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勝手なやつ

「ちょっと聞いてよ!あいつ勝手すぎ」

「「なにが」」

「もう私、付き合いきれない!別れたい!!」

「「落ち着きなよ」」

「「自分は女の友達と遊んでるくせにね、私が男友達と飲んだりしてると、すごく怒るんだよ」

「「それは勝手だね」」

「でしょーー!自分だって会社の女の人とかと飲んでるじゃん!って反論するとね、男と女は意味があいが違うっていうの」

「「でた」」

「男は危険だってことを、自分が男だから知ってるんだって。だから、私がなんとも思ってなくても、男は何かを必ず思ってるんだって。そういう目線にさらされてるのがまじありえない、って」

「「それって、自分もそういう目で女を見てるっていう告白じゃん」」

「でしょーー!それを指摘するとね、俺は違う!一般的な話をしてるんだ!って」

「「はい、矛盾。先ほど、自分は男だから男の気持ちがわかるっていったこととはい矛盾」」

「でしょでしょーー!でさ、私も、それが一般的な話だとしたら、私の男友達は一般的じゃないから大丈夫!って言ったの」

「「そっちの攻め方ねー」」

「そしたらさ、男に例外とかなくね?男はみんなスケベだからって」

「「例外ないんだったら、あんたの彼氏も漏れなくスケベじゃない」」

「でしょーーーー?で、そのまま返してやったのよ。ってことは自分も例の中の一つってことじゃん!」

「「そしたら?」」

「俺はこの限りじゃない!!って」

「「え?どゆこと?」」

「例外だってこと」

「「理論破綻しすぎだし、言い方でごまかしすぎ」」

「でしょ。自分だけ例外使えるんだったら、私だって使うわ」

「「束縛男の典型だよね、勝手すぎ」」

「いや、まぁ、普段はそこまで束縛とかしないんだけどさ」

「「そうなんだ」」

「時期的なこともあると思う。仕事で悩んだりして、私に甘えてるのかもしれないね」

「「カップルってそういうもんだしね」」

「だからって勝手すぎない?寝てる時の歯ぎしりがいやだって叩き起こされたんだよ!?自分だっていびきうるさいくせに」

「「そうかぁ」」

「どう思う?」

「「え?いや・・・まぁ、それは勝手すぎるよね!自分のだっていびきすごいんだから」」

「いや、まぁ、でも確かに、歯ぎしりって、いびきとは違うどくとくのいやな感じがあるから、いやなのはわかるんだけどさ」

「「・・・確かに。いびきって男の性質ってところもあるし、ある程度諦めないといけないのかもなぁ」」

「だからって勝手すぎない??自分だってうるさいくせに。ゴミ捨てだって全然行かないんだよ?ゴミ捨ての当番あいつなのに!」

「「まじかぁ」」

「どう思う?」

「「どっちだ・・・どっちが正解なんだ・・・あ、でも、まぁ仕事で疲れてたりするんじゃない?・・・」」

「私だって疲れてるし、私全部家のことやってるんだよ!?一つくらいやっても良くない?」

「「・・・それはそうだよ!各々忙しいんだもん。決めたことはきっちりやらないと」」

「でも彼の場合、仕事がら帰り遅かったり、朝早かったりで、ゴミのことなんて忘れちゃうのも仕方ない部分あるよね」

「「そうか」」

「だから、あんまり悪く言わないであげて」

「「・・・あ、うん」」

「そっちはどうなの?」

「「私?私は、まぁまぁかなぁ。そろそろ結婚の話も出てる」」

「え、こないだめちゃくちゃ喧嘩してたじゃん。別れるって」

「「そうだったけ。でも、山は乗り越えた感じかな」」

「ちょっとー私の記憶はあの時のままなんですけど。勝手に山乗り越えないでよ」

「「だって」」

「あんだけ泣いて喚いて、結局結婚しますって、勝手すぎだよ」

「「人ってさ、他人の断片しか見れないものなんだよね。流れまではなかなか追えない。もちろん、あの喧嘩の後私たちの間にも色々あったんだよ。でも、なんとか乗り越えた。その姿は確かに、他人から見たら勝手に見えるんだろうね。だから私はね、あんたのことを勝手な人間だなんて思わないよ」」

「ねー!ミカが合コンやらないって!?ラインきたんだけど。どうする?」

「「いくでしょ!」」

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