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タクシー会社が内定者の親御さん向けの会社説明会を開催しました【後編】

ご乗車ありがとうございます。日本交通(株)新卒採用担当です。

9月11日に開催された日本交通の「Family会社説明会」、パネルディスカッションと、内定者の親御さんからのご質問を掲載します。前回の記事はこちらから。

【パネリスト】

紹介

会長:川鍋一朗
司会:仲尾有史(入社6年目新卒採用)
パネリスト:
仲尾の叔母様
最上史織(入社6年目新卒採用)のお父様、お母様
藤原拓海(入社1年目新卒採用)のお父様、弟様(現在大学生)
(以下敬称略)

パネルディスカッション③タクシー業界の将来性、日本交通のビジョンについて。新卒への期待。

仲尾叔母
会長の前で失礼かもしれませんが、鉄道やバスなど運輸の中で、正直まだ手付かずの業界がタクシーだと思っています。というのも会社数が多すぎて、まだ有象無象の集団というイメージがある。その中で、御社は業界トップでどんどん買収して一つにしようと動いていらっしゃる。発展途上の業界が一番楽しいし将来性があると思います。

また、個人が車を所有することも減っているほか、地球温暖化の問題もあります。その点LPガスは環境にいい。それを使用しているタクシーがたくさん走れば地球の環境にもいいですよね。SDGsという言葉ができる前から、タクシーはすごく地球環境に優しいことをやっています。その点でも将来性があるなと思います。

それに今旬な話題で、高齢者ドライバーの問題もありますよね。高齢者の免許返還にタクシー業界がグイグイ入って、身障者割引できるチケットを配って免許の返還を促すこともやってもらえる業界だと思っています。

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川鍋
タクシー業界自体は今年で110年目を迎えました。そして日本交通は94年目。まずなくなることはない業界です。私は10年前から「これからタクシーのゴールデンエイジが来る」とずっと言っていて、当時より今の方が近づいている感覚がありますね。

人の移動の中でタクシー移動が占める比率は将来上がっていきます。なぜかというと地方は少子高齢化で電車が維持できない。バスもどんどん減っている。電車もバスも赤字路線が多いんです。

そこでタクシーがオンデマンドタクシーになる。人口減少社会において、モビリティの最小単位がタクシー。言ってみればバスの部分をタクシーが兼ねるようになる。これは必然です。

そしてトラックの部分、モノを運ぶ要素も兼ねるようになります。トラックも今は人手不足。うちではフードデリバリーをしていて、今は食べ物や飲み物だけですがモノを運ぶことにも参入しています。タクシーが最小の公共インフラとして、バスやトラックの役割を兼ねていく。それが過疎化によって後押しされるというのが今後の流れです。

地方ではバスではなく、ワゴン型タクシーが動くようになる。ご高齢者の方がそれに乗って近所のスーパーやお医者さんに行く。その帰りにその車内で郵便や荷物受け取る……と、こういう形になる。移動や貨物、郵便など動く公共インフラはすべてタクシーに乗っかってきます

ドラレコもついているので、街の防犯にも貢献します。いわば動く防犯カメラ。そして停電のときは、LPGハイブリッドで電気を起こしてスマホを充電することができます。2か月前にマイナーチェンジしたワゴン型の最新タクシーにはACの家庭用コンセントが付きました。

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日本交通はこれから買う車両はすべてそれを入れます。普段はトランクにあるので使えませんが、いざ災害があったときに発電できるという仕組みです。

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地方における動くインフラとしてトラックの機能、バスの機能も郵便の機能もパトロールの機能もすべてついて一つになる。タクシーが走るほど世界は安全に・便利になっていきます

テクノロジーも際限なく伸びていきます。今はドラレコの画像を解析することで、地図のアップデートにも役立ちます。例えば交通標識が変わっていたとき、その差分を自動的に見つけて、ゼンリンの元データに教える。これは現実に始まっていることです。

今後はトラックのわだちや、道路陥没、白線が消えたりしている場所……それらもドラレコの画像で全部解析できるようになります。人も物も情報も防災設備もすべて乗せる移動公共インフラになる。それがタクシーの未来の必然なんです。

まだ何十年と掛かりますが、すべてがそこに向かって進んでます。タクシーのゴールデンエイジは必ず来る。その時我々ができることをどんどん増やしています。身近なところでは相乗りタクシー。今国交省の通達を待ってるところで、もうすぐできるようになります。例えば空港へ行くのに近所の人がアプリを使えば、同じ方向に行く人同士で乗れて料金も安くなる。タクシーはあらゆる機能を兼ねていき、世の中を支える基盤になります。

日本交通はその中で最大手。会社を統合しながらより強い企業体として、ゴールデンエイジを迎える中で業界変革のリーダーになる。そのリーダーシップを実際に発揮するのは新卒です。新卒は日本交通を変えるのみならずタクシー業界全体を変える使命を担うと同時に、これからのモビリティ全体を先導する役割も持っています。

そのために最初の1年はドライバーをしっかりやる。中期的にはよりホスピタリティが大事になります。自動運転は運転技術を補ってくれるようになります。そのうち、営業所まで帰れば自動で駐車してくれる機能もつくようになって、仲尾さんもこすらなくてすみますよ(笑)。

そういうテクノロジーを活用できるのは若い世代です。未来を体現できるのは新卒。ベテランに比べたら接客や運転はもしかしたら劣るかもしれないけど、新卒のタクシーには未来が見える。ベテランたちが君たちをタクシーの未来だというのは、本当にそう思っているんです。

フレッシュな感性でテクノロジーにも対応できる。今後オンデマンドタクシーをやるなら新卒になってもらいます。日本交通、そして日本の移動インフラの未来を先導する人になることを、新卒に期待します

仲尾
色んな仕事をこれからやる、という将来性がそこにはある。いろんなことを経験してきた、多様性がある人が日本交通には必要です。内定者の方には、ぜひ来年入社してほしいです。

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川鍋
タクシードライバーって、上の世代にしてみれば駅前でたむろして煙草ふかしてる人ってイメージなんですけど、タクシードライバーの果たすべき役割と機能は広がっているんですね。10年後のタクシードライバーの役割は今日と全然違うものになります

例えば今やっている陣痛タクシーは半分救急車がやっていること、フードデリバリーはレストランやホテル業に近い。やってることはどんどん広がっている。

むしろ皆が知らないところに未来がある。みんなが「タクシーなんて大したことない」と思っているところにたくさんの学べる機会と上昇できる余地があるんです。ゴールデンエイジがくる中で他の産業も飲み込んでいく。私にはそれが見えています。

でも世の中が変わるには時間がかかります。だから我々はアピールし続けないといけない。それを街中を走る新卒ドライバーたちで率先して体現していく。その環境を整えるのが私の役割。やがて新卒の3分の1は、タクシーを支えるバックオフィスに配属されます。その中で、タクシーの未来につながることは全部やってもらいたいと思っています。

仲尾叔母
質問です。例えば実証実験として実験都市で川鍋会長が言ったことを実現する構想はありますか? むしろやってもらいたいです。

川鍋
実はたくさんチャンスがあります。スーパーシティ法案が今国会で通り、鎌倉・藤沢のほか全国3~40か所選ばれました。そこで全く新しい未来の都市を作ろうという動きがあります。そういうところで新しいオンデマンドタクシーや自動運転でトラックやバスを走らせることはできると考えています。

叔母
タクシーの実験都市、面白い。街もそれを求めていると思います。横浜市はチョイモビっていうのをやってみたり、エアバスとか実証実験をやってるけれど、どれも中途半端に見えるんですよね。

川鍋
実は日本交通も、去年ビア(VIA)と伊藤忠の社員向けライドシェアサービスをやっていました。また、モネ(MONET)というソフトバンクとトヨタがやっているシャトルバス事業を日本交通でやるようになります。交通事業ってバスや国交省、警察、地域など関係者が多く、なかなか一足飛びに行かない。遅々として進んでいる感じです。

MoTのほうでは今度お台場で東京の自動運転の実証実験をやります。セーフティドライバーとして日本交通のドライバーが乗る。未来を作ることにはすべて関わっていくという姿勢です。

内定者とその親御さんからの質問コーナー

Q.強盗や事故に対する対応は?

Aさん
「父から質問。強盗や事故などの時の対応はどうなっていますか?」

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川鍋
乗務員の身の安全を優先しています。運転席のところに非常用のスイッチがあって、それを操作すると行灯が赤く光り、周囲の車に問題を知らせる機能があります。そうすれば付近の警察やタクシーが無線センターに連絡してくれて確認がとれます。

もしお金を要求されたら、全部あげてください。とにかく抵抗しないで言うとおりにするのが大前提。犯人に「車よこせ」と言われればあげてください。盗まれた車は見つかりますし、お金は何とでもなります。乗務員の安全第一というのが会社のスタンスです。

最近はドラレコなど、そういう設備があることが強盗にも浸透しましたので、タクシー強盗自体少なくなってきましたね。また最近はキャッシュレス決済が半分以上を占めているので、乗務員が持ち運ぶお金も以前の半分以下。リスクに対する見返りはないし、ドラレコに顔もばっちり映ります。

その上で、運転手への暴行や強盗は近年すごく減っています。日本交通は全車7000台位ですが、そういう事件は1年に1回くらいしか聞かないですね。そういった事件よりもう少しあるのは、暴言などのパターン。(※)僕が以前乗り逃げされたのもそういうケースでした。「こっちの道じゃないよ」と言ってこっちをあたふたさせて逃げるケースはまれにあります。その時は基本抵抗しない。その代わり画像を見た営業所が対応し、警察に通報します。

(※)川鍋は2007年12月~2008年1月まで、乗務員を経験しています。当時のことは『タクシー王子、東京を往く。』(著・川鍋一朗)に詳しく、乗り逃げについては、p.54~よりエピソードが掲載されています。

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そして事故を起こしたときは警察を呼んでください。その間に営業所に連絡をしてもらえれば、現場に一番近いベテラン乗務員が駆けつけてサポートする体制になってます。まれに大きな事故があっても、問題なく対応しています。

Q.女性ドライバーに対する安全対策は?

Bさんお母様
「女性ドライバーとして、安全面のことが強盗とは違った意味での心配があります。お客様を送ったところで『お姉さんカワイイし次指名するからマンション寄ってかない?』みたいなことを言われているのをTVで見たことがあります。その辺のリスクマネジメントはどうなっていますか。」

川鍋
まずドライバーの指名はできないようになっています。そういう意味で、尾を引くことはないと思っていただいて大丈夫です。もちろんそのお客様が乗って、若いねとかかわいいねとか言われるのはあると思います。

ただ、うちの営業エリアでタクシー乗務員をやっている限り、他社よりかなりリスクが低い。現実としてその場で言われるケースはありますが、そういう行為があったら、営業所の管理職に言ってください。全部録画されていますので、行き過ぎた行為がある場合、その方が無線のお客様であれば今後配車しないといった組織的な対応が可能です。

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Bさんお母様
「もし車内で怖いことがあったら、何か起こってからじゃ遅いと思います。そういう場合は入社後の研修で逃げ方とか対応の仕方などといったトレーニングをしていただけるのでしょうか。」

最上
私自身がドライバーとして運転した際の一番の学びで、自分なりの抑止力として効果が高かったと思うのは、接客だったと思っています。日本交通の接客で一番大事なのは目を見て「ご乗車ありがとうございます」と言うこと。この威力はすごいなというのを感じました。

もしお客様のほうを見ずに背中も丸まった状態で、釣銭バッグもお客様の目に見えるところにおいていたり、隙のある状態で、しかも道を間違えても「ごめんなさい~」とキャラクターや愛嬌でごまかそうとしてしまうと、お客様を悪い人にしてしまう。接客の甘さが、お客様の心の隙を作ってしまうんです。

これは女性だから、タクシーだからという問題ではありません。対個人の接客では日本交通の接客ルールを順守できるようになるまで、先輩にはしっかり丁寧に教えてもらいました。背筋をピンと伸ばして、女性だから隙を作るな、甘くなるなというのは教えてもらいました。

私も、一度だけお客様に「アドレス教えてよ」と言われ、降りていただけなかったことがあります。ただ、これも自分の接客の甘さでした。道を間違えてしまった時、本来であれば停止して「申し訳ございません。道を間違えてしまいました」と対応するべきところを「お客様、ごめんなさい」ってすごく軽く言ってしまった。感じのいい方だったのでそこに甘えてしまったんです。

最終的に、「あなた道間違えたんだから、代わりに連絡先教えてよ」と言わせてしまった。最終的にどうやって降りていただいたかというと、カメラに手を添えて「私新人なんで今日カメラチェックされちゃうんです。申し訳ございません」と言いました。最終的には中にカメラが向いてるということを伝える形になりました。だから私はBちゃんに伝えたい。大丈夫、しっかり接客していこう。接客いっぱい練習しようよ。

Q.自動運転が普及したら、乗務員はいらなくなりませんか?

Cさん
「AIの自動運転は急速に普及している印象があります。トラックやタクシーも今後自動運転は案外早くやってくると耳にします。仮に自動運転が完全に普及してドライバーがいなくなったら、ドライバーは他のところにいるのか、それとも雇用を切られるのか。」

川鍋
マスコミや海外のベンチャーが「2025年には無人のタクシーを……」とか発表があるんですが、まずほとんど実現しません。

第一に、非常に時間かかります。まず自動運転ができるのは高速道路です。AIは人がいきなり飛び出してくるのに弱い。なので歩車分離ができる高速や駐車場での自動運転が第一段階で、下道に降りたら運転しないといけない。

最終的に本社がある千代田区とかこのあたりの道で、今の日本交通のタクシーが無人で運行しようと思ったら、あと30年くらいはかかります。当面、皆さんが自動運転によって職失うことはないですね。

でも、仮にそれがすごいスピードで来たとしましょう。その時に大事になるのはホスピタリティです。運転は確かにテクノロジーに置き換えられていくでしょう。

その一方で、我々人間にしかできないホスピタリティは、さっき最上さんの言っていた接客などの部分。そういうのをしっかりやろうというのが日本交通の方針です。そして、それをやっている限りは自動運転の車の中に必ず人は乗ります。

なぜならおじいちゃんおばあちゃんを病院に送ったり小包を渡したりするのは、全部AIでやろうとしたらものすごい設備投資が必要になる。その時に必要なのがホスピタリティ。何かを正確にこなすというよりは「おばあちゃん大丈夫?」と声をかけられるとか、気が利くとか、いつも笑顔で「あの人の車に乗ると元気になる」とか、そういう人間らしさ・人間性を磨いてほしいです。

日本交通に入ったら、最初は地理と運転を身に着ける。その次には観光タクシーやお出かけサポートタクシーとか、よりホスピタリティの要素が強いEDSに挑戦してほしい。将来は運転より接客のほうが比重が大きくなることは知っておいてほしいです。だから日本交通は品質、人間による最高のホスピタリティを追求しているんです

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Family会社説明会にお越しいただいた皆様、誠にありがとうございます。今回のイベントでご入社への不安を払拭できたのであれば幸いです。そして、いよいよ10月1日は日本交通の内定式。22卒内定者の皆様、内定式でお待ちしております!!

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