見出し画像

コロナウイルス長期化による消費者の購入決定要素を予測する4つの新たなパターンとは

COVID-19感染拡大発生時では、消毒剤、食品、洗浄剤などの販売が大きく増加しました。ただし、これは消費者が動きの速い消費財(FMCG)の購入を後退させたことを意味するものではありません。US、ブラジル、ロシアなど、ウイルスの発生が増えている、または増え続ける国でも、日用品の購入は比較的安定しています。
現在は、COVID-19による長期的な影響(大規模な感染状況のニュースのみならず、失業率の上昇と経済への懸念など)を踏まえて、「消費行動」が様変わりしています。世界各地での緊急事態宣言、外出制限が解除・緩和された現時点でも、以前の消費行動にもどるのではなく、「リセット」されています。消費者がどのように買い物をし、何を購入するかを予測することが重要です。
ニールセンでは、消費者の購入決定の推進要素の予測に役立つ4つの新たなパターンを特定しました。

画像1

 バスケットリセット:消費者が何を購入するのか? 全体として、多くの消費者が「通常の」買い物かごを構成する製品を慎重に評価し、パンデミックの発生時に形成された標準以上の購入習慣の内容を精査する可能性があります。特に、ますます多くの消費者がCOVID-19により収入に影響を受け支出レベルを維持できなくなると、「必需品」に対する考え方も変化します。
 

ホームボディリセット:どこで消費するのか? ウイルスの感染レベルを下げることを期待して自宅で過ごした数か月の間に、消費者は消費財に関して「自分でできる」(DIY)精神を受け入れてきました。しかし、多くの外出制限、自粛期間(在宅シェルター制限)が世界中で解除されたとしても、セルフケアとセルフサービスの「自分でする」側面が残り、自宅消費が優先されると予測されます。

根拠のリセット:なぜ購入するのか? コロナ禍では以前のように、自由に旅行に行ったり、外出してエンターテインメントを楽しむことができなくなりました。消費者は依然として生活の中で楽しみを見つけたいと考えています。私たちは、消費者が特定の商品やサービスが日常生活で果たす役割や重要性を再想像すると考えています。消費財内で「小さな贅沢」の購入を増やす余地があり、日用品購入の重要性は、来年以降の購買力のシフトに合わせて実際に変化する可能性があると考えています。

手頃な価格のリセット:いくら払うのか? 消費者は、よりリスクを嫌うようになり、価値、品質、および価値を提供する製品/サービスを求めています。 ブランドと小売業者は、特にここ数か月でより多くの買い物客がオンラインチャネルに拡大しているため、どこでどのようにプロモーション活動をするのかを検討する必要があります。

ここで、本レポート内のホームボディリセットの一部をご紹介いたします。
家庭内での傾向は“do-it-yourself” (DIY).
ステイホーム期間中に培われた、感染リスクを避けるため、家庭内で、自分でできることは自分でやるといった精神です。

全世界では、家庭での必需品の1か月の予算は、維持または増加しています。


キャプチャ1

USのデータから、「DIYカテゴリ」の増加と拡大がみてとれます。

キャプチャ2


オーストラリアでは、食料品や食材と調味料がセットとなった「ミールキット」の利用が高まったとデータがあります。また、家庭内での食事機会が増えデリバリーサービスの利用が増えた一方、レストランの利用は減少とデータにも表れています。

キャプチャ3

日本でも、ミールキットは成長が見込まれる市場。オイシックス、コープデリ、らでぃっしゅぼーや、パルシステムなどの食品宅配のみならず、イオンなどのスーパー、ローソン、セブンミールといったコンビニや、amazonフレッシュといったECサイト、ISETAN DOORといった百貨店など、様々な業態が参入しています。在宅勤務の増加により、おうちご飯での利便性への欲求の高まりも影響していそうです。昨今では食品宅配と外食チェーンの業務提携も発表されるなど、「ミールキット」市場では今後の伸びが見込まれます。

のビジネスには、消費者の新しいニーズに迅速な対応をし続けることが重要なのではないでしょうか。

本レポートは、以下のURLよりアクセスください。
https://www.nielsen.com/us/en/insights/report/2020/predicting-the-covid-19-behavioral-reset/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?