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ビジネスの授業を始めます。

時は20xx年。日本では、優秀なビジネスパーソンの育成手段として「ビジネス」の授業が小学校で必修化されることになった。

これは、とある学校の授業風景である。

先生:ビジネスの授業を始めます。

生徒一同:承知致しました!

先生
:本日はこのイシューから始めます。

【問題】次の1〜3の語句を翻訳せよ。
 1:弊社はスタートアップです。
 2:上場して、
 3:社会にインパクトを与えます。

先生:このイシューにコミットできる人はいるかしら?

太郎:(これ進研ゼミでやったやつだ!)先生、ハイッ!

先生:太郎君、答えを聞こうかしら?

<太郎君の答え>
 1:弊社はスタートアップです。
 →弊社はイノベーションを志向する企業です。
 2:上場して、
 →資金調達を経て、
 3:社会にインパクトを与えます。
 →社会的課題を解決します。

太郎:先生、これでどうでしょうか?

先生:100点。

太郎:やった!

先生:一般論的には100点だけど、この答えは進研ゼミの赤ペン先生の匂いがプンプンするわ。

太郎:ギクゥ!

先生:その上で、私の評価は58点。とても平凡で本当に『つまらない』答えだわ。

太郎:えっ

先生:ビジネスは様々な解釈が成立するという点が特徴よ。国語や英語のように決まった正解がある訳ではないの。その観点で太郎君の答えは一般的な解釈に留まっていて『つまらない』のよ。太郎君自身がどんな解釈をするのかを自分の言葉としてアウトプットしなさい。

太郎:申し訳ありません。

先生:他にこのイシューにコミットできる人は?

次郎:ハイ!

先生:次郎君、あなたの答えを聞くわ。

<次郎君の答え>
 1:弊社はスタートアップです。
 →弊社は零細企業です。
 2:上場して、
 →お金を集められるだけ集めて、
 3:社会にインパクトを与えます。
 →超儲けまくります。

次郎:先生、どうですか?

先生:98点。素晴らしいですね。次郎君の答えはビジネスの生々しい本質を突いているわ。スタートアップ界隈への健全な批判精神も感じ取ることができる。小学4年生でこれだけのリアリティある解釈ができるなんて、先生は次郎君のこれから描く成長カーブが楽しみよ。

次郎:誠に恐縮です。

先生:本日の授業はこれでクローズよ。

生徒一同
:お疲れ様でした!

おしまい。

最後までお読みいただきありがとうございました!