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『コップ・カー』―女性声優が担当する少年役について言及してたら女性声優が少年の吹き替えしてる映画を勧められた話―

見出し画像は本映画から引用。黒い背景に威圧的な台詞が付いてるので「ガキが……舐めてると潰すぞ」を思い出すが完全に釣りなあちらと違ってこっちはその通りの内容なのでご安心ください。

Twitterやってると全く知らない第三者の愚痴の呟きというものがフォローしてる方のRTで流れてくる。それは同情や共感という怒りや悲しみでRTしたり、なかにはいやそれは違うだろという純粋なツッコミや(あんまり良くないけど)バカを晒し上げたりと様々である。

なんでこんな映画とは関係なさそうな前振りしたのかというと、そんな個人の見解から生じた愚痴のような呟きに対して自分が言及したことが映画の存在を知れたキッカケだからである。
その呟きを要約すると「昔のアニメでは緒方恵美や朴璐美に竹内順子や庄司宇芽香の女性声優が少年キャラの声を担当していたのに最近は男性声優が少年キャラの声を担当しているのが悲しい」というもの。

確かに梶○貴とか山下○輝とか小野○章とか10年以上前に比べて男性声優が少年キャラの声を演じ
る機会は増えてきており、それを“自分が見ているアニメの観測内で”女性声優の少年キャラ役が減ったと嘆いているのだろう。といってもあくまで個人周辺の視点、児童向けアニメを含めて軽く例を出せばシンカリオンは主人公の速杉ハヤトが佐倉綾音を始め多くの少年キャラが女性声優だし現在放送中のアースグランナーだって主人公の駆動兄弟は石上静香&桜井春名と女性声優(ライバルキャラは内田雄馬と男性声優派もしっかりゲット!)だし、女の子向けとしても現在放送中のヒーリングっど♡プリキュアは少年型の敵ダルイゼンの声は田村睦心さんと女性声優が担当している。そんな事実があるから当然児童向けアニメのファンからは「現在進行系で存在するからちゃんと見ろ!」と真っ当な猛批判が飛んだ。
しかし先程言ったように“自分の見ている観測内で”の愚痴、いくら正しい指摘をしたり推奨をしてもわざわざ女性声優の少年キャラ見たさにいつも見てないだろう児童向けアニメという新しいコンテンツを見るという努力は正直したくないという物臭なもの。そんなんされても本人が自分に置かれてる現状を変えるつもりなければ馬耳東風で「なんか知らん界隈怒らせちまった……こわ……この話題はもう出さないでおこ……」という方向で学習し萎縮してたり「そういう意味で言ったわけじゃないのに…嘆いてるこっちの気持ちを考えほしい」とか被害者面するのが(児童向けアニメのファンを蔑ろにしたような発言した加害側だろと一瞬考えてしまった)悲しいが人間の基本。事実その人が児童向けアニメ見たようなのは観測できなかった。所詮そういうもの。キュウレンジャーが11人でイカーゲンを倒すスクショだけ見て「戦隊ヒーローが悪役を袋叩きにしていいのか!?彼らにも事情あるだろ!」とかぬかしてた知らん人(イカーゲンは多数の星を破壊した極悪人だ)にそんな敵サイドの抱える事情が見たいならと仮面ライダー555を勧めるようなリプライ送られていたが当然見なかったし。そういうもの。書いてたらムカついてきた。そんなに男性声優が少年役やるの嘆くなら百合の間に挟まる男子だのおねショタでショタ優位だのみたいに嫌いの旗印掲げ叫んでネットミーム化するくらいの意地を見せろ

とまあクッソ長い物申しは不毛なので見なくてもいい。それより女性声優が演じる少年キャラの話題で自分はこれを思い出したのだ


『Yes!プリキュア5』のキュアルージュ/夏木りん役の竹内順子さんにキュアドリーム/夢原のぞみ役の三瓶由布子さん。『NARUTO』のうずまきナルトや『エウレカセブン』のレントン・サーストンとかで二人とも少年キャラのイメージが強いだろう(そりゃクロミちゃんやメロディっちとかもいるけど)そんな二人に少女キャラを充てがうチョイスはなかなか冒険だと今になって思う。自分はそういうの好きなんだけど分かってくれるかな?ちなみにプリキュア5には朴璐美さんの少年キャラも出てくるからそっち方面の需要も満たしてくれるぞ!

とそんなの呟いてたらリプライでこんな情報が

まさかの紹介。竹内順子&三瓶由布子コンビといえばこの他に『BORUTO』の親子役もおなじみだが、まさか映画の吹き替えでも少年コンビやってたとは。しかも下品な台詞もセットで。知らない方だが勧めてくれてありがとうございます。こういう一期一会は大切にしていきたいものである。

この『コップ・カー』アマゾンプライムビデオで字幕吹き替え共に配信されてるので自分は吹き替え版で視聴。85分とプリキュア映画ばりに短い(70分)上映時間なのでサクッと見れそうだ(そんな判断でいいのか)

映画のあらすじ以下の通り

家出中のトラヴィスとハリソンは森の中で一台のパトカー(コップ・カー)を見つける。車内でキーを見つけた二人は大はしゃぎでパトカーを暴走させるのだった。だが、そのパトカーの持ち主であるクレッツァー保安官は私欲のためなら殺人すら行う恐ろしい人物だった。盗んだのが少年二人だと知ったクレッツァーは無線で二人に返すよう要求する。これに動揺する二人だったが、ふとしたきっかけでトランクの中に縛られた男が入っているのを発見する。二人は助けを求めるトランクの男を解放するが、その直後男は銃で二人を脅し、クレッツァーの囮になるよう要求するのだった。こうして家出少年二人は危険な悪党たちの争いに巻き込まれてしまうのだった。(wikipediaより引用)

というもの。事実そのままの内容なのでここは自分の目で確かめてみてほしい。なのでそれ以外の個人的見所ポイントを上げていきたい

・W家出少年の等身大のガキさ

お勧めしていただいた方が言ったように冒頭から「ヤリ○ン」「ヤリ○ン」「ビッチ」といった単語が出てくる。竹内順子と三瓶由布子の声で。いささか信じられないがマジである。いわば彼らなりの「いかにアウトな言葉を言い合えるか」という度胸試しというもの。そういえば自分も小さい頃そういう(どこから仕入れたか分からない)下品ワードを同級生と共有してバカしてたものだ。
そんな積極的な方の少年トラヴィス(竹内順子)と消極的な方の少年ハリソン(三瓶由布子)は家出真っ只中!といっても所詮は小学生、自分の足で歩ける距離をトボトボ歩き続けるだけのちゃっちいもの……上述の展開が待ってるが彼らは『ホーム・アローン』のような小狡い知恵で大人を出し抜くとかできない。あくまで小学生レベルの想像力と稚気そのものの恐れ知らずでトラブルを起こし最悪の事件に巻き込まれる。蛇に呑み込まれる蛙のような視点で映されるイタズラのツケは実に見物だ。「お尻ペンペン」で済まされるような家出はもうおしまい、その結末は……暗闇で導かれる一筋の光を見てほしい

・悪徳保安官がかわいい

なんかいきなり頓狂なこと言い始めてるがマジなんですよ。自分はあんまり洋画に詳しくなく悪徳警官を演じるケビン・ベーコンについてもこれが初めて知ったくらいなのだが、ま〜なんともかわいらしいおっちゃんである。一番上のポスターでは「もう既に何人か殺した」みたいな恐ろしい顔(実際にそうなんだけど)してるが、パトカーのトランクから死体を出してうんとこどっこいと引きずり穴に埋めて石灰らしき粉末を撒く(死臭対策か)姿にスマートさはあんまり感じられない。上着脱いでタンクトップ1丁なのが余計に増長させる。かわいい
そんなことしてたら停めてた車が見当たらない(車内にキーを置きっぱにするな)のであわや大慌て、なんとしてでも“証拠”が残ってる俺の車を取り戻さねばと他人の家の車を盗むのに苦戦する(これも車内にキーが置いてる。スペアなのか)わスピード違反で警察に詰問されるわなんか見ているとついつい応援したくなっちゃうくらい頑張ってる(こんなだが殺人鬼だ)吹き替えだと山路和弘ボイスで空回りするおっさんボイスが実に合ってる
そんなかわいさアピールしてるがちゃんと〆る時はしっかり〆るので御安心を。優しい言葉に騙されてはいけない、本当に大人ならば君のことを叱ってくれるのだから……

このように少年たちと悪徳保安官二つの視点からストーリーが進むのだが、双方共に最初はコメディタッチでトラブルを起こしたりトラブルに対処したりするが最終的には笑えない状況に帰結するという展開になっており視聴してるコチラ側の感情をアップダウンさせて飽きさせない。そしてこれは是非とも自力で見てほしいのだがなかなかに相応しいラストで締めくくる。直線的に繋がれた話は見ていていいものである。


突然勧められたまさかの映画だが見て本当に良かった。自分の観測内だけで閉じこもらず時にはこうやって違う世界を覗いてみるのも素晴らしいことであると思った……と序盤の愚痴と繋げてみたが蛇足のような気がする


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