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無意味でいこう

いつも時間があれば街に出て写真を撮りに行く。
別に都市だけを撮っているわけではないけど、都内にいるあいだはやっぱり街中で写真を撮りにいく。
街を歩いていれば景色も向こうから勝手に現れてくるし、人もほっといても勝手にやってくるから必ず何か引っかかるものがある。

今日も新宿で昼過ぎからひたすら歩いて写真を撮っていた。
いつも気になる人がいれば声をかけて写真を撮らせてもらうが、今日気になっていながら声をかけられなかったタイミングは2回。
気になった瞬間にパッと足が動けばすぐに声をかけられるが、何かを考えてしまってすぐに一歩目が踏み出せない時はその瞬間に声をかける気がなくなってしまう。
なかなか、一歩目が出せない時も、一日中そういう日もある。

そういう時ほど自分が何か大切なものを見たような気がする時が多くて、一歩目をすぐに踏み出せなかった自分に幻滅して、「向いてないな。」とすぐに家に帰ってしまいたくなる。

カメラを持って一歩外に出たその瞬間から、常に気を抜いてはいけない。
いつでも反応できる瞬発力を、日頃から使っていなければならない。
都市の中のスナップは、基本的にすべてが一回限り。自分の身体と意識が反応したならば、どんな時であれそれは必ず写真にするべき風景であり、写真家はそれをやらなければいけない。

いつも撮っている写真が、何になるのか全く分からないが、
それでもただただ撮り続けるしかないんだよな。
そんな無意味なことは人も動物もあまりやらないけど、表現をする人間はそれをやるべきだと思っている。



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