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【トレンド】インドネシア市場の”いま” (1)~首都移転と食習慣の変化に見る最新トレンド~

インドネシアは世界第4位の人口とその高いGDP成長率から、現地でビジネスを展開する日本企業が後を絶ちません。

今回の記事では、インドネシアの消費者トレンドについて、ニールセンが発行するレポートをもとにご紹介します。

インドネシアには17,000以上の島があり、国民の約57%が首都ジャカルタを擁するジャワ島で暮らしています。しかし、カリマンタン島とスラウェシ島での政府主導プロジェクトの増加により、ジャワ島の外でのビジネスチャンスが拡大を続けています。インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は昨年、首都をカリマンタン島バリクパパンにあるペナジャム・パセルに移転することを発表しており(2024年中の政府機関の移転開始を予定)このトレンドに拍車を掛けています。

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今年初めには、日本の茂木敏充外相がウィドド大統領およびルトノ・マルスディ外務大臣と会談したというニュースが紙面を賑わせました。大統領はソフトバンクの孫正義会長とも会談し、両者は小さな島での建設を含む投資計画について議論を交わしたとされ、同氏が東カリマンタンの新首都開発出資にも関心を寄せていることが伝えられました。一連の訪問は成功裏に終わり、その後、当局からもいくつかの計画が提案されています。このようなポジティブなニュースが広まることで、インドネシア市場に対する日本企業の関心もさらに高まると予測されます。 


ここで、昨今のインドネシア市場の概況を見てみましょう。


消費者のマインドと購買行動を追跡するニールセンの消費者調査「Nielsen’s Changing Consumer Prosperity Study」によると、インドネシア人の75%が5年前と比べ財政状況が良くなったと回答しており、過去5年間で、コミュニケーションテクノロジー、教育、食料品、ビデオ・音楽・インターネットサービス、旅行への支出が増加していることが明らかになっています。

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これらの分野での支出の増加に加え、「What Next for Southeast Asia’ Study on 2019」調査でも明らかになっているように「食の楽しみ」に対する支出も伸びています。 2018年においてもこの領域は成長しており、ミルクとチョコレートが上位にランクインしています。魅力的なパッケージ、多様な商品開発、流通網および価格帯の拡大などが成長の要因となっていることが分かります。

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インドネシアは四半期平均48.4兆インドネシアルピアの食料を消費しており、都市ランキングのトップ10にランクインしていることも挙げておきましょう。また、消費傾向の違いが豊かさではなく年齢に起因することも特筆すべきポイントです。

「Nielsen Indonesia Food Trip 2019’ Study」では、消費者を6つのセグメントに大別できることが浮き彫りになっており、若年層は、食を探求する層(あれこれ試しストレス緩和剤として食べる)と大食家層(制限せずに空腹のときに食べる)の2つのセグメントに分けられることが明らかになっています 。

JPN_Indonesia01用スライド

続く経済成長に加え、首都移転という大きな転換期を数年内に迎えるインドネシア。今後ますます注目を集めるだろう同市場の最新動向について次回も引き続きお届けします。

Stella Alberta, Consumer Insights, Senior Manager, Nielsen
東山 靖, Consumer Insights, Senior Manager, Nielsen

文中で引用したレポート(英語)のご紹介
Nielsen’s Changing Consumer Prosperity Study
無料レポート:レポート本編を下記ダウンロードボタンよりダウンロードいただけます。
What Next for Southeast Asia’ study on 2019
無料レポート:レポート本編を下記ダウンロードボタンよりダウンロードいただけます。
Nielsen Indonesia Food Trip 2019’ Study ご案内
有料レポート:ご案内資料を下記のダウンロードボタンよりダウンロードいただけます。

インドネシアの食品市場参入企業必見。インドネシア国内10都市を網羅、2000以上のサンプルから消費者の食にまつわる最新トレンドをひも解く充実のレポート。

詳細ならびに購入に関するお問い合わせは、 ニールセン・カンパニー コンシューマーインサイト 東山 靖
Yasushi.Higashiyama@nielsen.com までお願いいたします。
ニールセン・カンパニー合同会社では、消費者調査、ショッパー調査、販売予測、マーケティングROI分析、コンシューマーニューロサイエンス分析、海外市場情報提供などを行っています。
お問い合わせ:JPNwebmaster@nielsen.com

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