NICU退院後の心配事11:外来受診の頻度

NICU退院後の外来受診の頻度についてです。

まずは現実に即した具体的なお話をしましょう。

シナジスというお注射の適応の子、
退院時にしばらく続けるお薬がある子、
酸素や呼吸器、医療用の吸引器を持ち帰る子、
胃管をつけて帰る子、
モニターを持ち帰る子
など、
医療を自宅に持ち帰るお子さんは少なくとも1ヶ月に1度程度の受診頻度になります。

外来通院中に
RSウイルス流行期(現在では9月から4月の間が流行期)のシナジス適応期から外れ、
内服薬が終了になり、
酸素や胃管、モニターも終了となると、およそ3ヶ月ごとくらいの受診になります。
患者さんや親御さんのキャラクターにもよりけりで、
より心配の強い親御さんの場合には、しばらく1〜2ヶ月に一度受診している子もいます。

修正月齢1歳半(本来の出産予定日から数えて1歳半)以降、
およそ半年ごとの受診となり、3歳、6歳の発達のkey ageと呼ばれる時期に特に以上を認めないとその後は半年から1年おきの受診頻度に減ってきます。

0歳児は目まぐるしく発達発育ともに伸びる時期なので、頻回の外来受診、
その後だんだん頻度が緩和していくということに合わせると、まあ、適切な頻度と思われます。

NICU退院ということに焦点を合わせると、
何が正しいのか、何が当たり前なのかというのは、まだまだ進歩途中というのが現状なんです。
周産期医療の進歩により、早産児や極低出生体重児、超低出生体重児が生存できるようになってまだせいぜい30年程度です。
この間、新生児の急性期医療は急速に発達しましたが、その後、この子たちが成長発達への何らかのリスクを抱えていることは予測されても、そのデータの蓄積がようやく現代になって追いついてきたという状況なんです。
ハイリスク児フォローアップ研究会という新生児の医療団体がNICU退院後の長期予後をどう評価していくか、のデータを蓄積し、指針を出しています。

多くの病院ではある程度同じようになフォローアップ体制で外来受診の頻度となると思います。

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