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近江商人の考え方から真似ぶ、近代セールスの哲学


THE MODEL が発売されて、SaaSを中心としたセールス界隈では、営業の在り方が見直されています。

ビジネスモデルが変化したこと。

顧客の購買検討のプロセスが変化したこと。

様々な因果があって、最適なセールス(マーケティング)モデルは変化しています。

こうした背景もあり、セールスプロセスでは様々な役割や取組みが注目されています。

・リードジェネレーション

・リードクオリフィケーション

・リードナーチャリング

・インサイドセールス

・フィールドセールス

・カスタマーサクセス

・セールスイネーブルメント

などなど…。

SaaSやセールステック界隈で働いていない方にとっては、もしかしたら上記のキーワードも呪文のように感じるかもしれません。

しかしです。

改めて今のセールスモデルで重要視されてる考え方をよーく紐解いていくと…。

なんと、古くは江戸時代から同じようなことが大切だと言われていることがわかります。

それが、かの有名な近江商人です。

近江商人とは、三方よしで有名ですが、 

「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三つの「良し」。売り手と買い手がともに満足し、また社会貢献もできるという考え方

この他にも、近江商人の商売成功哲学として、【近江商人 十訓】という、近代セールスが注目される今尚色褪せない、営業の本質が唱えられているのです。

近江商人 十訓

ここでは、近江商人にならって、近代セールスにおける考え方を解説していきます。

一、商売は世の為、
  人の為の奉仕にして、
  利益はその当然の報酬なり。

営業は“価値の交換活動だ”という考え方。顧客の課題を解決する価値を提供することで、正当な報酬を得て、わたし達も幸せになるべきだ、という解釈です。

顧客は神様ではありません。パートナーとして対等な立場で、本質的な課題解決の提案をすることが大切です。

二、店の大小よりも場所の良否、
  場所の良否よりも品の如何。

成果をあげるためには、何よりもマーケティングの観点が重要だということ。

 BtoBのセールスにおける世界に置き換えるなら、誰が売るかよりも、どうやって接触するかが重要で、それよりもどんなニーズを満たすサービスなのか?を突き詰めましょう…と解釈できるのではないでしょうか。

三、売る前のお世辞より
  売った後の奉仕、
  これこそ永遠の客をつくる。

正に近代セールスのトレンドワード、カスタマーサクセスの考え方ではないでしょうか?

売ってからが勝負だよ、と。

これぞ色褪せない商売の鉄則だと言えます。

四、資金の少なきを憂うなかれ、
  信用の足らざるを憂うべし。

お金がないことよりも、信用がないことで周りから投資や支援をされないビジネスモデルに問題意識を持とう、と考えられると思います。

五、無理に売るな、
  客の好むものも売るな、
  客の為になるものを売れ。

私がセールスにおいて、最も大切だと思う哲学です。顧客の欲しがるものを提供するだけでは、本質的なの課題解決にはならず、御用聞き営業になってしまいます。

今後、さらにAIが発達していくと、御用聞きスタイルの営業しか出来ないセールスパーソンは、ロボットに淘汰されることでしょう。

人にしか出来ないこと、それがコミュニケーションです。

コミュニケーションを通して、本質的な課題を発見し、顧客にとってあるべき姿を提案するのが、これからのセールスの役割だと信じています。

六、良きものを売るは善なり、
  良き品を広告して多く売ることは
  さらに善なり。

良いものが売れるのではなく、沢山選ばれたものが良いものだ、と言えるのではないでしょうか。

顧客視点に立つことが重要です。

七、紙一枚でも
  景品はお客を喜ばせる、
  つけてあげるもののないとき
  笑顔を景品にせよ。

やはり「期待以上の価値」があることは顧客にとって嬉しいものです。

セールスは顧客を喜ばせるエンターテイナーとの考え方を忘れてはいけません。

八、正札を守れ、
  値引きは却って
  気持ちを悪くする位が落ちだ。

安易な値引は、そのサービスの価値そのものを落とすことになりかねない、という解釈です。

時には、大切な顧客が離れていく理由にもなりますので、注意が必要です。

九、今日の損益を常に考えよ、
  今日の損益を
  明らかにしないでは、
  寝につかぬ習慣にせよ。

買われない理由、売れた理由。

これらを常に考え、PDCAを回し続けようということでしょう。

要因を明らかにせず、商売がうまく行くということはありません。

十、商売には好況、不況はない、
  いずれにしても儲けねばならぬ。

ビジネス、営業で成功したいのであればら他責にしてはいけないということです。

景気や外部環境のせいにしても、実績は上がりません。いずれにしても成果を出さなければいけないので、覚悟をもってやるべきことをやる…ということだと言えます。

まとめ

いかがでしょう?

正に近代セールスで言われている考え方や、要素が、これでもか!という程詰まっていませんか?

近江商人は筋金入りのトップセールスですね。

古きを訪ねて新しきを知る

わたし達は、まだまだ過去から学びと真似びを得ることができそうです。


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