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eスポーツはもはやヲタクの遊びではない。日本の未来を感じた夜@大手町 #日経eスポ

4月16日、日本経済新聞社でセミナー「eスポーツ新潮流 2020年に向けた課題」が開かれました。eスポーツという一見尖ったテーマの未来を、企業や産業としての観点、地方創生や少子高齢化といった社会課題としての観点なども含め、参加者がざっくばらんに議論しました。

eスポーツは2018年の流行語大賞にもエントリーされたワード。知名度も日に日に上がっています。
eスポーツにエンタメとしての未来をほのかに感じている私。今回、イベントを観覧させていただきました。eスポーツ初心者の私ですが、僭越ながら簡単なレポートを書かせていただきます。

■先に結論から

結論として感想を先に述べると、

eスポーツって、めっっちゃ奥が深い・・・!!!!(小学生並みの感想)

最高のイベントでした。
世の中では「ゲームはヲタクがやるもの」という偏見も私達の親世代を中心にまだまだあるのも事実です。
でも、きょう会場に集まったおよそ100人の面々は、まさにスーパービジネスマン以外の何者でもありませんでした(主催者によると、大企業の方、起業家の方も多数参加していたそうです)
日経電子版の有料会員が多いことや、オフィス街である大手町・丸の内・有楽町が近いことも、いい意味でのビジネスセミナー感で満たされた一つの"勝因"だったのかもしれません。

■eスポーツの国内市場ってどのくらい?

まずeスポーツ業界アナリストの但木一真さんから国内のeスポーツ市場の規模についてレクチャーしていただきました。

但木さん「いま実際にeスポーツ業界に関わっている方はどのくらいいらっしゃいますか?」挙手したのは来場者全体の2割程度。実際にeスポーツに関わっているわけではないにもかかわらず「これだけ多くの人が集まった」。きょうこの日の熱気が、eスポーツの勢いを示す、何よりの証拠だというわけです。

2018年の日本eスポーツ市場規模は48億円で、前年比で10倍以上の成長を記録しているそう。ファン数は約380万人。もはやヲタクの遊びではないですね。
「日本にはゲーム動画を観ている人が2500万人いるそうです。eスポーツファン380万人は、単純計算でそのまだ15%にすぎない。ライトユーザーも含めればゲームファンは5000万人!潜在性は大きい」という言葉が印象的でした。今後国内でeスポーツ産業が大きく伸びると言われていたり、大手メディアやゲーム会社の選手権がどんどん開かれていたりする背景は、ここにあったのですね。

eスポーツの特徴も改めて整理することができました。

1. ゲームごとにユーザー層が異なっている(年齢など)
2. コンテンツが動画配信、SNS、WEBメディアとバイラル的に拡散する
3. グローバル展開できる
4. ユーザーのロイヤリティ(熱量)が高い
5. ゲーミングという先進的・独自の価値
6. 新しいテクノロジー(VR、AR、ブロックチェーン、AI等)との親和性

■パネルディスカッション

登壇者は、
筧誠一郎さん(東京都eスポーツ連合会長)
高木智宏さん(西村あさひ法律事務所パートナー弁護士)
ヒョン・バロさん(KPMGコンサルティングシニアマネジャー)

たくさんの話題が飛び交うなか、気になったやりとりはこちら。

Q: eスポーツビジネスの発展はどのような業界に商機、恩恵がある?
A:筧さん「専門学校でeスポーツ学科を設ける例が相次いでいる。どこもかしこも定員オーバー。それを応援する地元の企業の盛り上がりもすごい。それは、そこに、熱狂する若者が確かにいるから」
高木さん「ゲーム関連、PC関連だけでなく、若者との接点を持ちたいBtoC企業もちらほら。潜在的にはあらゆるBtoC企業が対象になりそう」

Q: 地方創生・少子高齢化対策としての期待は?
A:筧さん「eスポーツはネットで対戦できることが大きい。eスポーツは地方で芽が出る可能性がある。富山・高岡にeスポーツの拠点ができるなど、すでに動き出しているところもある。地元産品の消費機会にもなっている」
バロさん「韓国と比べても日本の盛り上がりはすごい。郷土愛を高めるきっかけにもなる」

Q: 統合型リゾート施設(IR法)や著作権法問題(スクショの話)などの国内整備に伴う変化は?
A:高木さん「eスポーツでは、ライセンスに絡む著作権法、賭博に当たらないかどうかの刑法、賞金に絡んだ景表法、ゲームセンターなどが対象になる風営法と大きく関係がある。小さな大会では、法律的な知識を知らずに開かれているケースもあるかもしれない」
バロさん「韓国でも賭博は問題になったことがあり、しっかりとしたコンサルティングが求められている」

Q:ゲームに対するイメージ、日本と海外で違う?
A:バロさん「韓国ではeスポーツ選手があこがれの対象になりつつある。高給取りの選手が出ていることも一つの理由だろう」
筧さん「昔の日本はゲームにプロなんているわけがないというイメージだった。でも今はプロがいるんだなという認識はされてきている。中高一貫校でeスポーツ部を作ろうという動きもあり、識者として学校に呼ばれたこともある。保護者の懸念は①ゲームやって勉強しないんじゃないか②ゲームで食べていけるのか③ゲーム中毒にならないのか。いずれもきちんと説明し、懸念を解消することができ、その学校にはeスポーツ部が無事できた」

白熱した議論を前に、参加者は必死にメモを取っていました。

■きょうの収穫

日本のeスポーツがどうなっているか理解できた!
ビジネスとして大きな可能性があるとわかった!
未来感や熱量を覚えることができた!

初心者の私でもeスポーツへの知識を深めることができた、素晴らしいイベントでした。全国380万0001人目のeスポーツプレイヤーに、私もなってみようと思える夜でした。

若者はどこにいるのでしょう?それは、eスポーツでした。

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