見出し画像

タクシー乗務員の働き方、教えます

ご乗車ありがとうございます。日本交通新卒採用担当です。

本日は世にあるお仕事の中でも、かなり特殊なルーティンで働くタクシー乗務員の働き方について解説していきます。


①日中~夜中~朝まで働きガッツリ休む【隔日勤務】

真夜中のこと――「今日はちょっとバイトで遅くなっちゃった……疲れたから、家までタクシーで帰ろう。」

そう思ってタクシー乗り場を見てみると、行灯を煌々と灯らせたタクシーが、何台も列をなしてお客様のご乗車を待っています。「そういえば、あの人たちっていつ休んでいるんだろう……?」と思ったことはありませんか?

画像5

タクシーをご利用のお客様は昼間だけでなく、終電や終バスがなくなってしまった夜中や明け方にもたくさんいらっしゃいます。そのため、タクシーは昼はもちろん夜中も営業しています。

そこでタクシーは「隔日勤務」といって、丸1日仕事をしたあと丸1日分お休みをとるという特殊な勤務形態をとっています。

拘束時間は最大21時間。これは出社して車両を点検したり、点呼(運行管理者から運行上の諸注意を受けたり、呼気に含まれるアルコールチェックをする)を受ける時間、仕事中の休憩や仮眠の時間、帰ってきたときに洗車をしたり、その日稼いだお金を会社に納金する時間を含めます(下記、具体的なタイムスケジュール例です)。

これらの時間を除くと、実際に運転している時間は約15時間ほどです。仕事の間、休憩や仮眠などは自分の好きな時に取ることができます。疲労がたまる前にしっかり休むことも仕事のうちです。

仕事が終わった後は、必ず連続20時間以上のお休みがあります。この時間は仕事の疲れを取るためのお休みです。寝たり、食事したり、運動したりと、過ごし方は自由。次の日の仕事に向けてしっかり英気を養います。

②運行管理者の作ったシフトで働く【シフト制】

タクシー業界の専門用語で、仕事の日のことを「出番」、仕事の翌日を「明け番」と呼びます。出番と明け番を交互に繰り返すのが、隔日勤務の働き方です。出番の翌日に出番が来る、ということは絶対にありません。1回あたりの乗務は出番と明け番で1セットです。

出番と明け番の他に「公休」という日もあります。これは仕事がない完全なお休みのことです。出番と明け番、そして公休が組み合わされたシフト制で勤務します。

そして、乗務ができるのは1か月あたり13回までと法律で決まっています。それ以上働くことはできません。上記の例はひと月あたり12回勤務した場合のシフト表です。

明けや公休の時間をうまく利用して自分の趣味や勉強をする方もいます。シフト制だと平日がお休みになることも多く、人が少ない平日の昼間に映画を見に行ったり、職場の仲間と遊んだり、買い物に行ったりすることも。体が慣れれば、とても時間の融通がきく働き方です。

このシフトを作成しているのが営業所にいる「運行管理者」の方です。運行管理者とは、乗務員の勤怠の管理のほか、事故の処理や乗務員の教育、仕事中の乗務員やお客様からのお問い合わせに対応するなど、乗務員が働きやすい環境を整えてくれています。

③頑張れば頑張るほど稼げる!【歩合制】

タクシー乗務員は給与体系も、一般的なサラリーマンの方とは異なっています。歩合制といって、自分がお客様をお乗せした分だけお給料が上がる仕組みです。

日本交通の場合、歩合率はおおよそ52%です。つまり「その月に稼いだ総金額×0.52」がその月のお給料になります。下記の例であれば、1か月あたり稼いだお金が60万円であれば、その月のお給料は約31万2000円となります。

そして賞与もあります。一般的ないわゆる”ボーナス”とは異なり、その人の月々の売り上げによって金額は変わってきます。1か月の売り上げのうち月給として支給される約52%とは別に、会社がおおよそ約8%分を積み立てており、その間の貯蓄額が年3回(3月、6月、12月)にまとめて支給される仕組みになっています。

たとえば下記のグラフの例だと、3~6月分の給与のうち約8%が積み立てられ、6月にまとめて支給されています。

タクシーの働き方について、イメージはつかめましたか?

この先は、タクシーの働き方についてよくある質問を、乗務員経験者の皆さんに答えていただきました!

【よくある質問①】隔日勤務に体が慣れるまでどれくらいかかる?

堀江(入社4年目/乗務員歴1年半)

3か月で体が慣れて、半年で自分のペースをつかむことができました。
最初の1~3か月は今まで経験をしたことのないリズムでの生活で疲れることも多かったですが、半年ほどたつと明けの時間を有効に過ごす方法を考えられるようになりました。明けは基本的には睡眠がメインですが、同期と温泉旅行や飲みに行くこともありました。

中村(入社4年目/乗務員歴2年)

私は1か月くらいで慣れました。
隔日勤務に慣れない間はとにかく睡眠をとっていました。仕事中はがっつり働く分、明けは予定がなければ一日中寝ていましたね。
ただ、体が慣れてくるタイミングは人それぞれだと思います。慣れてくれば、明けの日の予定に合わせて「今日は明日に備えて多めに休憩を取っておこう」などと自分の中で調整ができるようになりますよ。

【よくある質問②】歩合制って稼げる? 新卒だとどれくらい稼いでる?

神野(入社4年目/乗務員歴2年)

2020年に入社し、2022年の春まで乗務員でした。ちょうどコロナ禍でしたが、説明会で聞いていたくらいの金額(月13乗務で手取り30万円程度)は浮き沈みなく稼げていました。
年末年始の帰省などお休みをガッツリいただくこともありましたが、歩合制なだけにその分その月はお給料が低くなることも。それが悲しかったので基本は毎月13乗務頑張ろうと思って仕事をしていました!

【よくある質問③】コロナ禍で営収はどのように変化しましたか?

新井(入社3年目/乗務員歴2年)

私は2021年の緊急事態宣言と同時に乗務員デビューでした。そのため時期によっては売り上げが3~4万円の時もありましたね。従来であればタクシーの需要は深夜が多いのですが、緊急事態宣言下では夕方と20時前後が需要のピークでした。
2022年4月以降、新型コロナウイルスの影響は少し落ち着き、私の売り上げ平均も6万円を超えることができました。

保木(入社3年目/乗務員歴2年)

コロナ禍真っただ中とそれ以降では、売り上げとお客様の多い時間帯が変化しました。
私が入社した2021年の夏と2022年の春までが、特に緊急事態宣言等で厳しい時代で、私の売り上げが4万円台になることも。20時前後を過ぎると街から人がいなくなっていましたね。
でも、2022年春以降は営業所の1乗務あたりの平均営収が6万に上がり、私の平均営収も7.5万円に! 前年の1.5倍ですね。2023年2月以降になると、週の中で一番稼ぎやすい金曜日には営業所平均が8万円を超えることも。タクシーの需要は完全に戻ってきたと感じます。
コロナ禍が落ち着いてからの需要のメインは0時以降になりました。

【よくある質問④】明けでどういう過ごし方をしていましたか?

久住(入社4年目/乗務員歴1年半/2023年7月にHRMに異動)

ジムに行くことが私のルーティンワークでした。シャワーを浴びてからジムに行ったり、時には同期とサウナや飲みに行ったりもしました。夜はプライベートで友人と遊んだり、とにかく予定を埋めていました
翌日は朝9時前後に起床して、11時〜13時くらいにまたジムで運動。お昼ご飯を食べてから出勤するという過ごし方でしたね。

【よくある質問⑤】上長とはどんな関係ですか?

山岡(入社4年目/乗務員歴2年)

自分が想像していたよりもとても距離が近く、上司・部下ではなく親子のような関係でした。私が所属していた三鷹営業所の場合、所長からの挨拶は「お疲れ様」ではなく「おい、飯食ってるか」でしたね。体調を崩してしまった新卒社員の家までご飯を届けたこともあったそうです。
また、新卒への思い入れも強く、所長と統括(乗務員さんをまとめるトップの乗務員)が一緒に帰られるときも、道中の話題は新卒社員のことでした。いつも私たちのことを気にかけ、期待も心配もしていただいていると感じています。

【よくある質問⑥】休憩中はどのように過ごしているのですか?

渡辺(入社3年目/乗務員歴2年)

僕は「仕事に忙殺されない」ことをモットーにしています。事故を起こしては元も子もないので、休憩の際には基本的に4時間以上は睡眠をとっていました。自分の裁量権が大きいからこそできることですね。乗務中に同期の間で営業情報を交換することもありますが、僕の場合は自分のペースを保つために、あえてグループ通話に入らず一人で過ごすことが多かったです。

梅田(入社3年目/乗務員歴2年)

休憩は静かな場所でとっていました。時にはドライブスルーのお店に立ち寄ったり、同期と時間を合わせてラーメンを食べに行ったりすることも。同期とは今でも仲が良いので、昨日も一緒にご飯に行ってました!

【よくある質問⑦】なぜ日本交通は新卒で入社してタクシードライバーを経験するの?

岩間(入社8年目/乗務員歴1年半)

「“タクシーという言語”を学んでおくことで、 社員全員一丸となって仕事をすることができるからです」
入社後、乗務員を経験してからのキャリアは人それぞれです。ですが、日本交通の社員はどの部署にいようと、タクシーという同じ景色を共有しているんです。
私は21歳までタクシーに乗車をしたことがなく、学生時代、日本交通の内定者イベントで初めてタクシーに乗りました。実際にタクシーに同乗してみたことで、乗務員はただ運転しているのではなく、時間帯や人の流れ、街の状況など東京という街全体を理解して仕事をしていることに初めて気づくことができました。実際に乗務を始めてからは「人の純粋なやさしさ」に触れることもありました。
これはごく一部ですが、これこそ乗務員が知っている特有の景色です。日本交通が大事にしているのはタクシー乗務員としての理解と価値観。タクシーという言語を持った同志だからこそ全員が同じ目線になって仕事ができます。

乗務員のルーティン動画紹介

この記事で紹介した乗務員の働き方や一日の流れについては、下記の動画でも紹介しています。ぜひこちらもご覧ください!


以上、意外と知られていないタクシー乗務員の働き方をご紹介しました。少しでもご興味を持たれた学生さんは、ぜひ日本交通の説明会やインターンシップにお越しください。

皆様とお会いできるのを楽しみにしております。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?