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吉祥寺にほん酒や店主 燗番franceツアー,kanban groove,大江戸日本酒…

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吉祥寺にほん酒や店主 燗番franceツアー,kanban groove,大江戸日本酒まつり,cant stops

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    食を通して見える景色をお伝えします

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枯れる店

2033年8月、ちょうど10年前に感じた気候の節目はそのまま酷暑の夏を更新していた。 気温42度の東京吉祥寺、2009年に開店したにほん酒やは24年目を迎えたが重なる調理機器の不具合や付き合っていた生産者の高齢による引退、取引先の廃業や流通の変革に伴う遠隔地からの輸送の是非などもあり、どう継続していくべきかを考えていた。 悩むにしてもどうにも暑い。この頃は朝早く出勤を始める人、遅くから始める人それぞれの都合により人々の活動時間はバラけていき、飲食店も長く営業する店、縮小して対

    • 野菜料理

      稲垣えみこさんに提供したのが最初で,これ自分だったら嬉しいなと思い定番に。 届いた野菜を,これはすぐ調理,長期保存と仕分け,生の食材にとっての時間の経過がポジティブになるように整理します。 これ,ゲームにして遊ぶととても楽しいと思ってて。構想もあるのでどなたか行動してほしい笑 生の食材に感じるプレッシャー,これ使い切れるかな。美味しくできるかな。 も,もっと変えていきたいですね。 右上から時計回りに。 人参の子和え。青森の郷土料理と思ってましたが提供していると北海道か

      • 急げないから気づく豊かさ

        新しさに疲れることは,今を生きていれば日常的なことだ。明日も明後日も,新しさはやってくる。できることなら気持ち良く,新しさに,やられたい。とはいえ,少し古いものに触れて,一息つきたくなるのが心情ではないか。 2021年の秋,青森発の2冊の本は,新しい角度を提案してくれてはいたけど,疲れさせるものは一切なかった。今見ると,新しい。そこには過去をフィルターにしながら,未来を想像してしまうワクワクしたページがあった。 青森でバイラルにヒットしたこの2冊はお互い惹かれ合うように隣

        • 熟成酒に感じる急がない答え

          部屋を片付けていたら出てきた熟成酒。2000年出荷の真穂人。これがとても美味しかった。今まで何度か味見した時とまた全然違う味。これがお前のやりたかったことか。貴方様の本当の姿なのですね。と,大変勝手な妄想が膨らむような味。熟成酒って日本酒の中で,少しずつ広がってきてるものの,まだまだ知られてないところです。でも,ワインやウイスキーなどの美味しさを知る人なら話は早い。熟成酒の美味しさを知ると,今のこの味わいにはもっと先があるんじゃないか。という想像が膨らみます。これって,今とて

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        記事

          コロナ禍でのイベント後日

          食文化祭,無事終えることができました。なんだか筋肉痛,笑 先日も書きましたが,結果盛況であっても楽に集客できたことなんてなくて。開催が決まったとこからイベントを育てて,そこに興味を持った人が増えていって,無事当日。 これは店の普段の営業も。ありがたいことに混み合うこともありますが,予約で埋まってなんてことは最初の3年くらいで。当日予約で埋まって入れません。なんてことは今までもほぼ無いんですよね。それでも当日埋まっていって,良い日になったな

          コロナ禍でのイベント後日

          十把一絡げ

          コロナウイルスが悪意なく無邪気に楽しんでいても,害を生じる側は対策を講じなくてはいけない。 少しずつ緩和されていく東京でも,23区は9月1日から15日まで。22時までの営業時間の要請があった。 メディアは,では西荻では22時まで飲んで。そのあと吉祥寺に行って飲めば良いですね!という街の声をきっと何十人にも声をかけて探し当てて,囃し立てたり。どんな基準なのか?と憤る飲食店店主を探したりした。 基準なんて,あっても納得のいくものはないだろう。本来なら一つ一つの区の違いを考慮し

          十把一絡げ

          南瓜拙考

          南瓜拙考。 写真は鶴首南瓜。 在来の野菜を頂いてると,これは流石に家庭では使いづらいだろうなあ。と思うことが多々。 流通の都合に合わさらんなあという規格外の大きさもされど,味も,淡くて。西洋南瓜の甘さに比べるとどうしても弱く感じます。南瓜は熟れたかどうかも外から見分けづらいのも難点です。 日本酒,ワイン他発酵飲料や食品同様,良い時期に味わってあげないと勿体無い。香りを敏感に感じる手もありますが,切ってみて,種を食べて,えぐくなければ。というのもあります。 南瓜に関して

          南瓜拙考

          郷土料理思考

          料理を大雑把に2つに分けてみると,素材勝ちと調味料勝ちになる。とします。素材勝ちは素材の味が感じられる一般的な薄味。和食はこちらが多い。調味料勝ちは素材の味が薄く,調味料の味が強く感じられる濃い味。洋食,アジア料理などはこちらが多い。最近はこれが混ざってきてて,一様には言えないですね。 郷土料理をどちらに入れるかとなると,ほとんどは調味料勝ちになる。と思う。僕が青森出身なのも大きいです。保存が必要な土地ですし。まあ,例外は置いて。 でもな

          郷土料理思考

          料理ってなんだっけ?

          僕が店を始めて丸8年。8年前は日本酒の店で海外の料理出してるような店ってあまり無くて,それで色んな国の料理の本を読んだり食べたりして見よう見まねで作ってました。そこから2011年の震災もあり日本中が日本酒が美味しく変わっていた事に気づき,需要が上がり一気に増えた日本酒の店。 日本酒バル特集なるものにうちもよく入れて頂き,ありがたさもありつつ,洋食をそろえた日本酒の店が増え,自分がここにいては良くないと考え店の方向転換を測ったのはもう5年前くらい。そこからまたさらに変遷を遂げ今

          料理ってなんだっけ?