見出し画像

夢日記 | Q.殺されなかったのは何人でしょう? A.3人

2024年4月4日 

問題が出された。Q:「床に立っているのは何人でしょう?」

気がついたら部屋の中央に立っていた。立っているというよりも、もっと概念的にただ中央に存在していた。上下左右があやふやで認識できない。

部屋にはベッド、壁にランプ、鹿の頭のはく製、天井に小さいシャンデリアなどが飾られていて、欧州風な内装だったと記憶している。
見渡すと周りに人影がある。部屋を正四面体としたときの各辺ごとに数名が立っていた。10代後半から20代前半の男女グループ10人ほど。
しかし、床ではなく壁に立っている者、天井に立っている者がいることを、その近辺の装飾や家具の存在によって気付かされる。考えてみると部屋の中央で鹿の頭が向き合うのならまだしも、人の頭が向き合うことなど普通ではありえない。違和感のない人影は絨毯の上に乗っている3人だけであった。

私は絨毯の敷いてある方向を指さした。
すると、その瞬間に床に立っている3人以外の人影は消え去った。

次の日の晩、仕事の都合でホテルに泊まる必要があった。
しかし予約サイトを漁っても空きがなく、駅から少し離れた民宿に泊まらざるを得なかった。
午前中に仕事を終え、午後まだ明るい時間にチェックインすることにした。
外観は古ぼけていて予約サイトに掲載されていたことが不思議なくらい、いかにも老舗の民宿という風貌。

「ようこそ、いらっしゃいました。」
一般人の民家のような玄関を入ると老夫婦が立っていて、部屋まで案内してくれた。
そして案内してくれた部屋が、あの部屋だった。日本風の外装に似つかわしくない洋風の部屋。この部屋は他の何とも調和しておらず、異様な雰囲気だった。荷物を置いてしばらくベッドに腰かけるも、落ち着いていられなくなってロビーへ出た。ロビーという名が相応しくない気もする、ただの家のリビングのような場所。そこには壁際にピアノが置いてあり、その横には木棚。蓋が開いた小物入れの中に、ネームプレートの束が置いてあるのを発見する。
吸い寄せられるように手に取ると、一番自分の氏名と住所(市町村まで)が印刷されていた。ああ、予約の顧客リストか何かかと納得しかけたが、一枚一枚めくっていくうちに、前の客のプライバシーに関わるのではないかと老夫婦の経営事情に関心が向いてくる。
自分の住んでいる都道府県から来た客が多い中、別のとある県のプレートが6枚連続した時に、問題に出てきた男女が脳裏に浮かぶ。

その時、部屋で受けた問題文が記憶の中で「Q.残りは何人でしょう?」と勝手に変換され、回答は「3人」になる。それを感じて私はなぜか早合点してしまった。あの時部屋に居た男女はこの民宿に泊まり、床に立っていた3人を除いて、全員消えてしまったのだと。そうなると、このネームプレートは顧客リストなどではないと理解し、束を半ば投げるように置いた時、
「どうかなさいましたか。」
背後におばあさんが立っていた。反射的に「なんでもないです」とごまかし、その場を離れた。おばあさんは追ってくることもなく、笑みを浮かべてこちらを眺めていた。

久しくおじいさんを見かけていないことを訝しく思い、内外を見渡すがいない。何の気なしに庭に出てみると下に降りるコンクリの階段が目に留まり、下を覗いてみると、そこにおじいさんがいた。
「ようこそ~~~」とにこにこしながらこちらへ駆け寄って来たのを全部見終える前に、私は反対方向へ逃げ出していた。

ただの夢なので根拠もなく確信するし、「3人」の伏線も回収されない。そこはご愛嬌。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?