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【第495回】どうなる?ゆっくり茶番劇、論点と課題(2022/05/18)#商標登録 #ゆっくり茶番劇【山田太郎のさんちゃんねる】文字起こし風要約

出演者:

  • 山田太郎 参議院議員・全国比例 公式サイト Twitter

  • 小山紘一 山田太郎さんの政策担当秘書・弁護士 Twitter

  • 萌生めぐみめぐみ アシスタント・イラストレーター Twitter

さんちゃんねるとは

めぐめぐ:
 みなさんこんばんは山田太郎のさんちゃんねるの時間です。この番組は、表現の自由をめぐる問題をはじめとして、さまざまな政治的な話題について、一緒に考えていこうという目的でお送りしております。

 今回は今話題の「ゆっくり茶番劇」問題について、商標登録についての説明と、知的財産法に関する問題事例と課題にも触れていきたいと思います。

 ぜひともチャンネル登録・いいね・コメント・実況ツイート等をよろしくお願いします。

ニュース こども家庭庁法案 衆議院通過

首相 「こども家庭庁 自治体と人事交流 民間人材を登用」

山田さん:
 ということで、いよいよ参議院の方にこども家庭庁、それからこども基本法の議論が移ってきました。今日、代表質問で自見はなこさんが、自見さんと私が進めてきた勉強会について、参議院議員の山田太郎議員とともにと、名指しで言っていただいたので、大変光栄なことだと思っています。

 最大のポイントは、子どもがいじめに遭っているとか、虐待に遭っているということを探知するための、子どもの情報連携というところに関して、私中心に進めています。

 つまりこども家庭庁ができたときには、既にもうそこはスムーズに始まっているというふうにやりたい。子どもの状況は待ったなしなので、事前に今日も政府の方と話をして、こども家庭庁ができる前に中身を詰めてしまおうということで動いています。

ニュース 香川ゲーム依存症対策条例裁判 8月に判決

香川ゲーム条例訴訟、8月判決 原告側の訴訟取り下げ認めず

山田さん:
 ちょっと裁判の行方がおかしくなってきちゃったなということで、私はずっとこの番組でも言ってきましたが、この香川の条例問題を裁判で訴訟するというやり方は、あまり筋がいいとは言えませんよねと。

 この判決でもし負けると、香川の条例は正しいというふうになりかねない、各自治体がこの香川県条例の判決の結果を待っているということなんです。

 それから600万円をクラウドファンディングで訴訟費用を集めたのに連絡がつかなくなっちゃったということもあって、これは正直厳しいと思います。

小山さん:
 そうとう原告の方への誹謗中傷などもあって、そこは非常に問題があると思っております。

 訴えの取り下げ拒否も、香川県は判決で勝てるという見込みがあるんだろうと言われてますが、最初から(原告側が)勝つのは確かに難しい筋の裁判だったとは思っています。

 他の自治体もこの裁判の行方を見守っているという話を幾つか聞いていますので、ここで合憲だよ、違法ではないよという話になれば、他の自治体が追随する可能性はそうとう高まったという気はしております。

ニュース 侮辱罪厳罰化法案 衆院通過

「侮辱罪」厳罰化法案が可決 ネット中傷対策―衆院委

山田さん:
 再三言ってますが、侮辱罪の解釈は全く変わらない、罰が最大30万円の科料か1年の懲役・禁固になる。

 他の罪と比べても侮辱されて、やはり命を落とす人がいるということからすれば、刑罰としては重くはないと言うか、軽いぐらいじゃないかという議論もあると思います。

 何かあたかも侮辱の解釈が広がるとか、政治に対して何か言うと捕まるとか(言われているが、今までと変わらない。)

 むしろ僕が狙っていたのはどちらかというと、公訴時効が1年しかなくて時間切れで出来ない、本来は侮辱罪が成立する可能性があっても出来なかったということがあるので、この公訴時効の見直しをやるのが狙いでした。

 やはりこの侮辱の問題を何とかして、ネットの中からも防いでいかないと、要はネット空間の(自由が)保障ができなくなるという問題点がありまして、表現の自由が失われるという懸念があるので、3年以内の見直しということを附則につけたというのが、もう一歩手を打ったということです。

小山さん:
 どこをベースラインに考えるかによるんですけれども、表現の自由はすごく大事、ただ、侮辱罪と名誉毀損罪は個人の名誉を守るためです、では守りきれていますかというと、全く守り切れてませんねというところからのスタートでした。

 やはり人の権利・利益を侵害する表現行為がなされているということですので、今回は(刑罰の)上限を上げるだけです、下限りは変わりません。

 公訴時効等もあって適用されないという問題が多かったし、適用されても9,000円ぐらいでは、おそらくみんなやめませんねと、そこはある意味では表現の萎縮にならないといけない部分。

山田さん:
 ということで、いろいろ議論はありましたが、何とか表現の自由に関しても最大限守っていく、課題として議論していくという余地(3年以内の見直しという附則)を残したということです。

トピックス キラキラネーム 法制審議会の狙い

「光宙(ぴかちゅう)」は容認「山田太郎(ドカベン)」は結論出ず キラキラネーム法務省基準案

山田さん:
 ということで「山田太郎」と書いて「てつわんあとむ」と読ませるのもすごいなぁということなんですが、国は漢字とひらがなのどっちを正としていると思います?

めぐめぐ:
 漢字。

山田さん:
 そうなんです。でも「山田太郎」の読みは「さんでんふとろう」かもしれない、漢字は音読みだの訓読みだのがあって、「小山」も「おやま」か「こやま」か分かんないよね。

 あと斎藤の「さい」もいっぱいあるとか、渡辺の「なべ」も大変なことになっているとかあるんだけれども、戸籍法では漢字が正で、読み仮名は実は決めていない。

 これは大変だよね、例えばパスポートとかローマ字打ちしなきゃいけないし、やはり読み仮名の方を正とした方が、だって人の名前を呼ぶときに漢字じゃなくて読みの方でやってるわけだから。

 ただどうしても漢字の読みというのは不安定で、極端なことを言うとキラキラネームといって、例えば戸籍上は「大空」と書いて「すかい」と読んでいるケースもあるでしょう、 こういうのをどうするのかという話になるんです。

 それで、仮名をできるだけ一意に決めていこう、許される範囲の中だけで、法務省管轄で届け出をしてもらいましょうというのが背景にあるんです。

 でも文化論争に巻き込まれたくないということで、法務省はこの議論から逃げてきたんですけれども、戸籍とか住民票とか、(このままでは)今後のデジタル化に対応するのは厳しいということで、こういう話になったんですね。

小山さん:
 一番困るのが「日本」を「にっぽん」と読むのか「にほん」と読むのか、これは 場合によるらしいですけど、法務省に確認したら別に決まっているわけではないらしい。

 (日本はずっと)漢字でやってきたので、いくつか読み方があるパターンが結構ある、それをどうケリをつけるかというのは、文化論争そのものな気がします。

山田さん:
 ただそれを乗り越えないと結構これは大変なんです、ということでちょっとこれはまた(特集を)やりましょう。

特集 どうなる?ゆっくり茶番劇、論点と課題

商標登録で話題の「ゆっくり」ってそもそも何? 浸透の経緯をゆっくり振り返る

山田さん:
 ということで、今話題になっている「ゆっくり茶番劇」について、何が課題でどういう風になっていくのか、どうしていかなきゃいけないのか、特許庁とも直接話をしましたので、その辺を皆さんにご紹介していきたいと思います。

山田さん:
 ゆっくりは東方Projectの二次創作から生まれてきたということで、私も波に乗じてやろうと思ったこともあったんですけれど、ちょっとゆっくり過ぎちゃって(笑)読み上げが大変だった。

山田さん:
 で、ニコニコ動画の中に「ゆっくり茶番劇」というのがありまして、いろいろなコンテンツが上がっている。

小山さん:
 タグだと1903、キーワードだともうちょっと多い2000ぐらい。

山田さん:
 それで今回の商標登録の経緯ということで、とこれは小山さんの方から。

小山さん:
 2021年9月13日に、この「ゆっくり茶番劇」に関して商標の出願がなされました。それに対して今年の2月24日に商標の登録されました。これによって商標権が発生しておりますし、3月4日に登録公報が発行されて、そこから2か月たっているので、異議申し立てが出来ないというのが今の段階です。

小山さん:
 誰が登録したのかということで、5月15日、柚葉氏という方がツイッターで「ゆっくり茶番劇」の商標権の取得しましたと発表、今後年間利用料10万円お願いしますという話をしたところ、大炎上。

小山さん:
 この「ゆっくり茶番劇」の商標登録によってどうなるのか、商標登録をすると、商標権者は専用権と禁止権という権利を取得します。この2つがあると、商標権侵害者に対して民事上の差し止め請求や、損害賠償請求ができます。

 あと刑事罰もあります、商標権侵害、不正な商標権利用に関しては10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金、もしくはこれを併科するとなっていまして、これは非親告罪です。

 つまり著作権者が何も言わなくても刑事罰が科される可能性は否定できないということ。

 「ゆっくり解説」「ゆっくり怪談」「ゆっくり実況」等は、これらは基本的に非類似ということで、商標権侵害にならない可能性が高いあくまで「ゆっくり茶番劇」というタイトル

山田さん:
 というキーワードで、インターネットを利用して行われる映像の提供をしちゃうと、専用権・禁止権に該当します。許可を取らないでそのまま流すと商標権侵害ということになる。

小山さん:
 これは結構危険で、これからアップされる「ゆっくり茶番劇」という動画だけではなくて、既にアップされている「ゆっくり茶番劇」も商標権侵害になる可能性が高い、ずっと残っていると、それは侵害ですと言われてしまう可能性もあります。

山田さん:
 使用料は当初10 万円取りますと言ってたのが、いりませんと言い出したけれども、使用料は取らないけれど権利は保持したままで、許諾不要ということじゃないので、差し止めになっちゃうかもしれないから、は安心はできません。

小山さん:
 使いたかったら一報よこせと、それでOKと言われてから使う、それをしなかったら全部違法ということもあり得るので、危険なところではあります。

小山さん:
 それ以来各方面からも、いろいろなコメントがなされています。

小山さん:
 商標の出願を代理した弁理士の方からも謝罪表明がされています。この方に爆破予告なども行っているようでして、ゆっくり茶番劇を愛する人からは許せないという感情で、やってしまったと思うんですけれども、本当にそういうのはやめてほしいです。

小山さん:
 5月16日に続報が出まして、契約が不要と言っているので、許諾がもしかしたら要らないということなのかもしれませんが、わかりにくいところであります。

「ゆっくり茶番劇」商標登録に関する論点

画像の通り、商標侵害の罰則はかなり重い、しかも非親告罪である。

小山さん:
 今回の問題、二次創作文化の破壊につながる商標登録だったのではないか?これは防げないんですか?という話なんですが、いろいろ聞いた中では、やはり創作者の手間や費用負担なく、確実に二次創作を保護する仕組みというのは商標にはない。

 山田さんはこれまで結構、刑法175条や著作権法が表現の自由に対してかなり危機的な状況を生み出すものだという話をしていたんですけども、今回、商標権も表現の自由を大きく制限、もしくは萎縮させる可能性があるということが露見しました。

 これは制度自体が悪いとか、法律自体が悪いのではないかという話もありますが、一部そういうところもあるかとは思いますが、必ずしも商標制度が全く役にも立たないものかというとそうでもないので、これはちょっとしっかりと時間をかけて議論をして、迅速に答えを出せればというテーマになってきていると思います。

小山さん:
 放棄による権利抹消登録申請書というのはこんな感じで、1,000円払えば放棄できます。

(5月22日現在、柚葉氏が放棄手続きを開始するとの情報もあります。)

商標制度とは

山田さん:
 何でもかんでも出願したからといって登録できるかというと、この3点に当たる場合は登録ができない。

 今回の「ゆっくり茶番劇」はこれらに当たるんじゃないか、というようなことを特許庁と話をしたんですが、特許庁の判断として間違いはないということをはっきり言っていましたので、厳しい状態かなと。

山田さん:
 商標制度は必要なんですよ。例えば地下鉄のマークを誰かが勝手に使えてしまったら、地下鉄のマークがついている券売機で偽物を買わされちゃうかもしれない。

小山さん:
 問題は自分で自分のサービスを識別するために「ゆっくり茶番劇」を登録したんだったら、自分のサービスをもっと宣伝する方が先なのに、何か年間使用料の話を先に言ったり、やはり人のコンテンツからお金を取るために、(商標)トロール的なことをしたのではないかと言われても、仕方がないようなツイートだったのかなという気もしています。

 すでに使われているではないかということに対しても、全国紙で言われているとかだったらわかりやすい、ネットの検索結果がいくらというのは、まだ特許庁としても周知性が十分という判断は難しいというのが実情としてあるようです。

 ただもうネット時代なので、ネットの中でどれだけ知られているかを把握できる仕組みも作っていかないと。

小山さん:
 特許権取得における費用はまず出願するとき、3,400円プラス8,600円×区分数、出願後に登録することになった場合は32,900円×区分数、今回は区分数は1で、10年後にまた43,600円×区分数になります。

小山さん:
 今回、商標公報の発行がされてもう2か月が過ぎてしまったので、異議申し立てができなくなっていますが、ちょっと資料にはありませんが、無効の審判と取り消しの審判というのが別にあります。

知的財産法に関する問題事例と課題

小山さん:
 「ゆっくり茶番劇」以外にも「のまネコ」問題が昔ありました。
 エイベックスがこの「のまネコ」を商標出願したところ、ネットの住人たちが育ててきたキャラクター文化を、第三者が権利化するものはけしからんとして炎上し、商標出願の取り下げが行われています。

小山さん:
 フランク三浦事件、「フランクミュラー」と「フランク三浦」で似ているからけしからんという話に対して、裁判所は呼称においては類似する、ただ外観において明確に区別しうるものであり、観念においても大きく異なる、なので混同するおそれがあるとは言えない。

 フランク三浦と書いてある時計が、フランクミュラーが作ったものだとは誰も思わないでしょうと言われれば、確かにそれはそうという気がします。

小山さん:
 2009年「大迫半端ないって」という発言がインタビュー内で生まれて、その5年後、商標として出願がされて登録されちゃいました。
 2018年には流行語大賞候補にもなりましたが、現在でも特に無効とはなっていないようです。

小山さん:
 似たような話で2011年「人の金で焼肉食べたいとい」という言葉がツイッター上で使われ始めて、イチローもこの言葉を記載したTシャツを着用していました。

 その後2021年に女性アイドルグループの方が商標登録を発表しておりますけども、これも無効にはなっていません。

 ただし悪意の商標出願というのが、やはり問題になっています。

タイトルはBOZU事件の間違い

山田さん:
 それで、これをどうしていけばいいかという話なんですよね。特許庁の商標審判の担当者というのが170名ぐらいいます。それで担当者が1人で決めて、それを上司が見てOKというふうにしているという構造なんですね。

 複数の人がチェックしているのかと思ったら、1人だから結構、その人がわからなかったら調べきれないし、誤った判断にもなりかねない。ちょっとこの辺も基準をしっかりさせるというのが重要だと思ったのと、

 二次創作を始めとして、知財という観点からはちょっと商標も穴があるので、立法上対処できることは、法の改正も視野に入れて対処しなきゃいけないというふうにちょっと考えています。

 ただ具体的にどこをどういうふうにするかというのはにわかには、きちっともまなきゃいけないので、特許庁も別に、過ちを是正するとか、今後の見直しをするつもりもないというふうにかなり強気なので、対処をこれから考えていきたいと思っています。

今回のまとめ

小山さん:
 最初の創作者とは違う人が権利取れちゃうってのが商標制度なので、何も手続しなければ他の人がとっちゃいます、無効にならないで、そのまま登録されるケースもあります、今回のように。

 その場合二次創作の文化、同人文化みたいなものが守られないのではないかというのが露骨にわかってしまったのかなと。

山田さん:
 そうですね。だから知財ってすごく怖くて、いろいろ表現の自由で、エログロ暴力シーンとか、最近だとジェンダーに関する話でとか、いろいろありますけど、ちょっと知財に関しても対応を、これに準じてしていこうかと思っていますが、ちょっと今後、この東方Project関係者が訴えるのか、訴えて無効になるのかはちょっとわからないです。

小山さん:
 この問題引き続き見ていきたいなと思っております。

山田さん: では、そういうことで今日はこれぐらいにしたいと思います、どうもありがとうございました。

めぐめぐ:
 みなさん、今日のさんちゃんねるはいかがでしたでしょうか。ぜひ感想などを「#山田太郎のさんちゃんねる」を付けてツイッターに投稿をよろしくお願いいたします。



今回の文字起こしは以上です。今回もかなり端折っておりますので、詳しく内容を知りたい方は是非動画の方をご覧下さいませ。

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