NICU退院後の心配事12:新版K式発達検査の説明

外来で患児の発達具合を数値化して見る検査で有名なもので
『新版K式発達検査』というものがあります。
前項でお話しした、ハイリスクフォローアップ研究会では
極低出生体重児の発達、知能検査として、
修正年齢1歳半(出産予定日から数えて1年半)、暦年齢3歳(お誕生日から数えて3年)で
『新版K式発達検査』を推奨しています。

早産、低出生体重児は、何らかの発達の課題を抱えるハイリスクグループであって、
運動や発達への支援や早期介入が必要な子供達の心身の発達度合いを他覚的に評価し
療育などの子供の発達支援に役立てようというものです。

『新版K式発達検査』は全体の発達年齢(Developmental Age:DA)と実際の年齢の比である発達指数(Debelopmental Quotient:DQ)で示されます。
中で「姿勢・運動」(P-M)、「認知・適応」(C-A)、「言語・社会」(L-S)の3領域のDAとDQが得られます。

退院した病院の外来で臨床心理士がやってくれるところもあるでしょう。
地域の療育センターに通っているのであれば、そこで実施しているところもありますね。

乳児向けには、積み木や音のなるおもちゃ、ミニカーや絵カードなどあそびの一部となるような用具を使って、子供の行動を観察します。
言われたことをできるかどうか?のテストではなく、検査スタッフへの言語反応、動作、感情の動き、情緒なども観察し、総合的に判断されます。

検査室に慣れずに泣いてしまう子、
慣れるまでどのくらいかかったか、
母にべったりくっついて何もしようとしない子、
母と一緒ならできるか、言われたことよりも、自分の好きなように用具で遊ぶ子、など
もちろん、子供ですから、反応はいろいろです。
それもそれで大丈夫。
その時その時の年齢にあった評価の対象となるんですね。

強調したい点は、
我が子の苦手分野を点数化または、年齢化された結果が帰って来ます。
親御さんたちは、テストの点数のように、我が子がどの程度遅れているのか、
の点数ばかり気になって、遅れを取り戻したいという気持ちになってしまうことが多いのですが、
大切なのは点数でありません!

遅いながらも、その子のペースで発達していること、
苦手なことは、どう工夫したら日常生活に役立てていけるか、ということに目を向けて欲しいのです。
平均のスピードで発達することがいいことではありません。
子供の発達がゆっくりだろうが、早かろうが、温かい目で見守り
その子とその家族がより暮らしやすくなることに役立てて欲しいと思います。

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