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何もないのではなく全てある、人口50人の鳩間島

梅雨。なんだかじっとりしてきたな〜と思いながら散歩をすると、色鮮やかな紫陽花が目に入ってきて、梅雨も悪くないかも…と思います。

波照間の備忘録から少し時間が空いてしまったけれど、やっとこさ鳩間島の備忘録に入っていきます。

鳩間島。
「人口50人、スーパーがない、島を1周するのに2-3時間で回れてしまう」が、私が持っていた唯一の事前情報。

前日までを波照間島で過ごしていたわたしたち。朝7:00に更新されるフェリーの運行状況次第で、鳩間島へ行くか / 波照間島でもう1泊過ごすか…が決まります。

前日、雨と風が強くて「明日も船は運休かな」と思っていたのに、当日の朝7:00に運行状況を確認すると「運行状況◯」の文字が…!
どんな島が待っているんだろう!とわくわくしながら、荷物を片付けて海へ行き、波照間ブルーに別れを告げました。

波照間島から1時間ちょっと、まずは石垣島へ戻ります。マリヤシェイクとサーターアンダギーを購入して、ターミナルでぱくり。マリヤシェイクもアンダギーも、とっても美味しかった…!

マリヤシェイクは、マンゴーソースをトッピング!

鳩間島へ行くフェリーは、ざっと15-20人ほどが乗り込み、いざ出発。40分ほどであっという間に鳩間島へ到着しました。
フェリーが着く頃には快晴!Googleマップを見て、港から歩いてすぐだな〜と思っていましたが、想像以上にあっという間にお宿に着きました(笑)

1泊目は、「素泊まり あやぐ」へ。
優しそうなおじいとおばあが迎えてくれて、キラキラしている畑に感激をしていると「これ食べてみな〜」と、大きいトマトと島バナナをくれたおばあ。その場でかぶりつきながら(おばあちゃん家を思い出す…)、フレッシュさと甘さに感動!暖かい土地だと、野菜や果物もこんなふうに育つんだな〜。

青々としている畑には、生き生きとした野菜たち

到着してから夕ごはんまでの間、島を散策がてら海をボ〜ッと眺めて。19時、同じく泊まっていた女性2人と、おばあお手製タコライスや小鉢をいただきます。缶チューハイは、お金を渡して宿の冷蔵庫からいただく仕組み。

そうそう、鳩間島には昔に商店があったそうなのですが、今はありません。島には、自動販売機しかないので、小腹が空いたときにパクッと食べるものは石垣島で買ってくることをおすすめします(ちなみに、カフェとレストランは1つずつあります。ふぁいだまやーというレストランは絶品らしい…次こそ行くぞ!)。

タコライスやお刺身にシャコ貝、島ラッキョも

ごはん中、ビールを片手にしたおじいといろいろなお話を。おじいは宮古島出身で、陽気な三味線の名手。タイミングが良ければ、おじいの三味線を聞くこともできます。

夜ごはんのあとは、港で星空を眺めたり島を散歩したり。島全体が早く静まるので、私も気づいたらベッドでぐっすり寝ていましたZz

2日目、6時頃に起床。鳥やヤギの声で自然と目覚める朝は、なんて気持ちがいいんだろう。島全体に朝日が降り注いでいて、とても美しい朝でした。
島ではヤギが自由気ままに散歩をしているので、ヤギに遭遇をすることもよくあります。

神秘的で、今でも忘れられません
散歩していたら出会った、ヤギの親子

宿に戻り、朝ごはんも贅沢にいただいてから、歩いて15分ほどの屋良浜へ。1日ぼ〜っとしながら、何もせずに波の音を聞いてうたた寝したり本を読んだり。東京にいるときはどこにいても情報が多く、「何もしない」時間ってないですよね。鳩間島では、目に入ってくる情報が本当にないからこそ(たまに海の向こうから汽笛が聞こえるくらい)、思う存分ぼ〜っとすることができます。これって、すごく貴重な時間。

ちなみに…鳩間島でシュノーケルツアーをしている人からの話によると、鳩間島はとつぜん海が深く / 波が激しくなるので、ひとりで泳ぐのは要注意とのこと。島の人たちですら、ひとりで泳ぎには行かないそうです。


沖縄といえば、スパム!
波の穏やかな海でした

何もせずにぼ〜っとした2日目は、ペンションマイトウゼに宿泊。彼が「パイヌカジ」という鳩間島の本を読んでから、ずっと泊まりたいと言っていたお宿です。「マイトウゼ」と検索すると、経営されているおじいおばあが出てくるのですが、実際にお会いしても写真の通り、穏やかでにこやかなお二人でした。そして、おばあの作るご飯がとってもおいしい…!マイトウゼの食堂は海の前にあるので、最高なロケーションでいただくことができます。

夜ごはんのあとは、おじいと宿の常連さん、地元の人たちに混ぜてもらってゆんたく時間。タイミングよく、10数年島に通っている常連さんたちが来た日で、盛り上がっている時間に混ぜてもらうことができました。

常連さんが持ってきた日本酒、おじいがその日に釣ってきた魚や「この日のために用意した」という鴨…。心からの「いただきます」という思いで、美味しく楽しい時間を過ごしました。

波照間島でも、前日に泊まったあやぐでもそうですが、初めましての私たちをこんなにも暖かく迎え入れてくれる…なんてあったかい人たちなんだろう…と感じた時間でした。

ゆんたくで温かい時間を過ごしたあとは、島唯一?遅いじかんまでオープンしている、宿あだなしの『呑み処』へ。年齢層の若い移住者や観光客が集っており、ここでもゆんたくが繰り広げられていました。みんなの移住に至るまでの思いや島の魅力を、また新しい角度から聞くことができて、鳩間島のことをさらに好きになった時間でした。

鳩間島3日目のあさごはんは、昨夜と同じくオーシャンビューの食堂で。おばあの作るお味噌汁が身体にしみます…。昨夜のゆんたくでご一緒した常連さんたちと共に朝ごはんをいただいて、いつもよりゆっくりと朝ごはんを楽しみました(常連さんたちはドリップコーヒーを持参していて、私たちも次こそ持ってこよう!と思いました…という備忘録を書き留めておく)

マイトウゼの食堂は、オーシャンビュー!

無事、3日目も予定通りにフェリーが出たのでちょっと安心。鳩魔航路はすぐに船が出なくなってしまうので、島巡りは余裕を持って回ることをオススメします。石垣島に帰るとき、常連さんやお宿のおじいがお見送りをしてくれて、最後まであたたかい気持ちで島を出発しました。


波に光の当たっている様子、美しい


鳩間島、たしかに娯楽や観光、売店もないのですが、何一つ不便に感じることはなく3日間を過ごしました。「なにもない」と感じることはなく、逆に「すっごく充実してる!」という感覚。わたしたちが生きる上で必要なものは、案外少ないのかもな。


また来年も、この島に帰ってこようと思います。

鳩間ブルー

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