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「地球の大家」

キャッチコピー:地球を返すことになったとき我々はどんな掃除をさせられるのだろうか?

あらすじ:人類は地球に間借りしていたにすぎなかった。
地球の大家が人類に退去を申し入れてきた。
退去を受け入れた人類は間借りしていた地球をきれいにしてから彼らに返さなければならない。我々人類は総出で大掃除することになった。

ニエタギルゴボウ


(第一話)
「地球の大家」

まさか地球に大家がいるとは思わなかった。
そんな例えがいいのか悪いのかわからないけど、そう言ったほうが分かりやすい。

地球人類のおかれてる今の状況は賃貸住宅を退居する間借人。

突然、地球の持ち主だというものが現れ、そろそろ出ていってくれないか?と人類に宣告してきたらしい。
らしいというのは、テレビ放送など、メディアがこぞって語尾を「らしい」でまとめているからだ。

そういうわけで、いま世界は立ち退きのため、地球人類総出で地球の片付け、掃除を行っている。
仕事にあぶれる者などいない。
病さえも彼らの力によってほとんどなんとかなった。
戦争もない。
それどころではないのだ。


立ち退くの?!と思うでしょ?
そう。
そう、我々人類は(お借りしていた)地球を返却し、立ち退くことにした…

立ち退き先だが、先方?でそのへんは用意してくれてるので心配ないらしい。
その他もろもろの、どうすんの?という心配事項も概ね全てクリアされてるんだとか。。
大体地球の2倍くらいの星を貸して?くれるらしく、およそ日本なら日本、アメリカならアメリカみたいな形の土地をざっくり用意してあるらしい。


得体の知れない大家は当たり前に地球外生命体であることは言うまでもない。。
さらに言えば、とんでもない力をもった存在なんだろうことも。

この世のものとは思えない力を持った者が、なぜ人類に片づけをさせるのだろう。
彼らにしてみれば造作ないであろう地球の片付けを人類にあえてさせるその目的はなんだろう?

・・・・
海底、深海とよばれる場所に蓄積したプラスチックごみを海底から引き揚げるように人類は指示された。

海底に蓄積したプラスチックゴミなんかを掘り起こし地上に集める。
そんな技術が地球人類にあるわけもなく、それらの作業を可能とする作業機械は彼らが貸してくれてるらしい💦

・・・
地球上の経済活動さえも彼らがどうにかしてくれた。
地球上の病さえも彼らの力によって治すことができた。病を治した上で片付けに加わって欲しいのだろう。

・・・
全世界が従わざるを得ないその力は、怖さというより、絶大なる可能性をみせつけた。
いままで不可能と思われていたものがいとも簡単に可能となっていく。。
世界の国々は喜んで引越しに賛同している。
なんらかの目論見があるのかもしれないが、ともかく…
今の地球は、かつてないほど平和だ。。

(第二話)
「住んでもらいたい」

地球人類がなぜ他の惑星に引っ越ししなければならないのか大家のほうから説明があったようだ。
事前に知らされていたことだろうけど、今ごろ噂として伝わってきた。

彼らの話によると、ショックかもしれないが、私たち地球人類は惑星にとっては微生物のような役割を果たしているのだそうだ。
微生物としての人間がいるから惑星が活性化されるらしい。

大家は他にも惑星をいくつか所持しており、地球人類のような生命体に貸している。
ほとんどが大家である彼らの存在を知らないわけだが。
(たとえ知ったにせよ、何千年もの月日が経つとその出来事を記したものは、現在私達がみる古代文明のよく分からない記録みたいになる可能性が高い)


困ったことに、いくつかの生命体は自滅に向かって行く。

大家はその前に止めるらしいのだが、所持してる惑星が多すぎて管理しきれないこともある。
気が付いたときには貸してた惑星が荒れ果てた星になっていたなんてザラにあるそうだ。

その場合、相当な年数が経たない限り人間のような生命体を住まわせることは不可能。
「管理するのは難しい」・・・
地球外生命体である大家のぼやき。

地球で未確認飛行物体などとして目撃されてたのは管理者としての彼らだった。

自滅していく生命体のなか地球人というのはバランス感覚にすぐれた生命体なのだそうだ。
このまま地球にいてもらおうと考えてたらしいが、ここ数年の状況は大家から見てかなり危うい状況であり、引っ越しを迫ったというのだ。









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