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ありのままの愛情

「先生、うちの子保育園から帰ってきたら、手を洗ってうがいして、ピアノの練習して、ひらがなのワークができたら、テレビを見ていいことにしているんですけど、全然それができなくて困っています。」「できたら、がんばったねシールを貼るとか、ご褒美を用意しているんですけどね」とこういった相談を受けることがある。それ自体、ご家庭の方針もあるから、悪いこととは思わない。ただ、私はそれを聞くと、「それが完璧にできてるとしたら、なんてすごいんだろう」とつい思ってしまう。子ども達は保育園という集団生活に、少なくとも気を使って、子どもなりの社会の中で生活している。大人は、保育園でたくさん遊んできたんだから、家に帰ったら、やるべきこともやってほしいと願うのだろう。でも、大人だって、クタクタで仕事から帰ってきて、家事をやるのは大変だ。子どもも同じで、やっとおうちに帰れたら、安心してホッとして、気が抜ける。だから、子どもだってついダラダラしてしまう。保育園は0歳から6歳が通う。年長さんと言っても、生まれてから、まだたったの6年なのだ。たった6年で親の言うとおりに完璧にこなせたら、すごいなぁと思う。ご褒美をあげると聞くと、子どもは単純に喜ぶ子もいれば、これをやったら親が喜ぶのであって、やらなければ自分はできないダメな子なのかも?と思うかもしれない。だから、やっても、やらなくても、できても、できなくても、無条件に、ありのままのあなたが大好きだよと思えるような言葉がけをしてほしい。「今日もパパとママはお仕事を頑張り、あなたは保育園で頑張ったね。偉かったね。」と。ありのままの愛情が根本にあって、子どもは自己肯定感が高まり、そこから、子どもの自主性も育まれることを信じたい。

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