長谷川二時

世界のニュアンスを味わいたいです🙂🙃🙂

向かう先 至る先

つめたい風が首を刺す
どうも今年は雨が多い

仰ぐ空から
包む鳥籠のように
舞い降りる水の筋
広がりなのか断絶なのか
この体と上空の関係は

憧れだけが微かに疼くまま 齢を重ねていく

ごく近くに優しい鼓動を知るような
温かみを哂うこと
その愚を笑いたくなる程度には 
きちんと出来事を味わってきたつもり
時々目を掠める 眩い一瞬の光
私の うれしかったことたち
その奥にだけある 密やかな暗がり

もっとみる

サラバの時間

まだ大丈夫だと思っていても、
終わっていくものがある。
それは後ろから随分と引っ張られて、
ひきずられ、掠(かす)れ、
もはや原型視認ギリギリ、
ああいつのまに、こんなにもカサカサに…。

両手に抱え、逃げるように走りました。
指の間からこぼれすぎる。
両手に抱え、逃げるように走りましたよ。
指の間からこぼれすぎるではないの。
いまとても、
悲しいことが起きている、
そう、捨てないまでも既に、

もっとみる

街と赤

オフィスの壁の大きな窓ガラスのむこうには、
近接するビルで同じく苦闘する人達の後姿。
それが何層か続いたさらにむこうには、
膨大な膨大な、
― 今日もゆっくりと沈みゆく
呑み込むような赤い珠。

あなただけさあ、嘘みたいなのよ。
世界をこんな色で焼き締めるなんて。
蛍光灯の敗北。誰彼の頬もピンク。
そして私が何をしていたって、
深まる紫紺へきちんと帰る。
鎮め・籠り・また醒める ―
待ってよまるで

もっとみる

金色の雨を舐め金色の川に運ばれる

一体どれだけの心をくぐったら
濾過されるのかな
ぽとりぽとり
フィルタを落ちていく珈琲に重ねる

さみしさをまだ匂わせる彼女
消えると思っていたのにね
恋や家族や夢と
それは溶かし合うものじゃなかった

出掛ければ天気雨
ビニール傘は視界を空へと投げ飛ばして
細い線状の光彩幾千
彼方からカーブを伝って躰を囲む

まるであかるい柵 触れれば破れる飴細工の籠
きらきらと包む優しい庇護は
母に似ていた

もっとみる

バックトゥ

薄青いセロファンが目の上の水分をひたと覆った。街の全てはブルーグレー。
都会がふと照明を欠く、宵の始めの一刻。
仄暗さに何もかもが少し隠れながら、
むしろ気配は浮き彫りになる。

何かを終えて何処かへ向かうのだろう、
人々の足・足・足、
規則正しく運動する無数の右足と左足は、
まるで街なる船の櫂(かい)だった。
淡い海へ。ゆっくり、とっぷり。
潜っていく。底でなら秘密も剥(む)かれて、
丸裸の価値

もっとみる

チョコレート考 - 板チョコとボンボン

チョコレートの中に、射し込む、あるいは立ち込める、闇や蠱惑や、はっとするような可愛げ。大好きです。私はボンボンより板チョコに満足をもらうことが圧倒的に多いのですが、これについて心彷徨うままに考えてみました。(打率を考えたところで、いずれかを捨てることなどいたしません、愛・・・♡)

板チョコ。まず、形状からして直球。至らせるべき満足へスッと伸び、我ら踏みしめるべき道かのようです。確かめたければどん

もっとみる