『KING OF PRISM by PrettyRhythm』という未知の衝撃と新たなる光
(※公道での二人乗りは禁止だよ!)
・まえおき〜虹の先をこえてゆけ!〜
『プリティーリズム・レインボーライブ』。2013〜2014年に放送した女児向けアニメであり、その女児向けアニメとは思えぬ程の過酷な展開とその先に待つ素晴らしき感動を与えてくれる名作なのもあって根強いファンが多く「プリティーリズムレインボーライブを見てください」という強い売り文句が散見され、10周年を迎えていた去年2023年に突如として氷室聖の誕生日祝いと銘打って一挙配信された(今でもなんで聖さんなんだろと思う)のを機に自分も視聴し、そのあまりの面白さに衝撃と感動を覚えこのnoteに感想をバリバリ書いた。
そしてこのプリティーリズムレインボーライブには続編が……サブキャラながらもメインの女の子たちにも負けない程のインパクトとストーリー性を持つ男子3人をはじめとしたプリズムショー男子部門に焦点を置いたスピンオフ作品『キングオブプリズム』シリーズが存在するのだ。幸いサブスク配信も充実しているしまず書きたいモン書いたら見るか〜と思ってたら今度は涼野いとの弟にて今作のメインキャラが一人・涼野ユウの誕生日記念で第一作目『KING OF PRISM by PrettyRhythm』がYouTubeにて配信された。理由のかこつけ方がなんでもありになってるのでは?
なにやら3月にでかい情報もあるみたいだしこれはいい機会だということで自分は今作を見ることにしたのだ。そう……彩瀬なる達が輝き、紡ぎ、そして広げた煌めきの先にどんな世界が待っているのだろうか確かめるために…………
・Over the Rainbowという輝き〜俺はまだ本当の神浜コウジを知らなかった〜
まず今作において真っ先に触れたいのはOver the Rainbow…レインボーライブ時代から登場した神浜コウジ・速水ヒロ・仁科カヅキの男性トリオについてだ。彼らも当時からまぁとにかく色々あった……なんなら今作から見始めた人にも安心といわんばかりの回想シーンが長めに挟まる程に。とはいってもアレとかソレとかコレとかまでは秘匿されていたので後でレインボーライブ見た人はその痴態を見てドン引きしちゃう可能性ありそう。ヒロ、すっかり毒気抜けちゃってよぉ……
そんなヒロは……どうやら次回作『PRIDE the HERO』の方で重点的に取り上げるっぽいから今回そんなに触れなかったので置いといて、まずはカヅキ先輩から。みんなそれぞれ問題を抱えていた前作において彼だけは別にでかい悩みとかはなく、とにかく優しく頼れるかっこいい兄ちゃん…あんやわかなに好意を寄せられるのも納得なキャラだった。
恥ずかしがらないでこっちへ来な。あったかいぜ……
変わっちまったな、カヅキ……正直言って自分はこのカヅキ先輩に衝撃と寂しさを抱いてしまった。そりゃオバレとしてファンのみんながどうすれば喜んでくれるか彼なりに応えるとなればそうなるのは分かる、ストリート系もアカデミー系も関係ないFREEDOMな心が彼にはあるから。けれどかつてのストリート系が持つ孤高さが削がれてしまっていると感じてしまうように……同じエーデルローズ所属にて彼を慕う香賀美タイガのように、敵であるシュワルツローズ所属ながらもストリート系を尊ぶ大和アレクサンダーのように物申したくなる気持ちもある。ついに彼に対して“試練”が訪れたのだ。仁科カヅキはこれに対してどのような答えを出すのだろうか……
そしてやはりコウジについてだ。前作レインボーライブにおいて親友にゴーストライター送りされるだの恋人と自分の親の問題が女児向けアニメでは重すぎるだの過酷な展開ばかりだった彼だが、それらを乗り越え双方共に大切な存在として迎えられた。そんな神浜コウジだが今作視聴済の先駆者から「コウジの本性がヤバい」「あの前作のヒロよりヤバい」「生理的にキツい」とめちゃくちゃな言われようだった。オイオイオイ流石にそこまで言わんでも……とレインボーライブ視聴時代から思っていた自分がようやくこのキングオブプリズムに辿り着き……即座に理解させられた。
胸キュ〜ン♡体験!キュンキュンキュ〜ン♡
こ、この技は!?
彼女の技を堂々と使ってる!?いやいとちゃんのプリズムジャンプ技を使うのは小耳に挟んでいたとはいえ大勢の観客の前で見せつけるの!?匂わせとかレベルじゃないでしょこれ!誰か止めなかったのヒロとかそういうの敏感でしょ!!もちろん当事者(いとちゃん)もしっかり観覧してる。大丈夫かこれ?
さらにここからトリプルジャンプ技「純愛・ときめきサイクリング」を決めるのだが……ただでさえ自転車の二人乗りという謎の夢女シチュをいきなり出され困惑する所にコウジは容赦なく叩き込む!
泣いてる。彼女いる男がやっていいやつじゃない。勘弁してくれ…………本当に勘弁してくれ…………俺は神浜コウジのこと全然知らなかった。憂いを含みつつも優しくもありそれでいて熱い心を持つ男………それだけじゃなかった。キツい。優しかった彼が女をオトすような艶めかしい顔するのが本当にキツい。これを純愛の枠に収めるな。というかこれいとちゃんにやってる可能性すらある。ヒィィ〜〜〜〜!!(背筋が震える)
さらにさらにコウジは止まらない。この後にシン君に夜の個人レッスンを行うのだがここでも……
赤い糸…夏の恋!
まぁこれは分かる。プリズムジャンプは心の飛躍、自分の心に正直に感じた気持ちを表現してるのはいとちゃんもそうだったし同じく恋したコウジも使えるのは分かる。わか…
は???赤い糸で緊縛プレイ!?
うわ……うわ……………(泣いちゃった!)。レインボーライブ時代から男子が行うプリズムジャンプ技はなにかとホビーアニメみてぇな謎の攻撃判定が付属していた……それこそこんなんやってる裏でカヅキとアレクがダンスバトル(物理)してるように。そんなんならコウジが恋の証である赤い糸でシン君を直接縛ってキュンキュンさせるのも納得……してたまるか!俺があの頃に感じた煌めきが……レインボーライブで初めてボロ泣きした話の思い出が……汚されるとはいかないまでも好きに弄られてる……うう…………コウジィ……お前ほんま………(あとこの後なんか尻からハチミツも出したりしていた。伝統あるプリズムジャンプだそうだが唐突である)
そんな耽美でキツいイケメンがやりたい放題してる神浜コウジ、しかし不思議なことにキャラ崩壊とかそういうのは全く感じず、なんというかレインボーライブ時代の神浜コウジの延長としてそういう別の(キツい)側面を見せてきているので「いつものコウジ」として受け入れてしまうのだ。あの時みたいに優しく、友情に熱い心を持つ青年として……
そして神浜コウジは作曲家としての腕を買われハリウッドに渡米することになった……法月仁率いるシュワルツローズの妨害もあってエーデルローズは莫大な借金を背負い(特別損失130億なんてキングボンビーの悪行でしか見ない金額だろ)いわば「身売り」として苦渋の決断をしてしまったのだ。いつ帰ってくるか分からない、なんなら帰れる保証すらない。彼は……Over tale Rainbowとして応援してくれたファンと、エデロの後輩たちと、いとちゃんと、カヅキと、そしてヒロと離れなくてはならなくなったのだ……そしてオバレとしてのファイナルライブはどこか見たような光景でもあった……
その光景は奇しくも前作レインボーライブでなるちゃん達がりんねちゃんをプリズムワールドに帰す儀式のようだった。当然ながら彼らはプリズムの使者なんて世界設定なぞ知らない……きっと「なるちゃん達の友達(よ。が口癖の青髪の娘)があの日から見かけなくなった」程度の認識で済ませているであろう。それでも偶然ながら彼女との別れる為の儀式に似てしまった。つまりは彼らにとってそのくらい重いイベントなのだと痛感してしまった……そこにて奏でられる「Flavor」の歌詞が深く胸に突き刺さる……そしてついに現れた……噂の“アレ”が。
「電車に乗ってハリウッドへ行き星座になる」自分がプリティーシリーズ見る前から聞いてた謎要素……なんならニュース番組での応援上映の説明においても言及された程の強烈な(というか奇天烈な)インパクトを与えたこのシーン。レインボーライブ時点でいったいどんなヤバいやつなんだろと(純愛ときめきサイクリングがアレだったのもあって)ワクワクしていたのだが…………俺はこのプリズムジャンプで泣いてしまった。
そもそも電車(在来線)要素自体の初出がレインボーライブであり、それはヒロがPRIDEをコウジ作曲だと告白した際……本当の意味でHEROになった際に放った男子部門初の4連続ジャンプ「スターライトエクスプレス」だった。つまりこの電車(在来線)はコウジという親友がいたからこそ成し遂げたプリズムジャンプの象徴であり、そして今コウジはその電車(在来線)に乗りヒロ達と別れるのだ。それは別れの儀式にて現世で見てきた振り付けを踊るりんねちゃんの如くだった。まさかこれに文脈が乗ってしまうとは……
オリオン、ペルセウス、ヘラクレス……人々は物語を思い浮かべつつ夜空を見上げ星座を作った。それと同じようにOver the Rainbowの3人のこれまでの活躍はまさに神話のように人々の心に残り、夜空に星座の形を描いた(だからギリシャ神話の星座になった英雄たちよろしく古代ギリシャの衣装でライブしたんですね)……「電車に乗ってハリウッドへ行き星座になる」という妙な描写で自分は泣いてしまった。まるでマカロニが屁をこいて泣いてしまったかのごとく……
エーデルローズは死んだ。十王院カケルがそう言うように、オバレ去りし今のエーデルローズに残されるは実力まだ備わぬ若手のみ。以降のプリズムショー男子部門はシュワルツローズが全て黒に塗り潰すのは誰が見ても明らかだろう……いま、一つの煌めきが終わった瞬間でもあったのだ…………
煌めきは、わたしたちのそばにある。
かつてプリズムの煌めき失われし世界においても“ある少女”は諦めず前を向き、皆が支えてくれる己を信じ、世界に煌めきを取り戻した。そんな彼女はある人物からGIFTを授けられて舞台の上に立った。そして彼もまたある人物からGIFTを授かり舞台の上へ立つ………
・新しき煌めきたちによる輝き〜一条シンなるSUNSHINE、如月ルヰなるMOONLIGHT〜
皆さんお待たせしました。ここからは今作KING OF PRISMにて新たに登場したキャラクターにして主人公である一条シンについて触れていきたい。そもそも彼はプリズムショーに縁のない普通の男子中学生だったのだが、“ある人物”にとある用事を頼まれOver the Rainbowのプリズムショーを見ることになり、そこで洗礼を受けることに………
無限ハグ!It's LOVE...
な、なんだこれは〜???まるで今作を初めて見た視聴者のように困惑するシン君(そりゃそうだ)しかしそれでも世界が輝いて見える程の感動を覚え、そこに偶然いた(資金繰りをどうするか悩む)氷室聖に可能性を見出されエーデルローズにスカウトされたのが始まりだった。そこからいつもの公園でオバレの皆さんと会ったり他の在学生たちと会ったりの説明側に回され中盤までは目立った活躍はなく、コウジによる個人レッスン……本人はまだ知らぬがエーデルローズを去ってしまう彼がなんとしてでも託したいと誘ったプリズムショー特訓でようやくであった。
「一条シン!お前の心の奥底にある想い、包み隠さず出してみろ!」
シン・無限ハグ!
エーデルローズに入団し数日しか経過してない未熟もいい所の少年、けれど新人を発掘し伸ばす才能に秀でた氷室主宰が見出しただけあって素質は……自身が感じた煌めきを純粋に引き出し芸術に昇華させるというプリズムショーにおける大切な本質が確かに備わっていた。日本にいれる残された僅かな時間を割いてでもコウジはシンの才能を引き出したかった。きっと君なら僕がいなくなってしまった後のエーデルローズを支えられるから……
僕はOver the Rainbowのライブで生まれて初めてプリズムショーを見ました!皆さんは憶えていますか?初めてプリズムショーに出会った時のことを…
僕はプリズムショーに出会ってから周りの世界がキラキラ輝きだしたんです!毎日がすごく楽しくなったんです…!僕はこの心のトキメキを…たくさんの人に知ってもらいたいんです!
コウジ去りしお通夜じみた空気になってしまった会場にて、彼に授けられた曲『Over the Sunshine!』をBGMにシンの初プリズムショーは行われる。新参者のぶっつけ本番にはあまりにも規模が、重圧が桁違いすぎる……しかし彼は笑顔で舞う。プリズムショーはみんなを笑顔にできると信じているから。自分はその姿にレインボーライブの主人公・彩瀬なるを……かつて世界から煌めきが消えようとも決して諦めずプリズムショーを行い、輝きを取り戻したのを思い出した。それだけで充分だった、今作もきっと素晴らしい世界が描かれるんだろうなという確信を抱くには。
一条シン、きっと彼はこの『KING OF PRISM』シリーズにおける主人公に相応しい存在になるだろう。そんな彼自身がプリズムショーをやるキッカケは“ある人物”がオバレのチケットを授けてくれたから。それはまるで……………新たな輝きで世界を照らすよう『天使』に導かれたかのように……
如月ルヰ。川沿いの不思議なモニュメントの上で都心部では珍しくホタルに照らされたミステリアスな少年にチケットと謎のペンダントを託されたから……こんなわざとらしいまでに演出された運命的出会いを見て、前作見てた人なら一瞬で「プリズムの使者」通称りんねちゃんだと気付くだろう。世界を巡り、突如として現れ、プリズムの煌めきをより強くする閃きを授け、そしていつの間にか消え去るシステム存在……姿形が自由自在のミューズさまのことだし男性の姿としてでも顕現できるだろう。彼は一条シンに素質を見出して偶然を装い近付いたのだろうか(実物のチケット渡す手法がアリなら秋葉原の駅前の怪しい絵画店や◯ックオフで勧誘しようとした使者もいる気がしてきた)
彼に使者としての思惑があるならばまず第一歩としてはかなり上場といえよう、導かれし者はこんなにも人々を笑顔にするのを見せつけてきたのだから。しかしどうせ“あの”レインボーライブのスピンオフ……波乱万丈あってこその作品の続編なんだし只じゃ終わらない。なぜなら彼は……如月ルヰはあろうことか今作の敵組織シュワルツローズに所属していたから。
プリズムの使者だろうという推測以外これっぽっちも分からぬ如月ルヰ、なぜ一条シンを導いたのか?あのペンダントは?そしてなぜシュワルツローズに所属しているのか?謎ばかり深まる少年にシンは何を見るのか?そして物語はどう進むのか?それは……次回『PRIDE the HERO』に続く!……
………えっここで終わりなの!??
・まさかこんな形での続く
続編前提の作りじゃねーか!正直こう思った。本当に序盤だけ。レインボーライブで例えると1クール目の13話までとかそういうレベル。噂に聞く高田馬場ジョージは全く出てこないし、なんならシン以外のエデロ所属の新参者6人のこと全然分からないんですけど!!!
こんな続編ありきの作品で当時のファンは大変だっただろうと思う……なんか応援上映文化が生まれる前は興行収入あんま芳しくなかったと聞くし……とにかく打ち切りにならなくて良かったわい……としみじみしてたら恐ろしい情報が入ってきた。なんと今作、本来なら一作だけで終わらせろと上から言われてたのに無視して続編前提にしちゃったとか。嘘でしょ…………
考えてみればオバレ3人のCGモデルは前作からの使い回しで新規造形できたのはシンとアレクのみ、そもそもこのくらいの規模と予算で済ませるしかない中で後にセプテントリオンを結成するらしい他6人を出してくるのは上層部に対する明確なる反逆の意志と言わざるをえない。もはや狂気………俺は初めて菱田正和なる男がファンの方々に畏敬の念を向けられている理由を知ってしまった……
とはいっても無事に続編も出たことだし今となっちゃ過ぎたることだし、なんならこれを書いてる内にめでたいニュースが発表された……『KING OF PRISM』シリーズの再スタートである。ひょっとしたら去年の10周年記念の前作配信はここに繋げたかったのかなという意図もあったのだろうか……なにはともあれ自分も楽しみだし、なんなら新シリーズの第一歩が公開される夏までに今シリーズを一通り見たいという気持ちでいっぱいになってる。待ってろよみんな、俺も“そっち”へ行くからな……!
ということで今回はここまで!キンプラへと続くったら続くモモ!(ところであの赤子なんなの……なにやらまだ真相判明してないそうだし)
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