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うるとらブギーズのネタについて語りたい

うるとらブギーズのネタが、個人的に大好きでしたので、語っていきたいと思います。キングオブコント2021で一番腹抱えて笑ってしまいました。

飯塚さんのコメントすごい

審査員の飯塚さんが決勝進出した空気階段、男性ブランコに続いて、三番目に高い点数である94点をつけている所にグッときました。

コメントで、「迷子センターというよくある状況設定のなかで、慌てて変なことを言うお父さんよりも、アナウンスで緊張感のあるほうを笑わせるっていうのは、新しかった。」ということを言われていたのが、全てだと思います。なぜネタ見た直後にそんな真理をついたコメントを言えるのでしょう。やはり飯塚さんは全知全能の神なのでしょうか。大好きです。

シチュエーション系の笑いについて

ここからは個人的な主観を交えて掘り下げていきたいと思います。
個人的に、笑いの作り方には3種類あると思っています。
”王道系”"シチュエーション系"”キャラクター系”

うるとらブギーズのコントは、『迷子になった子供の変な特徴をアナウンスで伝えなければならない』というシチュエーションに置かれた店員の様子で笑わせているので、シチュエーション系にあたります。

シチュエーション系の笑いは、そのシチュエーションに置かれた人物の、リアクションで笑わせるものが多いです。

例えば、バイきんぐの「なんて日だ」のネタは、『久しぶりに帰ってきた娘から性転換したことを知らされ、しかもその日は妻が家出をした日だった。』という状況に置かれた父が「なんて日だ!」というリアクションをすることで、笑いが生まれています。

この『リアクション』でどれだけ感情が伝わるかによって、笑いの大きさが決まるのだと思っています。

『リアクション』が示す感情は「困惑」や「怒り」といった感情であることが多いです。
よく分からないことが起きて、「どういう状況??」とか
失礼なことを言われて、「いい加減にしろ!」とかです。
たぶんそれが伝わりやすく、作りやすいからなのではないかと思います。

そんな中、うるとらブギーズのネタは、"笑ってはいけないのに笑ってしまうあの感覚"を伝えることで笑いを取っていました。

これは高い演技力がないとできないことだと思います。
あと、「ピンポンパンポン」という音の使い方も最高でした。僕はあそこで完全に腹筋崩壊しました。

"笑ってはいけないのに笑ってしまうあの感覚"で笑わせるコントはたまにありますが、お葬式とか全校集会とかのシチュエーションであることが多いです。

迷子センターという設定は、もはや使い古されたと言ってもいいくらいのシチュエーションだと思います。
しかし、その設定において、笑ってはいけない状況を利用したコントは今まで見たことがありませんでした。

コントは最初、焦っているお父さんが子供の特徴を伝えて、それを聞いた店員の「驚き」や「困惑」のようなリアクションで笑いを起こす所から始まりました。
そこですっかり、「こういうパターンか。」と思わされてしまいました。
その後、“笑ってはいけない状況に置かれた店員“のリアクションで笑わせる方に展開していくことで、その予想をいい意味で裏切り新感覚のコントを作り出していました。
全く無理のない自然なストーリー展開で笑いのスイッチが切り替わる所は本当に綺麗で鮮やかでした。

コントを多く見ている人ほどダマサれる展開でした。ここが本当に巧妙に出来ていました。
こういう所が、お笑いが好きな自分にはたまりませんでした。

最後に

コント愛がひしひしと伝わってくるとてもいいネタでした。
飯塚さんにいい評価をもらえている所もエモかったです。
以前、お笑い好きな知り合いが、「東京03のコントは、"おかしな人"が出てこない。なのに面白いのがすごい。」と言っていたのを思い出しました。
うるとらブギーズの今回のネタも、おかしな人は登場せず、純粋に、シチュエーションと自然なストーリー展開だけで笑いを作っていました。
最高にかっこよかったです。
単独ライブ見に行きたい!!

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