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SaaS Conference TOKYO 2018に参加してきた! #6 SaaS事業の収益を倍増するカスタマーサクセス

こんにちは、なかむらあやか(@niloiv51)です。

2018年11月2日(金)に開催された「SaaS Conference TOKYO 2018」に参加してきました。
セッションが盛りだくさんだったので、レポートは小分けに記載していこうと思っており、まずは6つ目のセッション「SaaS事業の収益を倍増するカスタマーサクセス」についてのレポートをまとめました!

■SaaS Conference TOKYOとは?
日本で活躍するSaaSスペシャリスト達と共に実践的かつインタラクティブなセッションを繰り広げるSaaS特化型カンファレンス。
日本のSaaSビジネス成功者によるリアルな成功・失敗談から、実際のビジネスに落とし込める成長のヒントを探ろう、というイベントです!

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*モデレーター*
BEENEXT Managing Partner 前田ヒロさん
*登壇者*
株式会社ビズリーチ HRMOS採用管理事業部カスタマーサクセス部 部長
 鈴木 雄太さん
HiCustomer株式会社 代表取締役
 鈴木 大貴さん

全然余談ですが、今回のイベント登壇者12名のうち3名が「鈴木さん」でした。さすが苗字ランキング2位ですね…!

では、早速セッション内容に入っていきます。

■カスタマーサクセスが生み出す事業へのインパクトとは?
鈴木(大)さんから、CSが与えるインパクトの説明が冒頭にありました。

Revenue Churn(解約等による月間定額収入の損失)が5%と-2.5%では、6年間で月間売上が5.5倍も差が開きます!
※Revenue Churnがマイナスと言うことは、売上が増えている状態。

CSに携わる方であればバイブルとして愛読されている方も多いであろう「逆説のカスタマーサクセス」にも記載されておりますが、サブスクリプションビジネスでは顧客に長く使ってもらうことで収益を上げコストを回収するため、解約による損失は将来の収益に大きな影響を与える、という事ですね。

そのシンボリックな事例として、米国のSmartsheet社の事例がありました。
こちらの直近の決算資料によると、顧客の増加数8%に対し、売上は60%増加しているということでした。驚愕です…!

アカウントや従量課金のような場合、たとえばBOX社では、まずはひとつの部署で成功事例を作り隣の部署へ広げて行き、3つまでうまく行ったらトップダウンで広めるといったセオリーがあったりもするらしいです。
この活動において「成功事例をつくる」事にコミットするCSは、とても重要な役割を担っていると言えます!

また、新規獲得コストはアップセルコストの4.2倍とも言われているので、それを鑑みてもCSに力を入れるのは必然と思います。

■カスタマーサクセスの始め方は?
鈴木(大)さんによると、タイミングは始めるのは早ければ早いほうがよいのでは、との事。たとえば海外のVCが許容する年間解約率は5-7%で月間にすると0.42-0.58%(200社いたら1社でも解約したらアウト!)。もし年間解約率が50%とかならば、CSを始めたほうが売上の成長は早いのでは、と。
※もちろんCSがフィードバックするものを含め、プロダクトの改善は前提です。

■どんな人が向いている?
鈴木(大)さんから、以下マトリクスのように、サービス/プロダクトの性質によるとのお話がありました。
鈴木(雄)さんによると、HRMOSのCS立ち上げ期のメンバーはバランスよくいたとの事で、視点が営業・サポートなどの偏りがなかったのが良かったと仰られていました。

■CSチーム組成のファーストステップは?
まずは顧客担当制とし、顧客が増えていく段階で役割・顧客規模などによりチームを細分化されていく流れが多いみたいです。

■CS構築のステップは?
以下が多いのでは、と。
①顧客の利用状況を可視化…ログイン率、機能利用率、アカウントのアクティブ率 等
②オンボーディングのてこ入れ…プロセスの見直し、TimeToValueの最短化、CustomerEffortの最小化 等

①と絡むところでCSのKPIは何にするか?といった話ですが、最終的なチャーンレートを測るには期間が長いため、HRMOSでは以下の取組みをされたとの事。
・ひたすら顧客にヒアリングに行き、カスタマージャーニーマップの作成
・顧客を仮でステージ分けする
・ステージ変動に影響しそうな要素をヘルススコアとしてモニタリングする
・回してみた結果からステージ定義をチューニングする
※詳しくは、鈴木(雄)さんの #JCSC登壇資料をご覧ください!
 そして良ければこちらのレポも参照ください…!

因みにこちらのヘルススコア管理は、3ヶ月くらい前まではエクセルでガシガシ回されていて、今はHiCustomerを導入されたとか!

■他部署との連携は?
鈴木(大)さんによると、CSに力を入れている会社ほど、開発MTGにCSが入っている事が多いとの事。

HRMOSでは
・営業連携:CSが営業同行をして、実際の運用事例を説明。新人営業はCSで問合せ対応をし、顧客がどの機能をどの様に活用しているかを学ぶ。
・開発連携:CSメンバーが出向しエンジニアとのハブ役となる。
といった事をされていると。

また、営業→CSの引継ぎは情報共有が重要なため、工夫として各組織の目標にお互いのKPIを設定すると自然に流れる、ともお話ありました。
※前後のプロセスのKPIを持つというのは、Reproの佐々木さんもこちらの記事で仰ってました!

■会議体の工夫は?
HRMOS:
「ロイヤル顧客がどうやってロイヤル顧客になったか」をCSメンバー1人1人がプレゼンする会議の実施
CSメンバーが1人1人考えて動かれているようで、実は細かいアクションが効いている事が見えたりするようです!
#余談ですが 、最近ストレングスファインダーを受けて自分の当たり前って当たり前じゃないんだなぁと、棚卸しをして言語化して共有することの重要さを実感していたので、とても納得感ありました!

HiCustomer:
開発側に改善点だけではなく良い部分のFBすることは意識的にする
顧客が喜んでいることを知りモチベーションもあがり、それにより更に視点が顧客に向いていくとの事。
喜んでくれたのならもっと喜ばせたい!と思うのが人の性ですよね!

■CSの文化を促進させる取組みは?
HRMOS:個社ごとの採用成功を定義し言語化する事
HiCustomer:文化は習慣の積み重ねで出来ることより、どのメンバーにも顧客接点を担保する

■文化を作るメンバーの採用基準、採用テクニックは?
鈴木(大)さんからは…
お客さんを愛し、お客さんに愛され、面倒見の良いおかんぽい人
またCSやりたい!というよりはやっている仕事がCSにつながっている人に好感を持つ、言葉の奥にある顧客志向が見えると嬉しい!
#私を含め 、CSやりたい!と思っている人には額面通りの言葉は刺さりますが、CSはあくまでもプロダクト/サービスを活用して顧客がありたい姿になれるサポートをする手段でしかなく、(CSが流行っているからこそ)そこがブレていないか、という事だと思います。

鈴木(雄)さんからは…
成功体験を話す際に、誰のための成功かというのが顧客である人

■最後にカッコいい一言!
鈴木(大)さん
CSはプロダクトのよさを伝えられるし、めちゃ楽しい
チャレンジする人が増えるほど良いサービスも増えて世の中よくなる!

鈴木(雄)さん
お客巣案の成功を考える、成功ってなんだろうって突き詰めていくのは興奮できる仕事!

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インプットした内容を、文章だけではなく行動にもアウトプットしていこうと熱い思いを抱かされた、あっという間の35分のセッションでした…。

そして、SaaS Conference TOKYOはすでに来年の開催も決定したとの事です!今から楽しみです♪


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