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【マーケティングトレースNo,6】ファンの作り方~ 土屋鞄製造所

こんにちわ!二瓶です。

今回は、株式会社土屋鞄製造所という皮革製品を中心としたランドセル、鞄・小物の企画・製作、及び販売を行っている会社のマーケティングトレースを行いたいと思います。

こちらの企業はもともとランドセルを行っていた足立区にある小さな鞄会社なのですが、リピート顧客(ファン)が多く、継続的に事業を成長させている企業です。

特に今回注目したいのが、
・ソーシャルメディアを活用したマーケティング戦略(ブランディング)
・オムニチャンネルを意識した一気通貫の販売戦略
が非常に優れていると感じ、マーケティングトレースを行ってみました。

■土屋鞄製造所とは

簡単な概要です。

創業:1965年
社員数:230名
事業内容:オリジナルブランドでの皮革製品を中心としたランドセル、鞄・小物の企画・製作、及び販売
特徴:手作り鞄にこだわり、商品企画~製造~販売~サポートまですべて自社で対応をしている
コーポレートメッセーズ:「人の手のあたたかさの中で、うまれて、生きる鞄を。」

■ビジネスモデル図解

ビジネスモデルを図解してみました。正直図解は自信ないですが・・・

店頭販売、ECサイト、SNSなど様々なチャネルを駆使して顧客を獲得しています。それぞれで土屋鞄の魅力が存分に発揮されており、ブランディング力を上げて、顧客のリピート化を最重要のKPIに置いているようです。
(LTVの最大化)

また、もともとはランドセル鞄の制作会社でしたが、ランドセルを買う顧客=子供を持つ親・祖父母世代ということで、その世代にも評価される、革製品(ビジネス鞄、リュック、財布など)の制作も手掛けてビジネスを拡大させていきました。


■3C分析

次に3Cで自社を取り巻く状況を俯瞰してみます。

シンプルなデザインと丈夫さを武器に、口コミで徐々に人気が拡大していったランドセルですが、来店した親御さんが、「自分も使える鞄がほしい」という要望が多かったようです。そこで大人向けの鞄の製造にも取り組み、それが大ヒット。親子2世代で使えるブランドとして高い評価を得ています。


■STP

S:子供を持つ親子(祖父母も含む)

T:品質の良いものを長く使いたい消費者

P:シンプル、丈夫、高級感のある子供向けランドセル、大人向け鞄(革製品)

上記のポジションをとるための、SNS上でのブランディング、店頭のVMD、時代に合わせた細かい商品改良などを行っています。

■4P


■マーケティング戦略のポイント

ここまでフレームワークに沿っていろいろと分析をしてみました。今度は分析した点を踏まえて、何が優れているポイントなのか調べてみました。

☆ポイント①圧倒的なブランディング力

ECサイトは競合も多く、フラッと寄って1回限りの購入で終わってしまっては、管理費用含めなかなか元が取れないビジネススタイルです。訪れた顧客を逃さず、リピートをしてもらう仕掛けが必要になります。
そのために土屋鞄が取り組んだのが、メルマガ、カタログ、オウンドメディアの運用。

メルマガ、カタログなどは外注せずにすべて自社で製作をしており、ブランドの世界観を表現できるように細部にまでこだわり設計がされている。

また、「土屋Library」というページを自社内のページにつくり、そこで、「商品ではないが、商品や会社に遠くもない、かつ読み物として楽しんで頂けそうなコンテンツ」をストーリーとして、書き溜めていた。
職人の様子や革製品の雑学など。こういった取り組みが長期的な視点でファンを生成し、リピート購入に繋がっていったようです。

☆ポイント②徹底された顧客視点。商品開発、サポート体制

土屋鞄の何よりの強みは、徹底された顧客視点です。そしてその情報をもとにした商品開発力とサポート体制の確立です。

まず土屋鞄のランドセルは、非常にシンプルなものが多い。ロゴも目立たない。それは、小学1年生と小学6年生では心身ともに成長していて、変に飾りをつけたりすると飽きがくる。だからこそどの年代にも使いやすいシンプルで品格のあるデザインにしている。また、それは大人向け商品にも生かされています。015年に発売された「OTONA RANDSEL」という大人向けリュックも創業53年の革製品製造の技術も結集させて作られた、高品質な商品です。

また商品が壊れた際のサポートセンターや修理も気軽に受け付けてくれるので、長くお付き合いができる会社となっています。


■まとめ

以上がマーケティングトレースになります。

顧客との関係性構築は長期的な目線で運用をしなければいけないなと思ったのと、それを徹底して行うためのブランドビジョンの確立、それをコンテンツに落とし込む企画力、すべての意思決定の軸が社員に浸透していることが重要なんだと学びました。

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