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【第504回】 昨今の「表現の自由」諸問題~香川ゲーム条例、鳥取有害図書指定、AV新法、AIと著作権、インボイス、副業300万円以下雑所得問題etc~(2022/08/31)【#山田太郎のさんちゃんねる】文字起こし風要約

出演者:

  • 山田 太郎 参議院議員・全国比例 公式サイト Twitter

  • 小山 紘一 山田太郎さんの政策担当秘書・弁護士 Twitter

  • 萌生めぐみ めぐみ アシスタント・イラストレーター Twitter

今回のさんちゃんねるについて

めぐめぐ:
 みなさんこんばんは山田太郎のさんちゃんねるの時間です。この番組は、表現の自由をめぐる問題をはじめとして、さまざまな政治的な話題について、一緒に考えていこうという目的でお送りしております。

 本日の特集は、昨今の「表現の自由」諸問題~香川ゲーム条例、鳥取有害図書指定、AV新法、AIと著作権、インボイス、副業300万円以下雑所得問題etc~です。ぜひともチャンネル登録、いいね、コメント、感想ツイート等をよろしくお願いします。

山田さん:
 今日はすごいてんこ盛りでして、表現系のいろいろな問題がたくさん出てきました。ニュースもてんこ盛りなんですけれども、ニュースはさらっと概要を説明した上で、トピックスで細かく見ていきたいと思います。

ニュース 香川県ゲーム条例は合憲と香川地裁判決

山田さん:
 ということで、香川のゲーム条例に関する裁判は最悪の結果になってしまいまして、私は当初から反対をしていました。司法府でやるとこういうことになっちゃうということと、戦い方がやはり稚拙なんですよね。

 この判決の内容における全国への波及が大変これから懸念されます。どんどん各県で似たような条例が出てくる可能性が高い、これによってお墨付きを得てしまったということであって、これは後でトピックスで、どんな判決文だったのか、弁護士の小山さんに説明してもらいたいと思います。

 もうすにで、鳥取の話もこれからやりますけれども、静岡・北海道・秋田・岡山あたりで次々とそういう話が出ていますので、かなり厳しいというふうに思っています。

ニュース 鳥取県有害図書指定でAmazonで販売中止 ネット上で物議

山田さん:
 ということで鳥取の有害図書指定ですが、ネットというのは全国に影響しますので、鳥取で決めたことでも他の県も影響を受けるということで、鳥取だけの問題ではないんですよね。これもトピックスで詳しく、重要な問題なのでやっていきたいと思っています。

ニュース 海賊版相談窓口を文化庁が開設

山田さん:
 これはトピックスでやらないので、ここで詳しく説明しておきたいことがあります。海賊版対策はいろいろやっているんですけれども、実は海賊版対策に対して国に相談する窓口が今までなかったんです。

 それで私たちが一生懸命、海賊版に関する相談窓口をつくろうということで働きかけていたんですが、財務省の方からその予算が削られそうな状況になりました、理由は特許等を含めた窓口がすでにあるじゃないかって、いやちょっと待てと。

小山さん:
 知財の海賊版というのは確かに特許庁にありますが、海賊版といっても、いろいろな海賊版がある。

山田さん:
 海賊版でも特許と著作権は違うから、ちゃんと理解しているのという話になって、かなりこれは財務省に対してもプレッシャーをかけてこの予算の復活ということを認めさせて、何とか予算をとり、結果として窓口が設置されたということで、これも私の方でやりました。

小山さん:
 2020年に著作権法改正をやって、その後の知財関係の山田さんの委員会とかで法律はもうやったんだから、あとはちゃんと法律を運用しなさいってずっと言ってきて、ファスト映画でも犯人が言ったのは、権利行使されたらそれをリストから除外して、何も言ってこない人の作品をやっていますみたいな話でした。

 やはり権利行使してこない人はなめられるので、そこはちゃんと、何か被害にあったと思ったらすぐに動くというのが一番大事だと思いますので、どう動いたらいいかわからない場合は、まずここに相談する窓口が出来ましたので、ぜひとも自分の著作物が無断で利用されているとかでお困りの際はここに相談してみるのが、一番手っ取り早いかもしれません。

ニュース 新サイバー犯罪条約続報

小山さん:
 こちらは私の方からの報告で、8月29日から9月9日まで新サイバー犯罪条約の第3回セッション、ニューヨークで今開催中です。

 今回の主な議題としましては、国際協力・技術支援・防止措置・実施メカニズム・最終規定・及び前文という形になっていて、今各国がそれぞれの立場を表明するステートメントを行ったところなんですけれども、第3回のセッションで何か直接表現の自由とかにかかわるものが、議題として上ることはなさそうだというふうに外務省とやりとりして聞いてはいます。

 ただちょっと全体にかかわる前文などもありますので、そこに引っ張られて、やはり捜査をしやすくするために、通信の秘密とか表現の自由よりも安全的なものを優先するみたいな話になってくると、それはちょっとわけが違ってきますし、今後第4回セッション以降に、具体的な条文の文言の話がされるということで、今回も含めてちょっと継続的にしっかりと、何かあれば外務省とも密接に連携していきたいと考えています。

山田さん:
 これもこの番組では新サイバー犯罪条約はやってきたんですが、もともとロシアが出してきたので、ウクライナの戦争もあるから、そんなのは取り上げないだろうと思われていたんですが、オーストラリアとかエジプト等が持ってきてしまって、実際にこの話が今どんどん進んでいる。

 特にこの新サイバー犯罪条約の留保の規定、以前特集でやったので今日は詳しくはやりませんけれども、マンガ・アニメ・ゲームを規制するべきだという内容がもうはっきり入っていて、これが前回のサイバー犯罪条約では、留保して日本はそこに関しては影響を受けないという形だったんですが、今回の議論の中で留保規定がないんです。

 なのでそのまま可決して批准するようなことになると、マンガ・アニメ・ゲームは相当影響を受けるというか、もうかなり厳しい状態になるよねということで、この新サイバー犯罪条約に関しては外務省と一緒に、これがそのまま通らないようにということを働きかけているんですけれども、いずれにしてもちょっとこれは結構大変な事態なので、きちっと見ておきたいなと思っています。

ニュース 内密出産、初のガイドライン公表へ

山田さん:
 これは熊本の赤ちゃんポストということで、この内密出産の現場になっている慈恵病院に行って直接院長先生とも話をして、まず子どもの命を守るためには重要だし、ガイドラインがないと、病院が法律で問われてしまう、違法になってしまう可能性があるということで、まずガイドラインをつくっていくということはいいんですが、問題は出自、自分はどうやって生まれてきたのかということを、本人がいずれ知ることができるという権利をどういうふうに保障するかということが、非常に大きな問題なんです。

 今回のガイドラインの中では、病院は誰がお母さんかというのは事実上知っています。何でかというと、病院で産むときに何か、仮にお産でなくなっちゃったりして誰だかわからないと大変なことになる。

 そういうこともあって、実は内密出産と言ってもその人の情報を持っています。それを今回のガイドラインの中では、基本的には病院の金庫の中で閉まっておくというような、管理を病院に依存しちゃっているような内容なんです。

 これをやってしまうと、これはベビーライフと同じなんですけれども、仮に病院が潰れちゃったらどうなっちゃうのか、病院が一生その情報を管理し続けるのか、いつ本人が出自を知りたいといって申請してくるかどうかもわからない。もちろん、病院から漏れてしまっても大変だ。

 そういう意味で人の出自を一病院が管理するということは課題はすごく大きいし、全然ベビーライフのときの教訓を生かしていない。

 結論から言うと国が管理するべきだと考えていますし、国際的な流れとしても基本的に国が本来、管理するべきだというのが答えだと思います。自治体になっちゃうと、引っ越したりとか、何回も引っ越したらどこだかわからないということにもなりかねないので、基本的には国だろうと。

 ベビーライフの問題というのは、国際養子縁組をしました、それで海外に、特にアメリカ系中国人とかにもらわれていきました。もちろんその子たちは幸せに生活しているかもしれませんが、ベビーライフしかその情報を持っていない。

 このベビーライフが潰れちゃって、これは東京都が問題なのか厚労省が責任なのかということが結構問題になりまして、消極的に東京都が情報を入手して一応管理するということで今決着しているようですけれども、これも本来であれば、国際養子縁組に関するハーグ条約というのがありまして、これによれば国が管理しなければならないというのが原則です。

 日本はハーグ条約に入っていないために、極端なことを言えば、子どもを連れ去って海外で養子縁組をしてしまうと、自動的に日本の国籍を外れて養子縁組が成立してしまう。

 ハーグ条約では双方が連絡をとり合いますが、日本では自治体になっちゃっているから、海外からしてみると何県とか知らんがな、そんな47都道府県と。

小山さん:
 条約上中央当局というのを定めないと入れないということで、日本はそれはうちじゃないみたいな話を省庁がし出すということで、それはこども家庭庁が出てくるところかなと個人的には思っています。

山田さん:
 それで精子提供でも同じ問題を起こしていますが、もとをたどると、日本の戸籍とか住民票の管理は市区町村になっているところも問題で、引っ越したりすると一応引き継いではいるんだけれども、例えば転出届を出しても転入届を出していない場合には宙に浮いちゃうんですよ。

 普通は転入届がなければ転出届は自動的に消される、でもそんなのいちいち市区町村同士で情報をやりとりするんじゃなくて、国が一元的に管理をした上で、住所のところだけが変更になればいいんだけれども、国は国民の情報を持ってはならぬと、マイナンバーだけ。

 しかもマイナンバーの活用も、税とか社会保障だったりだとか、防災だったりとか一部に限られていますということで、本来はマイナンバーで出自の管理とかもすればいいのかもしれない。

 でも マイナンバーの発行も実は市区町村なんですよという現実的な問題があって、ここを何とかしなければいけないという話で、ちょっとこれはまた、日本の国民とはあるいはその出自も含めて、どういうふうにその情報というのはあるべきなのかというのは、非常に重要な問題。

 しかもちょっと話を脱線すると、いわゆる日本は戸籍も住民票も名前のかな情報、読み方を持っていない。僕は山田太郎(さんでんふとろう)と読んでもいいんだという話はこの番組でもしたんですが、今こんな状態なんだよね。

 ということでこの内密出産に関しては、ガイドラインをつくることによって違法ではなくなって、命は救われるようになったけれども、今度は出自を知る権利だとか、その管理の仕組みが本当にこれでいいのかということは大きな議論を残しているということだと思います。

トピックス 香川県ゲーム条例裁判

山田さん:
 ということで香川県のゲーム条例裁判結果の判決文も全部入手していますので、まず判決と経緯のおさらいを簡単に、小山さんの方から報告してもらいたいと思います。

小山さん:
 判決の主文としましては、端的に原告らの請求をいずれも棄却する。訴訟費用は原告らの負担とする。完全敗訴、全くもって駄目でしたというのが結論なんですけれども、どういう裁判だったのかをざっとおさらいします。

 香川県議会が制定した「ネット・ゲーム依存症対策条例」により精神的苦痛をこうむったとして、原告らが被告香川県に対して国家賠償法1条1項に基づき、それぞれ慰謝料80万円を求めたという事案です。

小山さん:
 論点は多岐にわたりましたが、バッサリと全部認めませんと。

山田さん:
 これは裁判のやり方も問題で、途中で降りちゃった。本人たちの方も取り下げたいと言い出したんだよね途中で、でもそれはだめよと。

小山さん:
 香川県も弁護団を雇ってやっていて、途中でなかったことにしてくださいというのは、香川県としてもなかなか飲めない話ですし、相手の同意がなければ訴えも取り下げはできません。

山田さん:
 なのでこれは原告側にも相当問題があったのではないか、勝てることを本当に目的でやっていたのかどうか、その場合に波及する影響はどうなのかということが、非常に問われたのだとも思います。

小山さん:
 原告の主張が認められない理由の2番目。

 過度のネット・ゲームないしオンラインゲームの使用は、本人の主として社会生活上の問題ないし支障・弊害を引き起こす可能性が相当数指摘されている状況であり、医学的な知見が確立したとはいえないまでも、そうした支障や弊害が生じる可能性そのものは、疾病であると、病態・状態であるとを問わずに否定できない。
 これを予防すべき社会的要請については、一定の根拠に基づき認めることができる。

小山さん:
 何か問題があって、これに対処しなければならないという目的は正当ですと。

山田さん:
 これは非常に重たい判決を取っちゃったんですよ。これは司法でお墨付きをもらって、ゲーム等の、あるいはゲーム以外でも、何か子供に対してとか、いろいろなものに対して健康上問題であるのであれば、予防して社会的要請でもって認めることができるという、司法のお墨付きを引き出しちゃった。

小山さん:
 判決文の中で樋口先生の話とかも出てきて、別にそのとおりとは言わないけれども、結構昔からこのネットとかインターネットとかゲームの問題が指摘されているでしょうと、それに何かするのは目的としては正当ですし、努力義務なんだからいいでしょという言い方で、このスキームで条例を全部認めたことになりかねない、そういう裁判例です。

 目的が合理的だというのが2の1段落目、その次が手段の話をしているんですけれども、

 保護者に対し、一定の目安を示した上で、子どもがゲーム依存状態に陥ることのないよう配慮を求め、保護者が子どもと話し合いの機会を持つような努力を促すという制限的でない定めを置くことは、立法手段として相当ではないとは言えない。

小山さん:
 こういうのは全然いいんですよと言っちゃった。

山田さん:
 これは何度も言っているんだけれども、司法でやると特定の裁判官の自由心証でもって、こういった解釈を委ねてしまう。

 これは政治的に解決した方が、表現の自由を守るということでは戦略上いいと思っていたので、こうなる可能性はすごく高かったし、やるなら絶対負けてはいけない。

 控訴をしなければ確定判決になるけど事実上できないよね、だって裁判の最後まで待たずに引いちゃってるんだから。そうするとこれが確定になっちゃうので、僕らがどんなに頑張っても今後かなり厳しいんですよ。

小山さん:
 赤文字にはしていないんですけれども、ダメ出しが3のところで。

 本件条例は、そもそも原告等において何ら具体的な権利の制約を課すものではなく、原告らの主張する諸権利は、いずれも、基本的人権として保障される内容のものではない。

小山さん:
 なかなか憲法訴訟をいきなりやるというのは、そもそも勝ち目がないというのは一つ事実だと思うんですけれども、ここまでバッサリ切られています。

 また、もし仮に、本件条例が、原告らの何らかの権利を制限するものと解する余地があるとしても、本件条例は努力目標であり、罰則もないことなどからすると、必要最小限度の制約であり、これらの制約が許されないとはいえない。

小山さん:
 努力目標で罰則もないような条例だったら、全然つくってくださいねぐらいの、そういう判決になっています。こんな感じになるんだろうなと予測はしていましたけれども、恐れていたとおりになっちゃったという感じがします。

 これを各自治体が見ています、裁判所からお墨付きを得たとして、嬉々として議会に提出される可能性も十分ありますし、市民・住民からの意見を、もうちょっと慎重に聞こうという自治体もあるかもしれません。

 何かパブコメが不適当だったのではないかという批判も結構されていたんですけれども、今回のパブコメは、そもそも行政手続法上のパブコメの適用対象ではない、立法ではなく条例の制定なので、パブコメの不正みたいな話も裁判所としては任意でしたものだし、採用義務や反映義務もないということでバッサリと切ってい ます。

 裁判官も病気とまでは言えないと理解した上でも、そうであったとしてもこれは許されると言っちゃっているので、我々としても科学的にやっていこうとしている中で、いやどっちでも許しますみたいな判断をされてしまうと、我々としても苦しい部分はあるなと。

山田さん:
 これは本当にちょっとどうしようか、だから司法でやってほしくなかった。我々が頑張って国政は押さえていますが、自治体の方でどんどん条例をつくる準備をしているところはあるし、鳥取みたいな有害図書指定みたいな話だったりとか、いろいろ規制をしたがっている人たちがたくさんいる中で、これは正直言って厳しいです。

 各自治体がこの結果についてどう反応していくかはまだわからないので、一概に何とも言えませんし、我々も諦めることなく頑張るしかないんだけれども、相当厳しい事態になっちゃったということは間違いがない。

 裁判をやって、しかも憲法解釈だったら最後まで、最高裁まで頑張って戦ってほしかったけど、その前に降りちゃった。それで相手にお墨付きを与えるような解釈になってしまった。

 これはちょっと注視していくとしか言いようがなくて、私もちょっとショックが大きすぎて、だからずっと裁判ではやらないでもらいたいと、ましてや勝ち目がない、もともとちょっと無理筋だったんです。

 コメントで香川に住まなければいいと言っている人もいるんですけれども、これは企業や事業者の責務・役割もあるから、香川県にだけ売らないというのはできない、全部影響を受けちゃう。

 香川の件は状況を見ながら、続報があればお伝えしていきたいと思っています。次は鳥取の有害図書指定に行きましょう。

特集 鳥取県有害図書指定問題

小山さん:
 条例改正が2年前ぐらいですが、これらの書籍が今年の2月からAmazonで販売禁止になっていると三才ブックスの関係者の方が気付きました。なんでかというとこちら。

小山さん:
 こちらが2月4日に鳥取県のホームページなどで告示されていましたということで、この告示が効いていたというのが後からわかってくるんですが、Amazonのルールはどうなっているか。

小山さん:
 この赤線を引いているところ「東京都青少年の健全な育成に関する条例」に定められた不健全図書は商品登録できませんと、別に鳥取はいいじゃんという気がするんですけれども、Amazonの出品禁止商品例というところの下線部分各。

小山さん:
 各自治体の「青少年保護育成条例」によって指定された有害、不健全図書およびそのシリーズは出品禁止ですと書いてあって、ただこれはよく見ると一番上のところに、当サイトは、以下の基準を踏まえ、独自の裁量により不適切と判断するアダルト商品を当サイト上から削除しますと。

山田さん:
 これアダルトなの?

小山さん:
 アダルトかと言われると、別に性的な描写がいっぱいあるというわけではない。

山田さん:
 ちょっとごめんなさい、アリエナイ医学事典は中身は見てないんですけど、アリエナイ工作事典と裏グッズカタログは必ずしもアダルトじゃないよね。

小山さん:
 その辺も三才ブックスさんは不服だということなんですけれども、これを受けてAmazonはもう一切売らない、電子書籍もダメと。ただ各書店で対応が分かれているらしい。

小山さん:
 こちら本日17時現在の楽天ブックスさんは両方買えますと。ただ紙の書籍は売り切れで、電子書籍は今普通に買えますよと、ここには書いてませんけれども、ヨドバシドットコムさんは18禁扱いで買えました。

 18禁として売るというところと、一切落とすというAmazonのようなところと、少なくとも現在の楽天はそのままにして売っているというところで、何が問題なのかというのもいろいろあるんですが、鳥取県青少年健全育成条例13条のところに、

 知事は、図書類の内容の全部又は一部が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該図書類を青少年に有害な図書類として指定できる。

小山さん:
 ということですが、そういう書籍でないにもかかわらず、有害だと言われている書籍が今回の三才ブックスさんの本だと。この13条の指定を受けるとどうなるかというのが16条で、

 図書類又は玩具刃物類の販売等を業とする者は、有害図書類又は有害玩具刃物類を青少年に販売し、頒布し、貸し付け、又は交換により入手させてはならない。
 前項の規定は、インターネットの利用その他の方法により鳥取県内において前項に規定する行為を行った全ての図書類又は玩具刃物類の販売等を業とする者に適用する。

小山さん:
 こちらが令和2年改正において、インターネットの利用その他の方法により、鳥取県内において有害図書類等の販売を行ったすべての業者を処罰するため、それを明確化するために新設されたと。これに違反した場合30万円以下の罰金。

山田さん:
 これ重たいのは、さっきの香川は努力義務だったんです、罰則というのは特になかったので、今回は罰則ありで全然違うので対応は、かなり厳しい実力行使が行われているようなことなんですよね。

小山さん:
 各自治体の青少年保護育成条例によって指定された有害、不健全図書およびそのシリーズなので、別にオンラインで売ってもダメと明確に書いていなくても、AmazonとしてはBANしますという規定なんですね。

 そして鳥取だけではなく、どこの指定を受けたとしても、Amazonは削除しますという書きぶりに見えますが、鳥取県の有害図書指定の主な問題点は何か。

小山さん:
 1番目としては法律で禁止されていないんですが、条例によって販売等を禁止していますが本当にいいんですかと、自主規制とかはあると思うんですけれども、公権力が大きく絡んでいますと、これは鳥取県以外にももちろん当てはまります。

 2番目、そもそも青少年健全育成という目的と、有害図書の販売禁止等の手段との間に関連がありますかと、これはさっきの香川の条例もですけれども。

山田さん:
 これはどれだけ青少年に、何の影響を悪く及ぼしているのかわからないよねと。

小山さん:
 3番目は有害図書指定の基準が不明確であること、山田さんや赤松さんが選挙で訴えて、多くの人に支持を受けた表現の自由からすると、3番目は非常に大きな問題です。

山田さん:
 どの程度までやったらBANするのかがわからないから、結局自主規制させられちゃう。

 プラットフォーマーが自分たちの判断でもって扱う扱わないということは、結局プラットフォーマーが市場支配するのと同じじゃないですかと。プラットフォーマー問題はずっと僕は公約としていたし、クレカ問題もそうだし、この件もそうなんだけれども、猛威をふるい始めました。

 やはりクレカもプラットフォーマーも、そこで扱われなけれ決済できませんし、取引ができませんと、しかもそこが問題になっている、 なぜかということを明示しない。

 逆にクレカサイドも明示してしまうと個別に細かく判断しなきゃいけない状態に追い込まれてしまう、だったら通信と同じように放っておけばいいんですよ。

 通信の方はプロバイダー責任制限法というのがあって、通信という道路と一緒です、仮に道路に悪人が走っていたとしても、検問をつくって一人一人見るなんて出来ないし、通信の秘密を守れないでしょ。

 勝手におまえはこの道路通っちゃダメだということを民間がやるんですかということにもなるので、法律にのっとっていないかもしれない。
 それでプロバイダーには基本的に責任がないんですよと宣言しているんだけれども、そうやって通信の秘密や自由は守られているんですよ。

 でもプラットフォーマーにはそういうのがないからやりたい放題、逆にプラットフォーマー自身もいろいろ言われている、こんなものをAmazonで扱っていいのかということが裏側で、プレッシャーをすごく受けているということなんですよね。

小山さん:
 ただAmazonがルールにのっとってやっているのか。今回のこれがアダルトだからダメですみたいな話になってくると、いやいや何言ってるんですかという話になりますし、鳥取に限らず、条例に基づく指定を受けたものは売らないという話になってくると、例えば1700も自治体があって、それに全て対応するんですかと、都道府県レベルなのか市区町村レベルまでなのか明示していない。

 かなり自分たちに都合よくできるように読める規約ともいえますので、そこはちょっとアンフェアじゃないですかと、ちょっと私も深掘りできていないのですが、もう明らかな不利益処分ですと、青少年が買っちゃったらもう罰金ですと。

 三才ブックスさんの話ですと、全然知らされてもいなかったと、国の行政機関がこんなことをやったら、どう考えたって行政手続法違反です。

山田さん:
 どういうことかというと、ある人やある団体が、急に悪者になっちゃうということは不本意だよねと。なので事前に期間を置いたり、いろいろアナウンスされて周知された上で、法律等の罰則が実行される。

小山さん:
 鳥取県に有害図書指定の理由を聞いてみたら、会議の開催概要を「議事録」と言い張りまともな議事録を残していないと、かなり適当なことをやっているように見える。

 なお東京で指定されると都庁に呼び出され、ここが問題だというのを具体的に指摘されると、まあ東京のやり方もけしからんとは思いますけれども、これが有害ですと言われたら、じゃあここを直せば大丈夫ですねという対応策は取れるはずなんです。

 三才ブックスさんが鳥取県に質問状を送って、それぞれ何が悪かったのか説明をしてくれと言ったら、条例のどの部分に該当するかしか言わない。

 鳥取県の条例で定められた行政手続法がありますが、有害図書指定ってどう考えたって不利益処分なんです。鳥取県の条例を見ても、県側が条例上の義務を果たしているとは到底思えないんですね。

 具体的な処分基準の策定・公表を全然していないし、弁明の機会の付与も全然していない、反論の余地もなく、知らない間にAmazonで販売禁止なっていたし、処分の理由の提示も全然足りていない。

 有害図書指定ってこんなんでいいんですかと、表現の自由を本当に何だと思っているんですかというのが、鳥取県の条例の運用の状況かなと、三才ブックスさんのお話などを見るとそう思わざるを得ない。

 条例とかを説明し出すと長くなりすぎますけれどもこんな感じです。

山田さん:
 それでさっきも言いましたけれども、インターネット時代ですから、鳥取県だけにとどまらず、日本全国に影響が出る。鳥取県で売られているかどうかは把握できないから。しかも罰金がかけられて罪に問われちゃうから、大変なことになるよねと。

 だから香川でも鳥取でも47都道府県がこんなことをそれぞれし始めたら、もういくら我々が国政で表現の自由を守るって頑張っていても、太刀打ちできない状態になりそうだということなんです。

 さっき言った自主規制を求めるようなことにもなるので、やはりグレーゾーンが大きいからこれはヤバそうだあれはヤバそうだ、ではもうやめておこうと、先生こういう風に描かれると、ちょっと直させてくれないですかねと出版社もなる。

小山さん:
 この香川や鳥取の件で共通しているものとして、ちょっと有害図書の現状と問題点とうことでラジオライフの編集長さんが書いているところで、真に有害な本を規制できていない、特にニセ科学やニセ医学の本。ゲーム依存とかネット依存もニセ科学みたいな匂いがする部分なんですけれども、そういうのは野放し状態ですと。

 ガンは○○すると治ると標準治療を否定したり、反ワクチンの陰謀論者が堂々とはびこっているにもかかわらず、県の青少年保護育成条例のもとで我々だけ狙い撃ちされていて、何だこれって言いたいと思うんですけれども、漫画とかも含めてエログロバイオレンスのところを特に狙い撃ちしているなというのはよくわかる運用だと思いました。

特集 銃・爆発物製造情報規制報道

小山さん:
 この報道の件で警察庁にレクをしました。報道内容はおおむね事実だということですが一か所違いますと、左下の赤線部分『近年はネット上の情報から拳銃などを自作するケースが増えており、新たな対応を迫られていた。』これは事実誤認、そんなことはありませんと。

山田さん:
 だから何でこういうふうに作っちゃうのかなマスコミは。それでどれぐらいの件数があったかというと、検挙されたもので3件、過去5年間で3件、それ以外は警察としては認識していませんということで、それはしっかりメディアにも伝えたはずだと言っていました。

小山さん:
 何でこんな2023年度から規制をするみたいな話が出てきたのかと言えば、安倍元総理の警護の検証及び警備の見直しに関する報告書というのがこちら。

小山さん:
 ここにインターネット上の違法・有害情報対策及び爆発物原料対策というのが書かれていまして、サイト管理者等に対する削除依頼をはじめとするインターネット上における違法情報・有害情報対策をやると書いている中で、何をするのかと言われたら、こういう情報規制をやりますという話なんです。

小山さん:
 今日のレクで確認している大事なところ主に3つ、まず法令の改正とかではない、インターネットホットラインセンターの運用ガイドラインを改定予定、この運用ガイドラインを改定する際にはパブコメにもかけますし、表現の自由や通信の秘密、知る権利、学問の自由に抵触する問題は、緊急性や、本当に生命・身体に危機的な状況が及ぶものに限って、限定的にやると。

山田さん:
 それからもう1つ、削除要請ではなくて削除依頼だと、基本的には民間の努力によって対応していただくということで、警察として特に罰則をつくって法律を改正するだとかではない、ガイドラインをつくって民間でもって考慮していただくと。

 ただこれは自主規制ではあるから、事実上このインターネットホットラインセンターのガイドラインが、かなり強い強制力を持つだろうということは間違いがないんだけど、ということなんです。

 それとどこを範囲とするのか、これは銃規制だけじゃなくて自殺の問題とかについても、実はガイドラインがあって、報道だとか対応、あるいはインターネット上での例えば自殺の仕方みたいなものに関しては控えてほしいというような。

小山さん:
 自殺に関するガイドラインは今もうインターネットホットラインセンターのガイドラインに載っています。

山田さん:
 だから銃のメカニズムに関してだとか、銃の情報ついて全部違法になってしまうのかというとそういうことではなく、生命が脅かされるようなもの、それもどこが境界線なのか、結果によって例えば情報の課題・問題が変わってきちゃうから。

 そしたらその線引きをするわけではなく、警察としても警察法2条がありますと、つまり国民の生命・財産を守るという責務がある以上、こういう事件があって、放置しておくということはきないから、何らかの規律というものを考えなければいけない中で、ギリギリのところをやっていると。

小山さん:
 これは書籍にも及ぶのかという話を聞いたときは、今のところはインターネット上の情報だけで、誰でも容易に入手できる、検索してすぐにわかるようなものが蔓延していることに危機感を覚えているということで、そういったものを有害情報として緊急性が高いと判断すると。

山田さん:
 ただ表現とか研究とか、いろいろなものに抵触する可能性はなくはない、とはいえ一方でそういった情報が簡単に流布してしまうと、結果として安全も脅かされるという側面もあって、表現の自由を守るという観点からすると、対応が極めて難しいところだと思う。

 警察とはかなりコミュニケーションをとっていて、慎重な対応ということで、やりとりは引き続きやっていますので、変な方向に行かないように見ていきたいと思っています。

特集 AV新法

山田さん:
 AV新法に関しては、いろいろな出演者の人とか、制作者の人ともうちの事務所としては対応してきました。先日、直接制作者とプロダクション協会の方々ともヒアリングということで話をしました。

 今回のAV新法に関しては問題点が幾つかあるんですけれども、3つ論点があるということを絞っていて、他にももちろん細かくあれば言ってくださいということで、皆さんからも意見を求めたいんですけど、まずは1ヶ月4ヶ月問題、AVを撮るための契約をした後、1ヶ月間は撮影できませんとか、撮影後も4ヶ月間は公表できない。

 背景は忘れられる権利というものにも関係してくるんだけれども、残っちゃうものだから、自分はやはり嫌だったと思ったときに、取り返しがつかないということなので、相当な決意というか判断を、あるいは人権等も含めて守るという趣旨でつくられてはいます。

 当事者の人たちからも、やはり一番最初に出るときは悩むから、確かにちょっとこの1ヶ月4ヶ月は長いという議論はあったけれども、何か冷却期間を置くというのは必ずしも悪いことではない。

 ただ問題は2本目3本目、これを継続して仕事をしている人たちには関係ない、何を守っているんだかわからない、しかもこれによっていろいろな不具合が出ますと。

 制作が終わった後入金が相当遅れる、4ヶ月以降しか公表されないから、その分売れるのが遅くなるんですが、かなりプロダクションの負担になるし、それから季節感のあるものが、どんどんずれていっちゃうと、撮影する側も女優さんからしても負荷が高いと。

 撮影後4ヶ月というのはちょっと重たい、それと繰り返しの場合には誰を守ってんだかわからないという問題を、もうちょっと改良できないだろうか。それから作品ごとの出演契約ということになると、これも不具合が多いと。

小山さん:
 差し替えが生じるみたいな話もある、当日女優さんの一人が体調悪くなりましたとかで、代わりに都合がつく女優さんが出てくれれば、撮影の直前で入れ替わってもいいので、1ヶ月というのがなければ、2・3日前ぐらいに差し替えて撮影もできていたんですけれども、この規定のおかげでも全然できなくなったと、撮影本数も激減しているという話がありまして、4分の1とか10分の1という話も聞こえてくる。

 公表期間についても4ヶ月は長いんじゃないかという話と、山田さんの言われたとおり、新人の女優さん男優さんと、それ以降の話は全然違うんじゃないかという話などもあったり、特に撮影禁止期間を設けられたことによって、体調が悪いとか自分の身内に不幸があったとか、それでも休めませんと。

山田さん:
 とはいえ期間を置くということに関しては、一定の理解をプロダクションも出演者の方もされているんですが、やはりこれでは運用上まずいと。

 2年以内に見直し規定というのがあるから、早目にどうあるべきかということをもう一度議論をして、僕は見直すべきだと思っています。ただ反対して全部廃案にしましょうということではなくて、何が問題なのかということをしっかり捉えて、改正するならば改正する。

小山さん:
 これまでは一回の撮影で複数の作品の映像を撮ることが結構あるらしいんですよ。作品の発売元が一緒であれば、一回の契約でまとめてやっちゃうのができなくなった。

 契約のときには説明しなさいみたいな規定があるんですけれども、結構この法律がどういう法律だかわからないので、みんな本当に慎重に同じ契約書を、その場で2回3回読み合わせて1本ずつ契約していますと、それぐらいしないと怖いんですと、時間がかかってしょうがない。

 女優さんは1日、お金にもならないことで拘束されるというデメリットもかなり感じていると、何回も繰り返し契約の規制がかかってくる法律になっているので、そういったところの見直しも今後必要なのかなという気はします。

山田さん:
 実はある政党によっては本番ものがダメとか言っている、そういう行為を撮るということ自身どうなのかということで、改変に失敗してしまうと全然まとまらないということもあれば、逆にもっと厳しく改正されてしまうこともあるので、簡単に改変って皆さん言うんですが、実はちょっとそう簡単でもない。

 これは各党の合意でもって議員立法でつくられちゃっているから、これに乗らないというところが出てくると、結構大変なことになっちゃう。

小山さん:
 護憲派と言うと個人の尊厳とか幸福追求権という、多様性を前提にしないとおかしいんですけれども、セックスワーカーという多様性を認めない、これは搾取なんだからセックスワーカー自体をなくすのが立法府の役割だと、本当に信じて疑っていない人もいて、当事者の声を聞かないで作っちゃった問題点が今かなり出てきているかなという気はします。

特集 AIと著作権

小山さん:
 これは巷でちょっと前に相当話題になった、Midjourneyさんで本日私が作ってもらいました。使った方はわかると思うんですけれども、AIにワードを入力してお題を出すと作ってくれるというもので、ただ英語でしかお題は出せません。

 これもいろいろ問題があって、果たしてこれは所有権は誰にあるのか、著作権を認められるのかという問題でしたり、自由に使っちゃって本当にいいのという問題もあります。

 これはAIが作ってくれましたという感じなので、問題が少なそうなんですが、もう一つ、こちらはAIイラストメーカー「mimic」ベータ版。8月30日にリリースがされたものなんですけれども、即時停止に追い込まれました。

小山さん:
 これはAIにまずイラストをたくさん読み込ませます、15枚~100枚ぐらい。そうするとその読み込んだイラストに基づいて、イラストを作るAIができますと、これを皆さん活用してくださいねという話だったんですが、これは一応の自分の絵しかダメです、他人の絵はダメですって書いてあったんですけれども、他人の絵を読み込ませる人が続出したみたいな話で、これはどうなんだと非常に議論になりました。

 そもそも他人の絵を読み込ませるのが法律上どうなんだ、契約上はダメだと書いてあるけど、その辺も含めていろいろな話が出ていました。

小山さん:
 今の日本の著作権法上、著作者というのは、契約とか利用規約で決められるものでは一切ないんです。創作的表現をした者が誰かというので全部決まってくるので、描いた人が著作者だとの明々白々なんです。

 今回mimicの作り出したイラストが、誰の創作的表現なのかというときに、これはAIが作ったと言い切れますかという若干怪しいところはあります。少なくともAIに著作者人格権が入るということはなかなかないんじゃないのとは思います。

 この辺いろいろ問題がある中で、本当に著作者をAIにしちゃっていいのかという議論でしたり、そもそも他人のイラストを読み込ませていいのかみたいな議論もあって、そこの関連条文、結論から言うとAIと著作権法、日本は全く未整備です。

小山さん:
 法律の整備をしないと追いつけませんというのが私の結論なんですけれども、イラストレーターの方からすれば、自分が描いていないにもかかわらず、自分が描いたような絵が出来上がること自体、それが流通すること自体が許せないという声は結構強くて、たぶんそれで一旦停止に追い込まれたのかなと思うんですけれども、法律云々じゃなくて。

山田さん:
 AIが作ったものに関して著作権があるのかないのか前から議論になっていて、実は結論が出ていないんですよ。これは知財調査会の中でも詰めなきゃねという話をしていました。

小山さん:
 漫画家でも画風を似せた漫画を描いている人とかもいまして、それ自体をどうするかという話にもつながりかねない問題かなと思っていますので、今後山田事務所としても検討を進めたいと思っております。

特集 副業300万円以下雑所得問題

パブコメ受付期間は終了しています

小山さん:
 今回の雑所得の例示等に関する法令解釈通達の改正の背景として、副業を事業所得とする、不当な節税策の横行といった社会的事実はあるんですか?と聞いたら、それはあるともないとも言わない。

 シェアリングエコノミー等の新分野の経済活動に係る所得や、副業に係る所得について、適正申告をしていただくための環境づくりに努めていますという話で、これらの所得については所得区分の判定が難しいといった課題があったので明確化しますと。

 もう一つ何で300万円なんだという基準額の話については、令和2年度にされた税制改正において、業務に係る雑所得について前々年の収入金額が300万円を超える場合には、取引に関する書類の保存を義務づける改正が行われた。

 雑所得の場合にも300万を超えたら書類保存しなさいよと言っていますけれども、今回の所得税基本通達の改正は、上記の改正において収入金額300万円以下の小規模な業務を行う方については、取引に関する書類の保存を求めないこととされたことを踏まえ、300万円でやっていますという話です。

 最後に反証があればいいですよと、では具体的な反証は何を考えているんですか?と。その所得が主たる所得に付随する所得と認められる場合は反証可能ですと。もう一つ、その所得に係る前年分以前の収入金額がおおむね300万円を超えている場合、今年300万円でなくなったからといって、すぐに雑所得にはならない、前に300万を超えていればOKですと。

 その所得を得るための活動を新しく開始したこと、その他その年に生じた特別な事情により、その所得に係る収入金額が300万円以下となったと認められると。

 いきなり売り上げ300万円を超える必要もなくて、今後ちゃんととやるんだということを説明できるのであればいいですよということです。

山田さん:
 今日までのパブコメの結果を受けて、我々もそこでどんな意見が来たのかというのを理解しながら、必要であればまた財務省とやりとりをしていこうとは思っております。

 では今日はこれぐらいにしたいと思います、どうもありがとうございました。





虹杜コメント:
 今回の文字起こしは以上です。今回もたくさん要約・カットした部分がありますので、しっかり内容を知りたい方は是非動画の方をご確認下さい。

 こちらの文字起こしテキストは自由に切り抜いてTwitter等で利用して頂いてかまいません。ここまで読んで頂きありがとうございました、もしよろしければスキを押していただけると幸いです。

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