生きざま

※昔はタオルとして使われてたが、古くなって雑巾として使われてるタオルの話です。

俺は雑巾(ぞうきん)として生きてる。
地べたに這いつくばったあとは、水の中に突っ込まれることが多い。
一人ぼっちで。
なぜなのかは最近わかった。

今日も汚れにダイブしてやったよ。
また汚くなっちまったなぁ。
・・・

上質なタオルがはるか頭上に吊るされてる。
バケツに体をあずけながらそいつらを見上げてる・・・
俺もかつては人肌に触れるタオルだったなぁ。

終わった人?
おっと人じゃねぇな。
終わったタオル??

・・・
でもよお、
考えてみたら俺はいつだって必要とされてきた。
今だってそうだ。
なんなら、今現在の俺のほうが必要とされてるかもしれない。

どんどん汚くなっていくし、このところ自分の体が薄くなっていくのを感じてる。

それでも必要とされてる。
俺がいなけりゃその場がどうにもならねぇ、
そんな現場がある。
かなりの古株な俺だけど。

・・・
身をすり減らし、形もいびつになってきた。
体はあちこち薄くなってきてる。
穴が開きそうなところもあるし、実際穴が開いてるとこもある。

俺がどこまで使えるかは人間の考え方次第だ。
かんたんに捨てるなよ。

#創作大賞2023
#オールカテゴリ部門

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