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進むべきは、「前か後か」。丸亀製麺のリブランディング

久しぶりの投稿です。もう一つのメディアの記事を書いていたら、こちらがおろそかに。なんとかしなければ...。

そんなことは、さておき、
本日は、国内No.1のうどんチェーン丸亀製麺のリブランディングについてまとめます。先日、とあるメディアでニュースにもなっていましたね。

●参照記事

僕なりに書いていきます。

1.行き詰まっていた「丸亀製麺」

みなさん、丸亀製麺の既存店売上が、昨年より長く行き詰まっていたことをご存知でしょうか。こちらグラフをご覧ください。こちらのグラフは、丸亀製麺の既存店の売上と客数の前年比推移です。長く前年割れが続いていることがわかります。

この期間、丸亀製麺では毎月のように新メニューを開発し、店頭でもフェアを行い、TVCMも大量投下していました。徹底的に目に触れる機会を作り、新しい要素を追加しているにも関わらず、売上は上がりません。

ニュース記事の中でも一部語られていましたが、
運営元であるトリドールはその原因が分からず、
お手上げ状態だったとまとめられています。

当時の参考画像は、このようなイメージ。

2.外部ブレーン 森岡氏の参画

この危機的状況に参画したのが、あのUSJの復活劇で知られるマーケッター森岡 毅氏。外部ブレーンを加え、丸亀製麺の本格的なリブランディングプロジェクトがスタートしました。

3.答えは、原点にあった。

私は、森岡氏ほどではありませんが、普段の業務でリブランディングのコンサルティングを行なっています。その中で、必ず語られるワードがあります。それが、「本質的価値」。どのようなリブランディングをするにあたっても、『本質的価値』は、必ず明確にしていく必要があると考えます。プロジェクトの過程の中で、一度、原点に立ち返りそのブランドだけが持つ「強み」、「魅力」、「熱量」を整理し、リブランディングしていくための軸を定めていきます。言葉で書くと、「なんだ簡単じゃん」と思うかもしれません。しかし、毎日毎日そのブランドのことだけを真剣に考える内部の人では、思考が凝り、目先しか見えず、視野が狭くなったり。内部の人間だけで、この「本質的価値」を見つけることは、容易ではありません。

話を丸亀製麺に戻しますが、丸亀製麺も思考が凝り固まった状態にありました。目先のフェアや新メニューの開発に没頭し、気づいた時は、どこから来たかも分からない360度闇の中という状態にあったことでしょう。

しかし、森岡氏のコンサルテーションによって、
丸亀製麺ブランドは、辿って来た道を戻り始めます。
記事抜粋です。

丸亀製麺 栗田氏:「丸亀製麺を始めたのは、父の故郷である香川県を訪れた際、小さな製麺所にお客様が列をなしているのを見たのがきっかけでした。これだ、と思ったのです。できたての麺を、その場で食べていただく。これほど感動的な食体験はありません。だから我々はすべての店舗に製麺機を置き、すべてのうどんを国産の小麦粉から作っています。作り置きもしません。できたての美味しいうどんを味わっていただきたい。そこにこだわって工場やセントラルキッチンを持たずに、ひたすら「できたてのおいしさ」を実直に展開してきました。過去に売上が鈍ったこともありますが、そのときはフェアを行って乗り切ってきました。しかし最近、フェアがきかなくなってきたのです」
粟田社長の言葉を聞いて、森岡CEOは「この会社にはブレない軸がある」と感じた。「手作りの麺をその場で食べてもらう」という一貫したコンセプトにはわずかなブレもない。自分たちが何をやりたいのかがわかっている。
「丸亀製麺の本質的価値をブランドにすれば、まだまだトップラインを伸ばせます。客足が落ちていたのは、その本質が手薄なままフェアをやりすぎたからです。フェアはリピーターには効果がありますが、新規顧客を呼び込むのには向いていません。それよりも、丸亀製麺の魅力の原点、『手作りのうどんの美味しさ』を押し出すのです」 
新商品などを期間限定で押し出すフェアとは、要するに「トッピング」で目先を変える手法だ。すでに丸亀製麺の美味しさを知っているリピーターを呼び戻すことはできるが、「うどん」そのものを食べるかどうかで迷っている新規顧客には効かない。そのことはデータを精緻に分析すれば明らかだった。
そしてもう一つわかったことがある。丸亀製麺のこだわりである「手作り」は、思っていたほど顧客には伝わっていないということだった。

4.リブランディング後

森岡氏の指揮により、丸亀製麺は、本質的価値に立ち返り自分たちの戦う場所の整理をしました。

さらに、その戦う軸が間違っていないことを裏付けるデータとして、『丸亀製麺のうどんへの本物のこだわり=手作り』は、生活者に伝わっていないことが明らかになりました。ここまでくれば、あとはプロモーション領域へ。アウトプットがこちら。

5.結果、どうなったのか。

今年5月に、16ヵ月連続で前年割れを続けていた既存店客数がついにプラスへ回復。リブランディングプロジェクトはひとまず成功したといえると思います。もちろん、これからの動向も重要ですが。

5.この記事を通じて感じたこと

この記事を読んでの所感を以下にまとめます。

A.本質的価値に帰ることは、これまでの資産を失うということではない

森岡氏のコンサルテーションを見て、改めて認識した本質的価値へ戻る重要さ。本質的価値に帰って再発進と聞くと、これまでの努力が失敗だったのかという風に感じる方もいるかもしれませんが、それは違うと思っています。

あえて例えるならば、今のビシネスがうまくいっていないのは、あなたが腕先、足先だけでプレーしているから。本質的価値に立ち返り、体幹からプレーできるようになれば、体幹から伝わってきたエネルギーがいつもの腕先、足先に伝わっていく。つまり、通常以上のパワーと発揮できるということ。

丸亀製麺のケースにおいても、珍しいメニューで戦っていた所に、各店で1から作る美味しいうどんという本質的価値が追加されることにより、かけうどんで食べても美味しいのにトッピング付きの珍しいメニューまで充実しているという状態の完成。失うのではなく、パワーアップしていますね。

B.外部ブレーンの重要性

私の立場は、外部ブレーン。森岡氏の動きを見て自分に言い聞かしたことがあります。それは、外部ブレーンは決して遠慮してはいけないこと。下請けではなくブレーンとして参画している我々の使命は、通常業務では見えない凝り固まった思考を崩す事。そんな使命を受けている人間が、遠慮をしていては、ブランドは何も変わらない。20代で大企業の重役クラスと対等に仕事をしないといけない、失敗できないというプレッシャーが遠慮を生んでいるならば、それは決して、やってはいけない事。たとえ、多少の失礼であったとしていうべき時は言わないといけない。それぐらいの心持ちを今、改めて心に刻んでいます。

以上です。
また、いい事例があればまとめていきますので、よろしければフォローよろしくお願いします。

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〼MaSu〼(Re:ブランディング プランナー)

都内で働く20代。大卒後、メディアバイイング、キャスティング、映像制作、WEB制作、イベント、サンプリングなど幅広く広告領域の仕事を経験。現在は、リ・ブランディング領域を主戦とするストラテジスト。noteは、日々の情報収集をマジメにまとめます。
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