短編小説 私
私が悪魔だったら
みんなが悪魔だ
私が天使だったら
みんなが天使だ
私が人間だったから
みんなが人間だった
小さな粒が私を作って
小さな匂いを発してる
柔らかな日だまりなんで見たことがないから
人間の証明はできないけど
消えそうな手の平じゃ
なにも遮ることができない
だから私はあなたに聞いてみたくなったんだ
「私は何?」
あなたは不思議そうな顔をスマホに写して
「さぁ?あなたはあなたにしか見えないから、あなたはあなたじゃないの?」
私は少し笑った
私が悪魔だったら
みんなが悪魔
私が天使だったら
みんなが天使
私が私だったら
みんなはみんなだ
悪魔や天使、人間のどれでもなく
私は私で
みんなはみんな
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