理論の全体像

「アスリートは言語化できない」わけがない。

こんにちは、最近いろんな選手がいろんなプロジェクトを発信しててとってもいいですよね!!勢いに乗ってどんどんFリーグが盛り上がればいいなと思います!

その活動のひとつ、#20原選手が「大学院で学んだ理論を紹介していきたい」とnoteを始めました。理論っていうだけで、結構身構えちゃう人多いんじゃないですかね??大学院を出た身としてそれではいけないと思ってます!(笑)
フットサルが楽しくなるノートのはずが、、、全く違うジャンルの真面目な記事を書いてみます!

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ここ1年くらい、アスリートとビジネスパーソンが一緒に勉強する会やワークショップに参加させていただいてます。アスリートはオリンピックパラリンピック選手から僕みたいな端くれまで参加しているので、刺激になることも多いです。

そこでよく言われることがあります。
「アスリートは自分でいろいろ考えているはずなのに、それを言葉にして伝えることがあまり上手ではない」
ということです。

アスリートって感覚派でしょ!って思う人も多いかもしれませんが、けっこう理論的に考えている生き物だとぼくは思います。
こうなったらシュートが入る、膝の向きがこうで重心がこうだからドリブルで抜けるとか・・・

「じゃあ、なんで言葉にして伝えることが下手」と言われるのか、考えてみると、理論的に考えているのに「理論」ってなんなのかよく分かってないことが原因なんじゃないか。と思ったのがこのnoteのきっかけです。

理論的ってよくいうけど、理論ってなに?って聞かれても説明できない!そんなアスリート、学生、考えることが好きな大人(?)に読んでほしいです。

理論ってなんだ?

高校生まではあまり出てこないのに、大学の授業になると必ず出てくる言葉が、「〇〇理論」という【理論】です。相対性理論とかゲーム理論とか世の中理論だらけです。

絶対みんな〇〇理論は習ってるんだけど、大学卒業しても「理論って何ですか?」と聞かれて説明できない人が多い気がしてます。

さて、試しに「理論」という言葉を辞書で調べてみると、

個々の現象を法則的、統一的に説明できるように筋道を立てて組み立てられた知識の体系。また、実践に対応する純粋な論理的知識(デジタル大辞泉)

科学研究において、個々の現象や事実を統一的に説明し、予測する力をもつ体系的知識。狭義には、明確に定義された概念を用いて定式化された法則や仮説を組み合わせることによって形作られた演繹的体系を指す。 (大辞林第3版)

めっちゃわかりにくくない?(笑)
これで分かった人はこのnote読む必要はありません(笑)

これじゃわからん!ということで、僕が大学時代に先輩から教えてもらった「理論」をここでは紹介したいと思います。(なので経営学における理論です。他の学問ではまた少し違うと思います)

「理論」の全体像

Yというなにか起こっている現象を、Xという考えうる要因や原因でちゃんと道筋立てて説明したもの。これを全部ひっくるめたのが「理論」です。ここでは、全部ひっくるめたものを「理論の全体像」って呼ぶことにします。

X→Yにロジックがあるものが理論です。「ロジックがある」とは、だいたいの人が聞いたらなるほど!と納得できる説明ってとこですかね。

例えば、「フットサルの試合でゴールを決めるには何が必要なのだろう」と思ったのなら、Yは「ゴールが決まる」という現象です。ゴールが決まる要因Xは、キーパーの位置、シュートコース、シュートの強さ、敵のポジションなどなど…無数に考えられます。

「理論の全体像」を知るメリット

理論はX→Yだと先ほど説明しました。こう思った方もいるでしょう。「理論」がどんなものかわかると、なんか良いことあるのかよ!と。
そこで、理論を学ぶことでどんな良いことがあるのか、考えてみました。

◆メリット①:なぜ?を考える力
先ほど例に見たように、Xの要因は無数に存在するのが普通です。たくさんある要因のなかで、影響力が大きそうな要因を自分で考えて選ばないといけません。さらに、それぞれの要素間の関係も考えないといけません。

たとえば、試合の観客動員数が増える現象をどうにかして説明したいとき。お客さんが増える理由は、天気がいいとか、祝日だからとか単純な理由もあるし、チームの調子がいいからとか、ゴールがたくさん観れるからとか、試合の勝ち負けかもしれない。もしかしたら、子供のサッカーの試合が中止になったからかもしれない。こういった要因をグループ分けしたり、対立を見つけたり、要因同士が影響し合ってたり、Xを整理しないと説明できません。

◆メリット②:構造化する力
①のなかで、整理しないと説明できないといいました。整理するって、どういうことでしょうか。グループ分けみたいに仲間同士をくくることも整理です。順番をつけるのも整理です。要素同士を繋げることも整理です。僕が一番大事だと思うのは、構造化です。

構造化とは、上位概念~下位概念までの骨組みを整理することです。
たとえば、この記事。一番大きい要素は「タイトル」です、これが上位。その次に「太字の見出し」があり、その下位に「本文」や「図」があります。文章で見たら絶対分かるのに、実世界になるとわからなくなってしまいがちです。物事や言葉の構造を把握すると、現象Yをかなり説明しやすくなります

◆メリット③:モデルを組める
モデルとは、X→Yのことです。このモデルを世の中のあらゆる現象で考えられるようになります。先ほどの例のような、「お客さんが増える理由」みたいなのもそうです。
社会や世の中ってわからない現象ばかりです。ですから、このモデルを組める事はアドバンテージになると僕は思います。モデルを組めるということは、Xを整理できて、Yを深く観察していることになるからです。

アスリートの言語化能力?

理論ってなんなのかがわかると、世の中の理論に触れたときに理解度がずっと上がります。この理論の全体像がわかっていると、思考の整理がつきやすい。

アスリートは、この理論的思考を無意識に高速で繰り返している人たちだと思っています。つまり、理論の全体像を理解していれば、無意識で感覚的におこなっていた思考が、意識できるようになり、意識できることは言語化することでもある。

理論の全体像やモデルを理解していれば、「○○理論」を見た時にこれをこう説明しようとしたんだ、ってわかります。それと同じで、アスリートも理論の全体像を理解していれば、今自分に起こっている現象を自分がどう捉えて、どうやって道筋をたてて行動したかを表現できるようになる。人間は、言葉で思考するので、アスリートだろうがビジネスパーソンだろうが、理論の全体像とモデルという考え方を知っているかどうかだけの差なんじゃないかと思います。


フットサル観戦が別に楽しくなるわけでないノートを最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

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