからがその時期です。そのためホルモン分泌の少ない小学生に筋力トレーニングを行っても効果は極めて少ないのです。また、子供は筋疲労を起こしやすく、疲労を起こすと筋肉は硬くなりケガの原因になります。

子供は身体が成長する時期です。身長の伸びは骨の伸びです。骨が伸びるのは骨の中に骨端軟骨というものがあり、そこが骨になることで長軸方向に成長していきます。過度なトレーニングを行うと長軸方向への成長の妨げになります。さらに強い投球などを繰り返すことで骨端軟骨が変形してしまうこともあります。『鉄棒にぶら下がることはいいことだ』というようなことを言う指導者がいますが、ぶら下がっている時に骨端軟骨にストレスをかけ過ぎるのはかえって成長障害を起こす可能性があり、やるべきではないでしょう。

子供が行うべきトレーニング

それでは、子供はどんなトレーニングをすればいいのでしょうか。

子供は神経の発達が盛んです。運動において、どの神経や筋肉を使えば効率が良いのか脳は常に判断(学習)します。この発達が子供は早いのです。自転車の練習がわかりやすい例でしょう。大人より子供の方が早く上達し乗れるようになります。それぞれの競技にはそれぞれ必要な動きがあります。正しい動きを身につけるには、子供は最適な時期なのです。サッカーでは蹴る止める動作、野球であれば投げる打つ動作。バスケであればシュートフォームや守備の姿勢など。筋肉や関節に負担の少ない範囲で反復することは、子供の時期には最適です。アメリカではひとつのスポーツだけではなく、季節によっていくつかのスポーツを経験させます。それによって多様な動きを覚えるのです。日本ではひとつのスポーツを続けることが良いとされていますので、なかなか複数の競技を行うのは難しいと思います。

少年スポーツの現状は、試合に勝つことを目的としたチームが本当に多いと思います。そのため、間違ったトレーニングや偏っ選手起用になり、負担がかかりケガにつながってきます。アメリカのように複数のスポーツをやらせなくとも、トレーニングにいろんな動きを取り入れたり、複数のポジションをやらせたり、いくらでも方法はあります。少年スポーツでの勝利至上主義は大人の自己満足でしかありません。子供の成長を第一に考え、適正な負荷とトレーニングを行っていきべきです。


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ゴメス

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