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暖候期を振り返る(2022年春〜夏)

以前、筆者の地元贔屓かつ備忘録的に暖候期の振り返りを書いたが今回はその第二弾。まずは気象庁HPから夏場の概況を。

夏の平均気温は全国的に高かった。特に、東・西日本と沖縄・奄美では夏を通して暖かい空気
に覆われやすかったため平均気温がかなり高く、西日本では平年差+0.9°Cとなり、1946 年の統計 開始以降、1 位タイの高温を記録した。盛夏期と比べても強い太平洋高気圧に覆われた 6 月下旬 から 7 月上旬の高温が顕著で、6 月下旬には東・西日本、7 月上旬には北日本で、1946 年の統計開 始以降、当該旬として 1 位の記録的な高温となった。全国のアメダス地点で 6 月以降に観測され た猛暑日地点数の積算でも、夏の平均気温が特に高かった年(2010 年、2013 年、2018 年)と比 べ、6 月下旬から 7 月初めに猛暑日地点数が大きく増加した。また、7 月 1 日には全国のアメダス 地点のうち 6 地点で 40°C以上の日最高気温を観測した。
夏の降水量は、8 月を中心に 6 月下旬と 7 月中旬にも低気圧や前線などの影響を繰り返し受け た北日本日本海側と北日本太平洋側でかなり多かった。8 月の上・中旬に前線や湿った空気の影 響を受けやすく、曇りや雨の日が多かった東北北部・南部と北陸地方では、梅雨明けが特定でき なかった。一方、太平洋高気圧に覆われやすく 6 月に梅雨前線の影響が弱かった西日本太平洋側 では、夏の降水量が少なく、日照時間が多かった。
沖縄・奄美では、特に 8 月に太平洋高気圧に覆われて晴れた日が多く、夏の日照時間が多かっ た。
夏(6~8月)の天候 
報道発表日令和4年9月1日

ジェットコースター

「強烈な梅雨の中休み」と言われたように世間では6月下旬から7月前半にかけての異例の高温がクローズアップされた。しかし、当地に限ってみれば6月上旬はむしろ平年よりも気温が低く、日差しも少なかったのが目立つ。まさにジェットコースターのように1ヶ月の中で気温が変動した。
県内にある観測点の6月の日別極値統計を見ると低温の記録と高温の記録、どちらも上位にランクインしている一方で、月平均気温はそこまで極端な数字になっていないのが興味深い。
なお6月27日は最上地方で大雨となり新庄市、特に末広町などで浸水被害が発生した。

山形地方気象台のHPより
2022年6月の天候(山形県)
https://www.data.jma.go.jp/yamagata/pdf/synopsis/2022/06.pdf

猛暑一転、梅雨の明けない夏へ

「梅雨明け十日」の言葉があるように、梅雨明け直後は夏の高気圧が勢いに任せて暑さをもたらすが、徐々に息が切れてくる。「北国の夏は短い」とも言われるように梅雨が明けたと思ったら、まもなく秋雨前線と名前を変えた停滞前線が伸びて来て、そのまま夏を終えることも少なくない。そしてこのタイミングこそ、北日本にとって大雨災害への警戒が、一年のなかでいちばん必要な時期であったりする。

幻とはなったが6月中と言う異例の早さで梅雨が明けた東北も、太平洋高気圧の息が切れた7月中頃から度々大雨に見舞われることとなった。
①7月15日から16日は宮城県北部を中心に大雨となった。浸水キキクルの黒色が広がった時間帯もあって、大崎市内を中心に浸水や河川の氾濫が相次いだ。
②8月3日から5日は東北ほぼ全域で大雨となり、日本海側を中心にキロクアメ(キロタン)や顕著雨、大雨特別警報が相次いで発表される事態となった。
③8月8日から約10日間、再び青森県津軽と秋田県北部を中心に東北の日本海側で広く大雨となった。深浦特別アメダスでは②③の累積により、月間の降水量が1000ミリを超える記録的な雨量となった。

台風14号

山形県内陸部は、四方を山に囲まれ複数の盆地から構成されるその地形ゆえに、案外、気象災害の経験値に乏しい。 特に強風害についてはその傾向が顕著だ。
そんななか2022年9月上旬に、2019年台風19号(ハギビス)以来3年ぶりとなる、暴風警報(最大風速18m/s以上≒最大瞬間風速35m/s以上を予想または観測)が発表された。風雨のピークが、休み明け朝の通勤・通学の時間帯とも重なることから、交通機関の計画運休や公立学校の休校などの措置が取られた。
ただ、蓋を開けてみれば山形市の最大瞬間風速16m/s(やや強い風に相当)が、内陸部における観測値のピークとなった。
数字上は「風に向かって歩きにくくなる。傘がさせない。樹木全体が揺れ始める。電線が揺れ始める。高速運転中では横風に流される感覚を受ける。」と言った影響があるが、盆地と言えども年に数回は観測している風である。