無題

「外交」を壊した安倍の2380日

 G20サミットが閉幕したが、ここで改めて明らかになったのは安倍の惨憺たる「外交」の成果だろう。


  特に、G20終了後に文大統領と一緒に韓国に行ったトランプ大統領が板門店で38度線を超えて北朝鮮に入国。金正恩と握手をするという歴史的な出来事があっては、その立役者である文大統領をG20の場で公然と無視した安倍の失敗や愚かさは際立つものとなってしまった。

   当然、その安倍の態度を支持し、“韓国の外交的孤立”と囃したてた日本のマスコミの的外れな愚劣さも明らかになったし、そもそも本当に外交的に孤立しているのは韓国の文大統領ではなく日本の安倍首相ではないか、という疑いも濃くなっているのだ。

   もはや安倍の外交的な孤立は疑いというよりも客観的な事実と言うしかないが、そんな安倍を「外交の安倍」と日本のマスコミが持ち上げて来たのも事実だし、今回のG20も“選挙を目前に、安倍首相は「得意の外交」でアピール…”云々という言い方でマスコミは報じていた。

   それは本当なのか?そもそも安倍は「外交」が得意なのだろうか?

  安倍が事あるごとに口にし、外交の柱にしている「強固な日米同盟」ですら、トランプは安保条約破棄を口にし始めているし、貿易交渉や防衛装備品の調達などでも日本は一方的に攻められ、米国に譲歩を強いられるばかり。

  ロシアとの北方領土交渉では、G20の際も含めて何と26回もプーチンとの首脳会談を行っているのに進展するどころか、多額の経済支援と二島返還への譲歩も実らず、逆に「北方領土は日本固有の領土」、「北方四島はロシアの不当占拠状態にある」という今までの主張すら取り下げさせられる始末。

  中国との関係改善は銭カネ目当てに進みつつはあるが、尖閣問題は抱えたままだし、そもそも中国が一番経済成長していた時期に反目し、成長が鈍化し、米国との摩擦も深刻になる中で、先行きが不透明になりつつある「一帯一路」構想に今になって加わるなど手遅れの誹りを免れない。

 北朝鮮との拉致問題の交渉は、安倍が胸に青いバッジをつけ続けているだけで、17年前の小泉訪朝の時から1ミリたりとも進んでいないし、世界中に北朝鮮との国交断絶を訴えた安倍が今になって金正恩との対話を求めても応じて貰える筈がないのも当然。

 そして米国を中心にした軍事同盟の一員でもある筈の韓国とは徴用工や慰安婦などの歴史認識の問題で対立。ついには経済制裁まで始める始末。


   こうして見れば、日本の周辺国で安倍の「外交」がうまくいっている国など皆無だし、安倍の「外交」成果など皆無と言ってもいい。


   安倍が首相に返り咲いてから6年半、明日7月2日で2380日……安倍がこの間に訪問した国や地域は80、延べにすれば167にもなる。文字通り、“地球儀を俯瞰する外交”とやらで、一カ月に一回以上のペースで安倍が世界の隅々まで出掛けているのは確かだが、その外交成果はほとんどないに等しい。

   事実、日本の近隣国で輸出相手国の1位と3位、つまり大のお得意先でもある重要な国、中国と韓国の両国へは国際会議や五輪のついでに訪問しただけで、単独訪問は何と未だに実現していない。

   これこそ安倍の「外遊」が何か成果を得る為の「外交」ではなく、単なる記者団や財界人を連れた観光旅行であり、野党に追及される国会を逃げ出す為の手段に過ぎないことを如実に表している。

この首相の「外遊」には1回の平均約2億1900万円の費用が掛かるといい、安倍政権の6年半ではこれだけで単純計算で164億円を突破していることになるのだ。

   勿論、必要になる税金はこれだけではない。

    既に安倍が外遊先でバラ蒔いた税金は60兆を超えるといい、もしその中の多くが結果的に日本企業に廻るとしても、日本経済の現状、そして日本の外交的現状を考えれば無駄遣いというべきだろう。

   何よりもG20でまざまざと見せつけられたように、あれだけ安倍が親密さを強調し続けているトランプの米国も含めて、安倍が、そして日本が世界中の誰からも、どこの国からも無視され、相手にされないようになっている現実は危機的というしかないし、正に日本の「外交」も安倍が壊したというしかないのだ。

    特に選挙を控えた今、私たちはマスコミが報じる「外交の安倍」とか「安倍首相得意の外交」などというフレーズに騙されてはいけない。間違ってはいけない「外交」だからこそ、安倍には任せてはならないのだから。


                                                               ※Phot by 首相官邸HP



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