「命日占い」に改めて救われた話・終章
30年近く大好きだったアーティスト・谷村新司さんとのお別れがつら過ぎたので、尊敬する占い師の先生、かげした真由子さんの「命日占い」を改めて読み直し、ひも解いてみた件を綴って来たわけですが、今度こそ、まとめに入りたいと思います。
今までの記事はこちら。
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「序章」の中で、「立ち直るためにやってみたこと」を6つ書いたところがあったのですが、今日はその中の「6.谷村さんの小説やエッセイを読んでみました」のところを詳しくお話しします。
実は結構前に出会っていた本
谷村さんの小説「昴」は、実はおそらく発売されて間もない頃(2008年ぐらい)に書店で見つけて手に取ってパラパラめくってみたことがありました。
当時は単行本しかなく、とりあえず買わずに帰りましたが、その後もずっと心の隅にあったんですよね。
で、今年の10月に思いがけず谷村さんが旅立ってしまって・・・
急に「そうだ、『昴』読みたい」と思って探したら、文庫化されていたけど、その文庫が何故か4,000円近い!
というわけで、急遽、電子書籍を購入して読みました。
短編小説集という感じで、7つの物語があります。
最初の頃は、なんか不思議な感じ。今までにあまり出会ったことない感じのアプローチな作品だなぁ、と思いながら読んでいました。
その後、真ん中辺まで来た頃、「中天の星」というお話があって、ちょっと内容が難しく感じて(時代物という感じで)、その章の初めに戻ってじっくり読み直したんです。
もしかして、これから読む方がいらっしゃったらアレなので、ネタバレしないように気をつけますが、登場人物は武士たちで、その中の一人が「仇討の連鎖を自分で止めたい」と願っていて、「力で抑えるのではなく平和に国を治める」ことを望んでいるという感じで。
その人が別の登場人物に対して話し始めたことがですね・・・
「星読み」を学び、「日本文化が好きな」私にとって、解りすぎるくらい胸に迫るものがあったんです!
何と言うか、「頭で理解するより前に、心が感じ取った」というか、自分の中で言語化されるより前に涙が止まらなくなっていました。
星のこと、日本のこと、心のこと。
そして「いのち」のこと・・・
すべてがつながって、それが私の人生にストン、とハマったような、今までに感じたことがない、不思議な高揚感・・・
今までに読んだ本の中で、こんなに感情が動いたことがなかったです。
谷村さん・・・。
あなたって人は・・・(涙)
その本に「今年」出会った意味
この本を最初に手にした頃、私はまだ占星術を学んでいませんでした。
着物も、この翌年ごろから着始めたんです。
つまり、私がこの本を読んでこんなに心が動いたのは、占星術を学び、日本文化に昔より親しんでいる、「今」だからなんです。
すべてのできごとに、意味があるんですね。
そして、そのできごとがおきる時期も。
その人が、何かの行動をおこす時期も。
すべてが、一人一人の人生がよりよい方向に動き出すために決められたプロセスなんですね、きっと。
そんなことも含めて、谷村さんは私に大切なことを教えてくれたんだなぁ、と思いました。
いろんなところに書いてますが、「教えてくれなくてもいいから元気でいてほしかった」って本当に思います。
だけど、他でもない谷村さんからだったからこそ受け取れたのかもしれない、とも思います。
本当に複雑な気持ちですし、未だに時々、急に悲しくなって泣いたりしています・・・
かげした真由子先生の「命日占い」には「自分の人生に大きな影響を与えた人との別れは、自分の一部を喪失することと同じです」とあります。
でも、「故人とは一枚の布で繋がっており、絆はまだ生き続けています」と続きます。
悲しいことは間違いないけれど、「お別れを受け入れる」ことで、心の中にその人の居場所が設けられ、絆を取り戻すことができるとのこと。
つらい別れを経験した人が、泣かずに頑張ったり、忘れようと頑張ったり、心にふたをして封印しようとしたりするケースが多いですが、封印してしまうと、その人との素敵な思い出さえも封印することになってしまうのだそうです。
なので、素直に悲しむことは大切なことなんですね。
今、感じている「これから」のこと
谷村さんの小説集「昴」は、先ほど書いた「中天の星」のあと、少しタッチが柔らかくなり、学生たちの青春っぽいお話とか、ちょっとほっこりする感じのラブストーリーへと移って行きました。
でも、実は7つの物語の始まる前と終わった後にそれぞれ「起節」と「結節」があり、それがまた絶妙に全ての物語をつなぎ、ハッとするような感動をもたらしてくれました。
とくに「結節」を読み進めるうちに「これは、もしや・・・」と気づいた時、また言語化されるより前に涙が止まらなくなっていました。
そんなこんなで、谷村さんの小説を読み終えて、次にエッセイを読み始めた私は、名曲「昴」誕生秘話や、その後、ご本人が「昴」から受け取ったメッセージのことなど読み進めているところです。
谷村さんは、「昴」の歌詞とメロディが急に同時に閃いて、あの曲を「書き留めた」という感じだったそうで、最初に降りて来たのが「さらば昴よ」の部分だったそうです。
最初は意味も解らず書き留めて、その後、その意味について探る旅が始まり、その中で昴の古来からの言われなども調べていくうちに、「さらば昴よ」というのは、「物質的な豊かさを追い求めるのをやめて、精神的な豊かさを追い求める新しい時代を作って行こう」ということだと気づいたそうです。
占星術の世界で、いわゆる「地の時代」から「風の時代」へ移り変わったとされるのが、2020年。
物質的な豊かさを追い求める時代から、目に見えないものを大切にしようという時代へと移り変わったと言われます。
「昴」が発表されたのが1980年。
谷村さんは、風の時代への移り変わりの40年も前に、既に風の時代のことを歌っていたことになります。
谷村さん、すごいです・・・
地の時代の雰囲気の中、風の時代の要素を打ち出すことは、もしかしたらとても勇気のいる作業だったのではないかと思いますが、谷村さんの中の「真実」をまっすぐに表現したことで、みんなに愛される名曲が数多く生まれたのだと、私は信じています。
そんな谷村さんの歌や小説、エッセイに触れるうちに、私も自分の中で変化を感じ始めています。
「表面的なことではなく、もっと本質的なところに目を向けよう」と思い始めています。
周りの人たちの考えや行動に惑わされることなく、「自分にとっての真実」を見極められる人になろう、と決めました。
そうして「私が私でいる」ことで、誰かの心に何かを投げかけることができたら、それがいちばんだな、と。
これからは、私が本当に必要だと思うことを、自分が心地よいやり方で、誰かにお届けできるように環境を整えていこうと思います。
まずは、「やることと辞めること」を決めてみます。
もしかして、「パズル」のピース、見つかったかもしれません。
谷村さん、ありがとう。
これからも、ずっと大好きです。
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