『ソーシャルメディア四半世紀』イベントレポ〜「身内化」したウェブメディアとビジネスの難しさ

こんにちは、日経電子版の企画やプロモーションをやっております関根と申します。オフの日はサウナに入って体調をととのえ、愛されるサービス作りの研究のため、Negiccoの現場に足を運んでおります。11/24は中野で「推し事」をしている予定です。

さて10・24に実施したこちらのイベント、豪華なうえにサービス精神旺盛(ポロリもあり)な講師陣のお蔭で、素晴らしい仕上がりになりました。現場だけではもったいない!と思いましたので、内容を紹介させてください。12月7日に続編もございます。こちらも楽しいものにしますので、ぜひお越しください。

まとめ
・2001年: ブロードバンド普及でネットメディアの扉が開いた
・起業コスト低下と広告などマネタイズ手段の多様化でビジネスが拡大
・スマホ以降でメディア環境が激変、ソーシャルが「身内化」。混沌。
→これからどうなる???
12月7日は「これから」の話をメインでやるので来た方がいいです


超豪華&サービス旺盛な講師陣がネットメディアとビジネスを語った

イベントのテーマは書籍『ソーシャルメディア四半世紀。この本は下記のような労作です。

・日本のインターネットでのメディアサービスの興隆と、ビジネスとしての発展を体系立ててまとめている
・著者が2001年から5年おきに細かい調査を実施。その集大成。
・著者が経営者と交流し、生の声を丹念に集めている。

こちらを元に、転換期となった「2001年」「2005年」「2010年」「2015年~」について登壇者が視点を共有していきました。

豪華講師陣は・・・
 著者で東京経済大学教授佐々木裕一さん
 ヤフーのメディアカンパニー長宮澤弦さん
 スタートアップ担当の日経編集委員奥平

でございます。

2001年:ブロードバンド元年

イベントは
・著者の佐々木先生がそれぞれの時期について整理
・宮澤さん、奥平編集委員がコメント
という流れで進みました。

まずは2001年。「Yahoo!BB」がスタートし、ブロードバンド元年と言われた年です。すでに@cosmeなどユーザーの声を集めたネットメディアは誕生していました。でも、規模はそこまで大きくありません。

「ゴールドラッシュにおけるジーンズやスコップのように、『サイト運営コンサル』という事業がありました」(佐々木先生)。

この時点(2001年3月期)でヤフーの売上と営業利益は 130億円, 53億円です。オカダ・カズチカ並にレヴェルが違うんだよ!!というところですね。

宮澤さんはこの頃、大学生になったばかり。「上京して住んだ学生用マンションにJCOMの回線があって嬉しかったです」と振り返っておいででした。

2005年:起業コスト低下と広告技術の発達

この頃、ビジネスの立ち上げコストの低下(下記4点です)と

1、ハードウェア: サーバーのストレージ
2、回線使用料
3、ソフトウェア: オープンソース化で安く。
4、人材:大学でソフトを触って、安く雇えるインターンや新卒学生が増えた

ネット利用者の増加

そして、Google Adsenseなどの広告技術の発達でウェブメディアは大きなビジネスになりました。「はてなのマネタイズはAdsenseが大きかった」(佐々木先生)。「ヤフーにとっても検索連動型広告の恩恵は大きかった」(宮澤さん)。

2010年スマホ前夜&「ボタンによる拡散」のない最後の年

ガラケーの爛熟期だったこの頃。国民の半分が日常的にネットを使うようになっていました。ウェブのビジネスは広告に次ぐ「発明」で大きく成長します。ゲームのアイテム課金です。この年に自主規制も入りましたが、ビジネスとしては大きなインパクトがありました。

Twitterの公式リツイート、Facebookやmixiの「いいね」ボタンが出はじめたのも、この頃。簡単にシェアできるようになったことで、ソーシャルメディア上での情報の流通量は急増していきます。

宮澤さん、ヤフーに参画

ゲストの宮澤さんが創業したモバイル広告会社をヤフーに売却したのもこの年。実は売却の経緯としてはヤフーの(==会場限りの極秘情報==)とのことでした。

2015年~:ウェブの「身内化」

さて今です。大きな変化はそう、スマホですね。

ここで起こった変化が

・優勝劣敗: 特定のアプリが可処分時間の大半を使う
・身内化: 仲間内で受けることを重視するコミュニケーション
・受身化: 調べるから、見るへ
・「私たちの『何もしていない時間』は減少あるいは喪失している」(佐々木先生)

宮澤さんはこれに加えて「パーソナライズの進化や、スマホに最適化された無限のUIであるタイムラインの『発明』も大きい」と指摘されていました。

ネットメディアの社会的責任とビジネス

生活に深く浸透したネットメディア。事業者の社会的責任も出てきました。奥平編集委員は「ここに来てGoogleもアップルも利用に時間制限をかけてきた。危機感の表れではないか」と指摘。

宮澤さんは「Youtubeなどはコンテンツは無限に出てくる。子供への影響は大きい。事業者は危機感を持っており、ルールを決められるより、自主規制をかけたほうがサステナブル、ということでは」とお話されていました。

そして話はヤフーの動向へ・・・

激動の中をネットビジネスを手がける企業はどう進むのか。話は自然と巨人・ヤフーの動向について佐々木先生、奥平編集委員が聞く構図に。

影響力の大きいヤフーニュースは、事業としてどのような位置づけなのでしょうか。宮澤さんは「ニュースメディアで収益を最大化しようと思わない」ときっぱり。

また『パーソナライズの罠』についての言及も。機械による、ユーザーの好みに合わせた情報の選択の悪影響、イーライ・パリサーの言うところのフィルターバブル問題をいかに避けるか、はネットメディアの大きな命題です。
「放っておくと芸能やスポーツの記事ばかりになってしまう。また、釣り見出し記事などに対する対策として、ヤフーでは『コストをかけてきちんとしたニュースを集める』というコンセンサスがあり、前社長の宮坂から闘魂注入のように叩き込まれてきた。」(宮澤さん)とのストロングスタイルなご発言も飛び出しました。

これからのヤフーはどうなるのか。「最近は、リアルな店の予約、決済とかオフラインにどんどんネットが進出している。ヤフーはメディアと、オンラインコマース、広告から、オフラインにも入っていく。ユーザーひとりひとりの生活になくてはならない存在になりたい」。

一方で、足元はいろんな分野で競合が出現しています。宮澤さんは「八方ふさがりです」と冗談めかしていましたが、「ヤフーの経営陣は皆、(買収などで参画した)起業家。こういう状況には強いですよ」という言葉も。今後の動向に注目ですね!!

次回、12・7は「この先の話」をします

大きな変化の中、ネットメディアとビジネスはどのようになっていくのか?次回は「このさき」に焦点を当てていきます。佐々木先生、奥平編集委員はそのまま、ゲストは・・・

GREE・田中良和CEO
アイスタイル(@cosme)・吉松徹郎CEO

という、超豪華な布陣です!!

SNSに始まりゲーム、VR、vtuberなどに果敢に取り組むGREEと、ネット→実店舗のビジネスをいち早く手がけるアイスタイル。両者のトップが見るネットメディアの未来は、どのようになるのか・・・。ぜひ現場でお確かめください!!!チケットはこちら。

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