NICU退院時の心配事2:薬がうまく飲めなかったら?

薬と聞くと、とても大切で、絶対に飲ませないといけないと思ってしまいがちなので、
退院生活が楽になるように
具体例を説明しましょうね。

NICUを退院する赤ちゃんが飲む薬は限られています。
メインのものを説明しますね。

①貧血のお薬(インクレミンシロップとか、フェロミア顆粒とか)
貧血のお薬は鉄剤です。
貧血はほっておいたら、発達へ悪影響なので、貧血のあるうちは毎日鉄剤を飲むことになります。
ただ、数回飲めなかったからといって、貧血が急に進行してしまって症状が出ることはありません。また、間違えて倍量飲んだからといって、急に副作用が出るような類の薬でもありません。
毎日飲むってのを、継続することが大事ですが、時々、忘れちゃったとか、ちょっと多く飲んだとか、吐いたから追加であげるかとか、そういう細かいことはあんまり気にしなくっていいってことです。
また、鉄剤は消化管刺激作用があって、赤ちゃんにとってはとても吐きやすいお薬なんです。
吐かない工夫をしてみましょう
1日2回朝夕の内服で処方されていたら、
2回分を一度にまとめて1日1回で飲んでも大丈夫です。
逆に細かく分けたほうが吐きにくければ、少量を頻回に分けて内服させてあげてくださいね。

②ビタミン剤(パンビタンなど)
未熟児骨減少症という早産児特有の病態に対して、内服する総合ビタミン剤です。
1000g以下で生まれたような早産児はカルシウムやリンの蓄積が不十分なので、
赤ちゃんが急に成長しはじめると骨の成分が減少してしまう病態で、
それに対して内服します。
元々の原因がミネラルの蓄積が不十分なので、補充しましょうというのがこの内服の基本ですから、
鉄剤と一緒で、毎日飲むってのを、継続することが大事ですが、1回飲み忘れちゃったとか、ちょっと多く飲んだとか、吐いたから追加であげるかとか、そういう細かいことはあんまり気にしなくっていいってことです。

およそ、この2つがメインでしょうか。
他に、けいれんのお薬だとか、利尿剤だとか、その子その子が持ち帰る病態によっっては、内服が変わるでしょう。
何に対して飲んでいるのかってのと、簡単な作用を理解すると
薬を上げることにたいして、家族のストレスが軽減されることがあります。

別項で、一つ一つ早産児特有の薬をわかりやすく説明するのが、医療者である私の目標ですね。

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