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わたしの卒オオゼキ

先日、行きつけのスーパーマーケットオオゼキに行くにあたり、わたしは一抹の不安を抱えていた。
折悪しくその日は仲秋の名月の翌日、つまり団子粉が飛ぶように売れた翌日であろう日だ。もしかしたら団子粉は売り切れかもしれない。

しかし、その不安は杞憂に終わった。団子粉、山のようにあるのである。しかもプレーンとよもぎ味。よもぎ味なんて初めて見た。即カゴに入れた。

さすがオオゼキ。そう、わたしもオオゼキの品揃えが好きだ。薄口醤油の選択肢がひとつしかないところ以外。もっと薄口醤油に光を!!
(と言ったら、お取り寄せしてくれるんだろうなあ、言ったことはないけど)

オオゼキのどこが好きって、しかし一番は、店員さんの活気ある積極的親切さ。愛想の良い挨拶、景気の良い呼び込みはもちろん、幼児連れの方の買い物はさりげなく袋詰めしてくれる、年輩の方のカゴはサッカー台まで運んでくれる。そんな親切さが大好き。

わたしのオオゼキロストバージンは旗の台店であった。たまたま新婚時代に住んだ町に、運良くオオゼキがあったのだ。バスケットプライスはそこそこ、お安くはない。がしかし、わたしはもうオオゼキに夢中になった。愛する聖護院大根を置いているスーパーなんて、わたしの数少ない経験から言うと、デパ地下の超お高級スーパー以外にない。
ちなみに趣味のひとつがスーパーの鮮魚コーナーをうろつくことである夫もオオゼキの品揃え、鮮度には満足。接客すごいね!と二人で興奮気味に話し合ったこともある。

そんなオオゼキが、いろんなところで愛されているのを知って嬉しい。


もはや言うまでもない、まつしまようこさんのあふれるオオゼキ愛。まさか地元のスーパーがこんなに研究されているとは知らず、記事を読ませていただいた時の驚きといったらない。

次に引っ越した町にも、オオゼキはあった。規模は旗の台店より少し小さいくらいだろうか、だがここでもオオゼキのホスピタリティは変わることなく、慣れない町で右往左往する身にとってホッとできる場所であったことは今でも印象に残っている。どこのオオゼキにも、安心感がある。安定感がある。それがオオゼキ。素晴らしい。

ところが、次の引越しを控えた今、わたしは逆に困惑してしまっている。ぽんぽこ村の一角である次の町には、オオゼキがないのだ。もはやオオゼキにどっぷり浸かってしまったわたしにとって、オオゼキのない町で暮らしていくことなんてできるだろうか。
ちなみにオオゼキの西端は府中らしい。苦しい。ぜひとも今後はぽんぽこ村に進出、否、オオゼキらしい言い方をすれば、開拓してほしい。もし最寄駅にオオゼキができたらわたしは小躍りして歓迎し、もしかしたらご近所さんにオオゼキの良さを説いて回るかもしれない。いや、それは迷惑だな。

そういうわけで、オオゼキロストバージン記事とともに、わたしはオオゼキを卒業する。寂しくてたまらないが、新天地でわたしは主婦として、良きスーパーと良き関係を築いていこうと思う。オオゼキの積極的親切さを懐かしく思いつつ。積極的に良い客であろうとしよう。キーワードは『お願いします。』『袋は結構です。』『ポイントカードあります。』『ありがとうございます。』

ちなみに夫の勤務する町にもオオゼキがあるので、余ったポイントは彼に託そうと思う。そう、その時がわたしの卒オオゼキなのである。

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