作業部屋を防音室にしてみた
【自己紹介と防音室製作経緯】
素人音楽家の2月。と申します。
私は作詞作曲編曲レコーディング等、楽曲を作る為の全ての行程を基本的に自宅にて行っております。
しかし、賃貸マンションの為、お隣には他の入居者様がおり気持ちよく歌を歌ったり、スピーカーから音を出したり、音の大きい楽器を演奏したりすることが満足に出来ない。
若干の不満と窮屈さを感じながら楽曲製作に勤しんで来ました。
逐一スタジオに行くわけにも行かないし代金もバカにならない。
「あぁ...全て自宅で完結できたらどれ程楽だろうか」
色々と悩んだ結果、様々な企業が販売している「防音ブース」を探し出すのですが、そのどれもが「ボーカルをレコーディングするくらいのスペースしか無いものばかり」
そして何より高い...その上、音が完全に遮断される訳でもない。
私の目的は、あくまでもお隣様に迷惑をかけずに「楽曲製作がしたい」というものだったので
「防音(ボーカル等レコーディング)ブース」は広さ的にも金銭的にも効果的にも不向きでした。
そこで最終的に思い付いたのが、今回自作した防音壁による作業部屋そのものの防音室化だったのです。
「吸音材(白)+遮音シート(黒)+木材板」を組み合わせた「防音壁」を、壁(音が漏れやすい引き戸等)に立て掛けることで、作業部屋内部から出る音を外部に出さないようにしようと思い至ったのです。
なるべく安く、部屋そのものを防音にしたい
という方に向け、幾分か参考になればと思いここに記事を残します。
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【防音室(防音壁)に使用した材料と料金】
【主な材料】28,128円
針葉樹合板 1180円×4=4720円
8.9kg 12mm×910mm×1820mm
遮音シート940SS(GB03053) 3519円×1=3519円
19kg 1.2mm×940mm×10m
吸音材GCボード5枚入 19889円×1=19889円
50mm×910mm×1820mm
【工具等雑費】7,266円
ノコギリ438円×1=438円
セメダインスーパーXG 1090円×2=2180円
セメダインスーパーX 1090円×1=1090円
超強力両面テープNo.577 1580円×2=3160円
引き戸隙間防止テープ 199円×2=398円
【送料】0円
各種 0円
【合計】約35,394円
注:パノラマ撮影のため若干の歪みがあります
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【防音壁作り】
①吸音材に遮音シートを貼り付け吸遮音ボードを作る
吸音材は大きさこそありますが、そこそこ軽いので扱いは然程大変ではありませんでした。
ただ、その吸音材に貼り付ける遮音シートが
激烈に重いです。
ロール状のその重さは約19kgとのこと。
小学生くらいの重さがあるみたいなのですが、人間の子どもように抱え易くないので上手いこと持ち上げられず、アホみたいに重く感じます。
配達業者さんから渡された時、あまりの重さに笑っちゃいました。
配達業者さん、ありがとう。
扱いには十分気を付けましょう。
手袋なども忘れずに!
このように吸音材の上に遮音シートを被せ大きさを合わせます。
この激烈に重い遮音シート、実はめちゃペラペラのゴムシートのようになっているので、100均のハサミで簡単に切れます。
吸音材の大きさに切った遮音シートを、接着剤で着けていきます。
私は「セメダインスーパーXG」と「セメダインスーパーX」を使いました。
在庫がなくなったので二種類使うことになりましたが、「XG」と「X」では用途が異なるようなので確認した方が良いかと思います。
少なくとも私がやった限りではめちゃめちゃバッチシ接着できました。
②木材板を引き戸の木枠に貼り付け、防音壁を作る。
最初は木材板をタッカーで木枠に打ち付けようかと思ったのですが、賃貸なのでやめました。
そこでタッカーの代わりに使用したのが、この「超強力両面テープNo.577」です。
両面テープの割にはとても高価だったのですが、使ってみたところ、その料金設定にも納得がいきました。
この両面テープ、1度貼り付けるとちょっとやそっとじゃ
びくともしません。
成人男性が力に任せて引き剥がそうとして初めて外すことが出来るくらいに強力。
ただ、この両面テープすごいはここから。
なんと端っこの方からクルクルと巻き取るようにすると簡単に剥がせるんです!
外した後のベタベタは一切残りませんでした!すげぇ!
二つのものを接着するとめちゃめちゃ強力なのに、貼り付ける位置を間違えたら簡単に剥がせる
というワケわからん作りをしています。
高価ですが、おすすめです。
注:ベタベタが残った場合の責任は負えません
このように木材板を木枠に貼り付け、疑似的な壁を作り、その上に①で作った吸遮音ボードを被せます。
この木材板と吸遮音ボードを接着しようかとも思ったのですが、引っ越す時にめんどくさそうだったのと、もし貼り間違えてしまったら木材板と吸遮音ボードを引き剥がす時に、吸音材と遮音シートも引き剥がされることになりかねなかったので、接着はしませんでした。
本当にただ被せてるだけですが、意外と自立するのであとは彼らに任せますって感じです。
倒れてこない事を祈ります。
③眺めたり写真を撮ったりする
作業行程の中で一番楽しいかもしれません。
これで防音壁の完成です!
内側だけじゃ心配な方は外側からもやるといいかも知れません。
私は疲れちゃったのでやりませんでした。
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【防音効果検証~昼頃の場合~】
ここからは完成した防音壁(防音室)の効果を検証した結果を載せていきます。
計測器を使った訳ではありません。私の主観的な判断によりますので予めご了承下さいませ。
参考程度に見ていただけたらと思います。
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「作業部屋→隣の部屋→ベランダ」
という作りを前提とします。
隣の部屋にあるテレビを点けながら作業部屋で鳴っている音を聞いた場合、
テレビより音が気になったら「 × 」
テレビと同じぐらいだったら「△」
テレビを普通に見れそうなら「◯」
テレビすら聞こえない場合は「/」
と表記します。
それでは検証結果をご覧ください
【スマホのスピーカーで流した曲&歌声】
作業部屋「 × 」もちろんうるさい
隣の部屋「◯」音がこもって少し聞こえる
ベランダ「/」全く聞こえない
【掃除機の音】
作業部屋「 × 」もちろんうるさい
隣の部屋「△or◯」音がこもって聞こえる
ベランダ「/」全く聞こえない
【人の生の歌声】
作業部屋「 × 」もちろんうるさい
隣の部屋「 × 」音がこもって普通に聞こえる
ベランダ「/」全く聞こえない
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【検証してみた感想&説明】
ベランダに出て扉を閉めてしまえば(交通量の関係もありますが)驚くほど全く聞こえませんでした。
これは自宅の環境にも左右されそうですね。
隣の部屋で聞く限り、全体的に高音域がカットされたような音になり、こもって聞こえるのが特徴と感じました。(EQでハイカットした感じ)
隣の部屋での聞こえ方は、同じ家の中なので特に問題に取り上げません。
目的は「お隣様にご迷惑をお掛けしない」という事ですので、ベランダに出て聞こえないのであれば何も防音対策をしていないよりはましなのではないかと感じました。
補足として、元々の建物の構造等にも配慮した上でこのような防音対策をすれば、今回のような目的を達成するのにそれなりの効果は期待できるのかなと思いました。
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【作業部屋内部に居る時の感想】
外界でなっているはずのあらゆる環境音(生活音)が遮断され、言葉に言い表すのが難しいような不思議な感覚がします。
一言で表すなら「塞がれている」といった具合でしょうか?
個人的には耳栓をしているような閉塞感があるように思えました。
専門家ではないので詳しいことはわかりませんが、外部の音の遮断と、内部の音の反響の吸収が重なったが故の効果?なのかと認識しています。
(注.完全に聞こえなくなる訳ではなりません)
防音壁で全て塞いだ時の第一声は、
「あぁ―....静かだわ....(笑)」
でした。
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【まとめ】
①音は聞こえるが高音域がカットされた感じになる
②ベランダに出てしまえば全く聞こえない(環境による)
③外界の音が遮断され反響が抑制されるため落ち着く
④プライベートスタジオっぽくてカッコいい
⑤何も対策しないよりは絶対いい(気持ち的にも)
お隣様に騒音の検証をお手伝いしていただく訳にもいかないので、実際の効果は完全には把握できませんが「やらなきゃよかった」というような後悔は微塵もありませんでした。
寧ろ、何もせず騒音を気にして不安を抱えたまま音楽をやるより、それなりに対策をすることで得られる「安心感」が満足度に貢献しているのではないかと思いました。
安価で安心を得たい方、少しでも対策をしたい方にはおすすめ出来るのではないかと思います。
皆様の参考になれば幸いです。
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わたくし2月。の音楽活動もよろしくです!
▶️YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCrGnlGdJZ8pn2Fl5G19Hj4A
▶️楽曲販売サイト「BOOTH」https://february-sounds.booth.pm/
➡️音楽ユニット「The Grasspopper's」https://youtu.be/YWwo6YX0RkU
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