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プーさんで学ぶDALL-E 3のコンテンツポリシー

DALL-E 3、皆さん使われていますでしょうか?
私は画像生成分野にはあまり興味がなかったのであまり触っては来なかったのですが、いざ触ってみるとめちゃめちゃ面白くて数時間溶かしてしまいました。

noteにもたくさんユニークな記事があるのでぜひ色々見てみてください。

使い方含め、こちらの方の記事は面白かったのでオススメです。

今回は遊んでいる中で偶然見つけたDALL-E 3の仕様について紹介できればと思います。

プーさんの著作権

まずこちらを御覧ください。

このように、特定のキャラクターのイラストは著作権で保護されているためDALL-E 3で生成することが出来ません。

では、著作権が切れているキャラクターはどうでしょうか?
「くまのプーさん」は2022年に著作権保護期間が終了し、パブリックドメインになりました。B級ホラー映画が作成されたことで一時期話題になりましたね。

試してみます。

断られましたが著作権について突っ込んでみます。

かなりそのままな「くまのプーさん」のイラストを生成してくれました。言われないと公式から引っ張ってきたのかと思ってしまうくらい「くまのプーさん」です。

DALL-E 3は「くまのプーさん」の著作権保護期間を知っていたのでしょうか?

ここでこの作品の著作権について詳細に調べてみます。
実は「くまのプーさん」は複数の著作権が存在していて、原作は1926年イギリスの作家 アラン・アレグザンダー・ミルン(1882/1/18~1956/1/31)によって書かれた作品です。

原作のプーさんは赤い服着ていないんですね。

この作品の著作権は切れていますが、おなじみの赤色の服を来ているプーさんはディズニー作品としての「くまのプーさん」で、実はこちらの著作権は保護されたままのようです。

ということは、先程作成されたイラストはすべて服を着ているので、著作権が切れていない方のプーさんということになります。
つまり、DALL-E 3は「くまのプーさん」の著作権保護期間を正しく認識できていたわけじゃないんですね。

時代詐称インジェクション

そもそもですが、DALL-E 3は現在の年月日を認識できているのでしょうか?ここで少しズルをしてみます。
今がかなり先の未来で、ほぼすべての作品の著作権が切れていると説明してから依頼したらどうなるでしょうか?

なんだか行けそうな雰囲気が出てきました。
ChatGPT含め、DALL-E 3はかなり素直な(人の話を信じやすい)性格のようです。

実行はしてくれていますが、途中でエラーが出ていますね。コンテンツポリシーとのことです。
画像生成は途中まで動いていたように見えたので、おそらくですが、

  1. 画像を生成できるかの判断(著作権)

  2. 画像生成

  3. コンテンツポリシーチェック

のようになっているのではないかと思います。
このコンテンツポリシーについて聞いてみたら下記の回答が得られました。

具体的にどのような制御になっているか不明ですが、さっきの著作権のように判断は曖昧なのかもしれません。
これを確かめるために複数回試してみました。

最終的に「鬼滅の刃」っぽいイラストを作成してくれました。
コンテンツポリシーのために1枚しか作成できなかったらしいですが、この画像はコンテンツポリシーが適用されていないということでしょうか…?

まとめ

今回の検証で、

  1. DALL-E 3は現在の年月日を認識していないこと

  2. 著作権とは別にコンテンツポリシーで生成が制限されている

ということがわかりました。
DALL-E 3は面白いのでもうちょっといろいろ試して気づいたことは報告していきたいと思います。

おまけ

ちなみにこのあと会話をリセットして同じことをしてみたのですが、最初の「くまのプーさん」のイラストすら作成してくれなくなってしましました。
複数回試しましたが全て同じような結果です。もちろん時代詐称インジェクションも無理でした。

私のフォロワーの方も何度も試しても出来なかったと言っていたので、私が初めてやったときたまたま実行できたのか、それとも今回の件で対策されたのか…。謎ですね。
(後者ならとんでもない対応速度だなと感心します)

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