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小学生のころ、「電気係」だった

この記事は、渋谷セカンドステージVOL.20 渋谷ヒカリエで『「学校」をアップデートする』を見て感じたことです。
https://peatix.com/event/602261
実際のイベントの様子はこちらを参照ください。
https://www.obatakazuki.com/schoolupdate

電気係の話

僕が小学校1年の頃、クラスの係決めが必ず1学期に1回あった。
クラスは30名程度。不平等を無くすためにと全員に係が割り振られた。
学級委員や「いきものががり」がピシッと手を挙げる同級生によって次々と決められる中、なかなか手を挙げられなかった僕は最後まで残されていた。

そして僕に与えられた係が「電気係」だった。
「電気係」は、移動教室がある度に教室の電気を消す係だ。

こうして僕は着々と移動教室の度に電気を消していった。
ただふとある瞬間に気がついてしまった。

これいらなくない?

気づいたが最後、一切やる気がなくなってしまった。
ただ、電気が消えていないと先生から怒られるから任期が終わるまでの間、電気係をまっとうした。

いま、学校教育の現場に必要なものは何か?

トークイベントを見ながら、こんなことを思い出していた。
「いま、学校教育の現場に必要なものは何か?」というテーマが前半にあった。

会場では、「先生同士のケンカ」や「学校に行きたくなくなる理由があるのではなく、学校に行く理由がない」という話がなされていた。

僕自身は「子どもをオトナとして扱うこと」だと思う。
もちろん、子どもは子供だ。ただ、子どもだって人間だ。
だからこそ、子どもを人間として、もっと進んで同じオトナとして扱ったときにどうなるか?

例えば、会社である日「電気係」を命じられたらどうか?
笑い話にしかならないかもしれないが、同じことを子どもたちに強制させていたのだ。

では、これを解消するにはどうするべきか?
「電気係、いらなくないですか?」と提案すればよい。
しかし、会社の例えを続けるなら、これが上司からの命令だった場合、なかなか難しい。

同じことが学校でも起こる。
子どもはフィジカルには大人に勝てない。
だからこそ、大人に言われたことは守らなくてはならない気持ちになる。

子どもの意見を吸い上げる

では、「電気係、いらなくないですか?」という子どもたちの声を拾い上げるためにはどうしたらよいか?

小学生のころ、子どもの気持ちを汲み取るために「子どもスパイ」があったらなとぼんやり考えていた。
「子どもスパイ」とは、スパイとなった子どもがクラスに潜入し、子どもたちの輪の中に入ってそこから意見や情報を吸い上げる。
これさえあれば、いじめや子どもたちの中に漂う閉塞感もつかめる。
そして、それを反映して先生たちはより良い環境を作れる。

もちろん、実際に子どもスパイを導入することは難しい。
制度だけでなく、この思想自体に子どもV.S.大人という構造が前提として存在していることも問題だ。

では、子どもスパイ的なものを導入せずに、子どもからの意見を吸い上げるにはどうしたらいいか。
例えば、厳格な年齢登録を必須とした匿名SNSなんてどうだろうか?
そうすれば、子どもスパイよりはマクロな視点になってしまうが子どもの意見は吸い上げられる気がする。

こんなことをぼんやり考えていた。
僕自身は不登校ではなかったが、学校につまらなさとくだらなさを感じていた。
けれども、それを伝える相手や考えを拾い上げてくれる制度がなかった。
こんな仕組みがあったらよかったなと今でも思う。

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