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【サッカー】浦和レッズ ルヴァン決勝アビスパ福岡戦(2023.11.4)感想

ルヴァンカップ決勝は1-2での敗戦に終わりました。

立ち上がりのマインドが、今日は前向きなのか後ろ向きなのか、どっちか気になりながら集中して見てましたが、浦和ボールになったときに後ろに下げてしまったのを見て、今日は駄目かもと思ってしまいました。
その嫌な予感が的中して、左サイドを破られて早い時間に失点してしまいます。その後もしばらく福岡ペースで進み、浦和はボールを回すだけという流れとなります。
浦和は空気に飲まれているのか、みんなが責任を回避するようなパス回しが多く、合間に崩そうというパスを出そうとするものの、チグハグな印象も拭えず、なかなかうまく攻撃できない時間が続きます。
30分過ぎからは徐々にゴールまで2歩手前ぐらいまで攻められるようになりますが、それでも福岡の守備が上回ってるような感じで、崩し切ることができず、終了間際には追加点を奪われてしまいます。
個人的には福岡のゴールは、中に鋭く上げたら何か起こるかなというボールが、2発ともうまく行ってしまったような印象です。ただ、浦和も縦にパスを入れられない、弱気の駄目なときの浦和だったのは間違いないので、気持ちの差が出てしまったように思います。

後半は、髙橋、早川に代えて、大久保と安居を投入。さすがに2点差で負けているということもあり、前半に比べて前向きな矢印が見え始めますが、今いち横浜マリノス戦のような心底勝ちに行く気持ちのようなものは見えません。
そうこうしている内に、ホイブラーテンが相手をペナルティーエリア内で倒してしまいPKに。さすがに終わったかと思いましたが、西川がまさに守護神というセーブで防ぎ、首の皮一枚でつながります。
西川のPKストップでボルテージが上がり、流れを変えるならここというタイミングで、明本、リンセンが小泉と伊藤に代わって入ります。そして、勢いづいたレッズは、酒井のクロスを明本がうまく胸でトラップしてシュートを決め、一点差に迫ります。

残り時間を考えても最高の時間帯に点を取ることができ、ようやく球際で勝利への執念が出始めたと思ったら、紺野へのファウルで時間が少し止まったのを機に、レッズがトーンダウンしてしまいます。
そして、個人的にはここが今日のポイントだったように思えます。たぶん、一点差に迫ったことで少し気持ちに余裕ができ、カウンターが怖いから、確実に加点するため、少し落ち着いて回しながら崩そうというマインドになってしまったように感じました。
基本的に慎重過ぎるというか、比重が後ろに傾き過ぎてる浦和が攻めるには、勢いもとても大事な要素です。相手側からすれば、シュートタイミングなど、日本人とは違うリズムでプレーするカンテ、リンセンがいる。仕掛けられる大久保や重戦車のような明本もいる。さらに酒井もゴール付近に上がってくる…そして、この選手たちがなりふり構わずゴールを奪いに来る、という状況はかなり怖いはずです。
だからこの段階で「もっと間を空けずに攻めろ」と思って見ていたのですが、リンセン、カンテぐらいしか急いで攻めようという意志が無く、後ろでつなぎながら様子を見ることが増え、時間が無為に過ぎてしまったように見えました。
そして、当然ながら残り時間が少なくなるほど焦りも出てくるし、相手はその分集中力が増すため、ゴールを奪うのが厳しくなります。最後にカンテのポスト直撃があったものの、残念ながら負けに終わってしまいました。

今シーズン、前半うまくいかないときも、何とか最終ラインの奮闘などで、結果的に引き分けで終わってましたが、今日のように防ぎ切れないこともあります。結果としてずっと課題だった前半問題を解決できずにいたツケが、大一番で回ってきてしまったように感じます。
先日の鹿島戦の感想で書いたように、後ろ向きな気持ちを引きずり過ぎると無冠に終わるというのが、現実的になってきてしまい残念です。

今日は、全体的にボランチから後ろがいつもに比べると、調子が悪かった気がします。
伊藤は日本代表で森保からゲームをコントロールしろ的なことを言われて以降、守備はいいものの攻撃参加のダイナミズムが少し失われているように思え、ちょっと休ませてあげてもいいように感じます。
また、ショルツもイエローでリズムを崩したのか、少しパフォーマンスがいつもより低かったように思えました。ただ、岩尾もそうですが、ここら辺のほぼほぼ出ずっぱりの選手たちは、体の芯に蓄積してる疲労や、メンタルの疲労も絶対あるので、いくら大一番で気持ちを奮い立たせても、誤魔化しきれないところはあるのかなと思います。
荻原も今日は良いところがなく、酒井もアシストとロングボールの競り合いは良かったですが、いっときの凄味が薄れてきている気がしました。
ただ、西川に関しては例外で、己のプレーに集中し、PKまで止めてくれました。あのPKが決まってたら、選手の気持ちが完全に切れ、下手したら0-5で負けてもおかしくないぐらいな展開だったので、本当に大きなセーブでした。

連戦の疲労感でどうしても矢印が後ろ向きになってしまうのは、仕方ないかもしれませんが、強いチームはそこで前を向けるチームだと思います。なので、今日はどうしても前半から戦ってほしかったですし、何より勝ってほしかったので、本当に残念でめちゃくちゃ悔しかったです。
残りのリーグ戦のことを考えても今日の敗戦の精神的なダメージはでかそうです。クラブワールドカップや来年に向けて、少しでも上向きな雰囲気になれるか、ホントのホントに正念場という気がします。

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