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中身に金を払う訳ではない

ワシントンDCの地下鉄構内で野球帽の男がバイオリンを45分間弾いた。

彼の前を通った人は1000人以上。彼が得たのは32ドルのチップのみ。立ち止まった人は6人だけで拍手は一切なかった。

彼は著名なバイオリニストでその2日前に行われたコンサートのチケットは100ドル以上にも関わらず完売だった。

彼はそのコンサートと同じ350万ドルするストラディバリウスでバッハを弾いたのだが誰も気づいた人はいなかった。

つまり人は音楽に金を払ってる訳ではないのだ。

アーティストのブランドや会場の雰囲気など全体の商品パッケージに対してお金を出している。

「いい音楽」「一流のアーティスト」と評価されてるからこそ大金を払うのであって地下鉄で弾いてる小汚いおっさんにお金を払う訳ではない。

それが同じくらい素晴らしい音楽であっても。

だから素晴らしいものさえ作れば(演じれば)お金が得られるなどという幻想は絶対に持つべきではない。

それが素晴らしいものだと認知されなければ成功はあり得ないのだ。

ここを純粋なアーティスト・クリエイター・パフォーマーは理解してなかったりする。

「権威ある評論家が素晴らしいというからそうに違いない」一般庶民の価値判断基準なんてそんな程度。

だから作ったり演じたりする事自体よりも戦略的に認知を得る方法を考える事の方がより重要なのだ。

本当に旨いラーメン屋より宣伝上手なラーメン店の方が流行るのも同じ理屈です。

この事について造り手はよく考えるべきです。そうしないとせっかくの素晴らしい創作物が日の目を見ないです。



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