見出し画像

【トレンド】わずか1日で6兆円を超える売上。11月11日、中国ECの巨大イベント “独身の日”に何が起きているのか?

もはや中国だけではなく世界から注目を集める世界最大のオンラインフェスティバル、「独身の日」(11月11日、英語はダブルイレブンと言われている)は、2019年遂に6兆円を超えるとてつもなく大きな市場になっています。
日本のEC流通市場は年間で3.5兆円程度ですから、僅か1日で日本国内EC市場の2倍近くを売り上げた事になります。

1分36秒 対 13時間

これが何を意味するか、みなさん分かりますか?
「1分36秒」は、今年の独身の日でアリババが「売上1500億円」に到達するまでに掛かった時間です。

たったの1分強で、1500億円をアリババ1社が売り上げています。2012年に1500億円を超えるのにかかった時間は13時間以上(これでも日本のEC市場を考えれば驚異的であると思われますが)。
この2つの数字を見るだけでも、現在の市場規模がどれだけ大きくなっているのかが皆さんにも分かって貰えるのではないでしょうか。

画像1

1分間で1500億円を売り上げた、その巧妙なカラクリとは?

もともと独身の日というのはアリババが仕掛けたセールスプロモーションで、当初は単なるディスカウントセールをするだけの日でした。日本ではあまり知られていませんが、今ではマンスリープロモーションになっています。

そのカラクリはこうです。

消費者は1ヶ月近く前から、当日ディスカウントを受けるためのチケットをデポジット(前受金)として買い、カートの中に商品を入れて購買予約をしています。それが11月11日になった時点で決済されるという仕組みです。だから始まって1分で1500億円もの売上を達成することができるのです。

画像2

独身の日に日本企業が参入して成功するためには?

興味のある方は多いと思いますが、日本企業向けの特別な処方箋は、残念ながら存在しません。
ここでは最新のトレンドを加味して、絶対に見逃してはいけない3つのポイントを挙げておきます。

(1) 1ヶ月単位のプロモーションメカニズム

前述の通り、独身の日は単なるディスカウントして販売する手法ではなく、1ヶ月単位でのプロモーションになっています。このメカニズムをしっかりと理解して参戦することが大前提です。

(2) いかに顧客と繋がり、惹きつけていくか

中国では特に、SNS上でインフルエンサーがライブ放送しながら販売する「ソーシャルコマース」が大きな影響力を持っています。2019年の最大のトレンドは、インフルエンサーによるソーシャルコマースだったと記憶されるでしょう。

画像3

このことは、定量的なデータでも証明されています。2019 Nielsen Online Shopper Research では55%の人がプロモーション期間中に衝動買いした経験があり、59%の人がショッピングプランを変えた事があると返答しています。

(3) 最適なプロモーション戦略と品揃えが重要

この巨大な市場に参入するためには、当然ながら多くの投資が必要になってきます。
日本ではあまり知られていませんが、独身の日のほかにもオリジナルのオンラインフェスティバルはいくつもあり、その市場も年々大きくなっています。

画像4

これから中国のオンラインフェスティバルへ参入しようとする企業は、中国内での適切なターゲットを設定し、どのオンラインフェスティバルに参加するのかを判断していくことが重要です。これは極めて重要なメッセージです。

OfflineはOnline市場の2倍以上の規模がある

年々成長を続ける中国のオンライン市場。巨大化したオンライン市場に関する情報をみて、実際に店舗を出しているオフライン店舗の売上比率が気になる方も多いでしょう。
実際には、オフライン店舗の市場規模は約67%もの市場規模(オンライン約30%)があります。中国でもOnline to Offlineのバランスはとても重要な要素です。

画像5


この記事でシェアした情報は、世界最大の調査会社であるニールセンが中国市場において持っている情報のほんの一部です。ニールセン・カンパニー合同会社では、消費者調査、ショッパー調査、販売予測、マーケティングROI分析、コンシューマーニューロサイエンス分析、海外市場情報提供などを行っております。
JPNwebmaster@nielsen.comまで、是非お気軽に問い合わせて下さい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?