見出し画像

日本初のプロゲーマー誰なんだ問題

何をもってして「プロ」なのか定義しにくいのが原因か?

またも例の問題が勃発

JeSU浜村さんという組み合わせだと標的にされやすいんだろうか……とあるメディアでちょっとした炎上(というほどでもないか)が昨日起こってしまっていた。今は該当箇所のテキストが修正されているようだが、以下の記事で「日本初のプロゲーマー」について言及している箇所がある。

―まずは日本のeスポーツの歴史について教えてください。

浜村:日本のeスポーツは法律上、長らく賞金を出せなかったので、ゲーマーたちは海外の大会に出て賞金を稼いできました。2010年に海外では「The Beast」と呼ばれるウメハラ(梅原大吾さん)が自分の腕を見せるために海外のイベントに出て、スポンサーがついたことで、初めてプロのeスポーツプレイヤーが生まれたのです(諸説あり)

修正されたというのは、カコミ中太字にした「(諸説あり)」の部分。これが元のテキストでは存在せず、ウメハラ氏が日本初のプロゲーマーということになっていた。まただ。もう何回目なのかわからない。またこの問題だ。何回指摘されてんだという話が突如として勃発してしまった。

彼は、格闘ゲームにおいては日本初のプロゲーマーである。これは揺るぎないし、最前線で戦い続けた功績は、2010年に「世界で最も長く賞金を稼いでいるプロゲーマー」としてギネス認定までされている。ただ、スポンサードを受けて活動したという意味でいうと、ウメハラ氏は日本初のプロゲーマーとはいえない。

アイコン化されたウメハラ氏

日本では知名度・人気があり(一般の人はやんなくなっちゃったけど)、かつ日本人が多数活躍しているジャンルの格闘ゲーム。その格闘ゲーム界において、リビングレジェンドとして今も活躍しているのがウメハラ氏。
わかりやすい要素が揃っているからこそ、彼はアイコン化され、日本初のプロゲーマーとして紹介されやすい。

レッドブルのアスリートページでも「日本初」として紹介されている。

日本初のプロゲーマー、梅原大吾は 、国内ではウメハラ、海外ではビースト(Beast=野獣)のニックネームで崇められる。

やはり、定義が曖昧なのだろう。賞金が出る大会で長年活躍し続けていればプロなのか、賞金だけで生活が成り立てばプロなのか、スポンサードを受けたらプロなのか、ライセンスがあればプロなのか、他者から認められればプロなのか。
ウメハラ氏はギネスブックの文脈でそう言われることが多いような気がする。

一応補足しておくと、私はエンジョイ勢ではあるが格ゲーは好きでよくプレイする。モアで対戦したウメハラ強かったなあ。ときどは昔寒かったよなあ。そんな風に身近に感じる存在だからこそ、最前線で活躍する姿を見て勝手に元気をもらっているし、応援している。なので、ウメハラ氏に対して何か悪しき感情を抱いているわけではない。

経済的な利益を追求する、というと少し大げさだが、スポンサードを受けて活動する文脈においての日本初だと、おそらくSIGUMA氏が元祖のはずだ。今から遡ること15年も前の2005年にSIGUMA氏は企業からのスポンサードをうけ、世界で戦っていた。

ただ、SIGUMA氏は上記の意味合いでのプロ活動期間が短かったのと、現役ではないこともあってか一般メディアでその名を見かけることは少ない。

高橋名人が始祖なのか?

もうちょっと見方を変えて、単純に「生計をたてられる」という意味合いだと、「始祖」としては高橋名人の名がよく挙がる。ただ、名人はハドソンの社員であり、広報活動の一環としてやっていたことを考えるとちょっと違う感じもする。

その派生でいうと、ゲーム誌や攻略本の攻略ライターの方が始祖的な存在としてはふさわしいか。ファミ通の攻略班や、ベントスタッフの人たちなどは「ゲームの攻略で飯を食っていた」ある種のプロゲーマーだ。
今の時代だとゲーム実況におけるストリーマーもプロゲーマーといえるだろう。海外のプロゲーマーはストリーマーでもあり、彼らは動画配信によって多額の収入を得ていたりもする。

何にせよ、やはり過度期であり、繰り返しになってしまうが、定義が曖昧だからこそブレるように感じる。スポーツにおいてのプロ・アマの話なども少し調べてみたが、バシッとした答えはなかなかなかった。強いて言うなら「ビジネス化」の部分なので、そういう意味ではeスポーツはプロシーン化しつつある。

JeSUはライセンス発行することで解決しようとしたのだろうが、プレイヤーからの受けはあんまりよくないように見える。仲良くやって頂きたいところだがはてさて。

個人的には生き方の幅が広がるのは大歓迎なので、今までになかった職業として「プロゲーマー」が定着することを望んでやまないが……どう決着するかは見届けたいし、自分ができる活動はしてきたいと思っている。

いただいたサポートはnote上における活動の源泉とし、記事の形で還元いたします。