見出し画像

横須賀市の英語HPはわかりやすい!

楠田 倫子

このブログではこれまで様々な自治体HPの誤訳・珍訳をとりあげてきました。正直なところどの自治体も似たり寄ったりで「通じる英語」になっているHPはほぼ皆無。

が、かなり精度の高い英語を展開している自治体も少数派ながら存在することを発見!それは。。。米軍基地のある自治体。英語を母語とする住民を数多く抱えているからこそ、HPにも工夫を凝らしているのでしょう。

今回は、米軍基地を持つ10の自治体のHPを調べてみました(北から青森県三沢市、東京都福生市、神奈川県座間市、同県厚木市、同県横須賀市、山口県岩国市、長崎県佐世保市、沖縄県うるま市、同県嘉手納町、同県宜野湾市)。

まず気づくのは採用されいてる翻訳エンジンの違い。10自治体のうち6つ(三沢市、座間市、横須賀市、岩国市、うるま市、宜野湾市)が、一般的な自治体HPに広く採用されているJ-ServerではなくGoogle 翻訳を採用しています。

次に、すべてのコンテンツを網羅的に翻訳するのではなく、日本語を解さない人にとって有用と思われる情報に的を絞る工夫がされている点も目を引きます。

たとえば三沢市。

画像1

明らかに他の自治体とは一線を画すトップページ。メニュータブも英語表示の方が大きくなっており英語住民を強く意識した構成です。検索窓から直接知りたいワードで調べることができ、日本的な市役所手続きなどに不慣れな人には使い勝手がよさそうです。

座間市も独自の取り組みをしています。トップページ上部の「Foreign Language」というタブをクリックすると日英併記の「外国人向けトップページ」に遷移するのですが、日本語表記は平仮名のみの「やさしい日本語」

画像2

読み手に「伝える」ことを強く意識して制作されていることが感じられます。

そして最優秀賞は横須賀市!

座間市同様、トップページ上部の「Languages」タブを押すと、多言語展開される前に、まずこのような☟英文まとめページへ飛びます。

画像3

コロナや防災など命にかかわる情報を筆頭に、外国人市民のための生活相談窓口やハンドブックなどの紹介が続き、より詳細を知りたい人だけHPの翻訳版へ誘導される構成となっています。

画像4

日々更新される膨大な数のコンテンツをすべて一律に翻訳するよりも、利用者目線に立ち、本当に必要な情報のみを抽出して正しい言葉で伝える方が、自治体側も市民側も負担が少なく効果的だと思います。

この「横須賀方式」、他の自治体でも導入の価値ありではないでしょうか。自治体の皆様、ご検討ください!

(2021年1月10日)

画像5



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?