見出し画像

【23-06】セイリング中のドローンに懲りる

残念な事に土日は出勤になってしまいまして、これを書いている今は日曜の昼前です(仕事に来て仕事をしないと言う…)。
代わりに金曜の午前中は処理すべき書類や目を通さないといけない資料が届かない事が確定、その資料を討議するはずの会議も延期となって、金曜は15時前までは(普段に比べて)仕事が無いと言う事が判明した、もやもやとする木曜日の夜。
ふと波風の予報を見ますと…

8、9、10時が5、4、3mの北風。
んー、朝一から2~3時間ヨットを出して、それから会社に行けばいいんじゃないか?なんて思っていると、いつの間にかマリーナに行き、ヨットを浮かべていましたわ。
なんだろう?夢遊病?

前回は東京湾方面でしたので、本日は相模湾方面に行きますか!

養殖業漁獲物運搬船 第58神洋丸

暖かく…むしろ暑くなる季節になって、これまで鈍色にびいろだった空も青くなり、良い時期ですなぁ。
明日から天気も崩れ、週末に乗れないヨットマンがヨットを出しでもしてたら(勝手に)ミートしてやろうという感じです。
実際はミートというか、食って抜かしてやろうという気持ちではありますが、ウチの愚艇はゾウガメのように重く鈍足故に、食われるようなヨットはそうそういませんわ。
そういう気概でって事で。

レース艇を降りた今は、ぷかりと海に浮かび、そよそよと吹く風にカツオノエボシよろしく漂うだけで満足です。
ビバ自由なセイリング!艇の軽量化も、ジャイヴの円滑な動作も、タクティシャンとナビゲーターとの諍いやクルー同士の揉め事も今は昔、一人が一番!

相模湾を出て、すぐにセイルアップ。

トップのバテン(唯一のフルバテン)を入れていない
ベストなセイルカーヴを阻むレイジージャックも緩めない
なぜならどちらも面倒だから

北北東から吹く8〜12ノットの風は、珍しくウチのヨットを結構ヒールさ傾かせせて

6ノット弱でグイグイと進めてくれています。
1ヶ月前の八丈島のダイビングで使った360度カメラTHETAを仕舞っていなかったので、今日はそれを持参して写真や動画を撮ったり、古いGoProをマストトップ(正確に言うとガフスパーエンド)に取り付けて撮ったりと、

↑こんな感じで楽しくセイリングしていました。

おっと、江ノ島方面西から油壺方面へ進むヨットと反航し行き違います。

普段なら180度回頭し、後ろから送りオオカミのように追いかける(そして逆に離されるまでが自艇の様式美)のが常ですが、相手はブラックセイル本気装備のレース仕様に4マンクルー。
こちらはガフリグにホワイトセイルお遊び用品シングルハンドお一人様
非対称スピン斜め追い風用の帆でも持っていない限り、追いつくのは無理。
「負けないコツは強い奴とは戦わない事」を座右の銘にしている私(今考えたんだけど)、反航の際に軽く右手を挙げて素通り。
ま、完全にガン無視されましたが。
フェリー回航中なんでしょうな、完全に談笑モードでしたわ。

で、このヨットが1/4マイルくらいに迫った時、どんな艇か見ようとセイリングバッグに入っている(はずの)双眼鏡を探していると、何やら見かけない黒いケースが。

今年はもう引っ張り出す事は無さそうな位の利用頻度

これは… 3週間前に、愛媛でセイリングを楽しんだ際に使ったドローンじゃないですか。
まだ充電済のバッテリーも1本残っていたはず。
風向は安定しているし、周囲2マイル程度にいる他船と言えば、今から反航するヨットくらい。
これなら… セイリングしながらドローンで自撮り出来るのでは?
なんて、気持ちいいセイリングで変なテンションになってる自分が、更に変な方向に考えを持ってしまいました。

普段のドローンの操作との違いは、自分が(否応無く)動いている事。
要は、

手放しをすればどんどん後方に流されて行く(実際はその場に留まっている)ドローンを見失わない。
最終的に動いている所自分のヨットへ着陸させさえすればいい。
緊急着陸は絶対無理(下が海だからね)。

↑まさに言うは易しだった…

だけじゃない?!

とりあえず、

急な何かがあっても対処出来るようエンジンは回しておいた方が良かろうと、エンジンをスタート。
最悪ヒーブツーさせて停船させるか、もっと緊急的にはエンジンを後進に入れれば(帆走中にやった事ないけど)減速するだろうという感じ?

次にセンターボートを一番下まで下げる(半分くらいの下げ具合だった)。
ヨットの向きと進行方向がなるべく一致してた方が、ドローンをヨットに接近させた時に事故らない気がするから。

最後に、サングラスを度無しから度付きの物に。
と言うのも遠視(老眼とは決して言わない)な私、手元のドローンを操る送信機には飛行可能時間やドローンから送られてくる映像が表示されていて、基本的にそれ見ながら操縦する事になるから。

役に立たなかった、オレのドローン御成敗式目


何回か頭の中で、動いているヨットからのドローンの操作をイメージし、いざ…

離陸!

これは離陸前に撮った写真

実際離陸させると…

ぎゃー!難しい!
何が難しいって、手元の送信機の画面だけ見てると、ヨットをフレームアウトさせると海しか映ってないから、どこを飛んでるかさっぱりわからない。
で、ドローンの場所がわからないから目視でドローンを見ようとすると、手元用に焦点を合わせてるサングラスで、離れて白い点にしか見えないドローンを探すのが困難。
波に揺られながら、焦点の合わないサングラス越しに、風でグイグイ走るヨットで、ジブセイルやメインセイルの陰にある手のひらサイズドローンを動かすのは無理ゲーに近かった…
一応これは、ガフスパーエンド(実質的なマストトップ)から撮っていた動画に映り込んだドローンとドローンからの映像を同時に並べた物。

↑ドローンが米粒みたいに小さいので、画面大きくして、HDとかの高画質に設定して閲覧下さいませ…

なんやかんやあって、なんとか着陸させて動画データは回収出来ましたので、それをiPhoneとか他のカメラで撮った動画と合わせて編集したのがこちら。

あんなに命懸け(と言うかドローン懸け)な思いをして、たったこれだけ…

今回わかった事(通称、シン・ドローン御成敗式目)は、

目を離すと一瞬で見失うドローン、操作中に他の事をするのは無理。

操船なんか、もってのほかだった。

走るヨットを追い越すと言う事は、ヨットの長さの倍から数倍の距離を飛ばす事になる(想像以上の距離を飛ばす羽目になってバッテリーが危なかった)。

着陸は大きなタモ網とかを使え(ボートと違ってシュラウドやハリヤード類で場所が少ない)。

イージス艦とかにヘリコプターを着艦させる海自の操縦士すごい。

つまり、シングルハンド一人乗り時のヨットからドローンはやるな!ですな…(知ってた)。

わかった事と言うか、よく考えれば事前にわかってた事ばかりだな…

ま、最近の|SH-60K(海自のヘリ)なんかは、SLASって言うDGPSとレーザーと赤外線を使った自動着艦システムがありますけどね。

と、脇道に逸れた所で、冷や汗をかきながらくるりと反転。
ホームポートの城ヶ島へ帰りますわ。

疲れた… ドローンで一気に…

翌日にSNSで知人から受けたアドバイス。

オートヘルムオーパイにタックを打たせればヒーブツーになるのでは?
そうか… 今までヒーブツーは自分でティラーなりラットを握ってやるものと言うイメージ固定概念があったけど、確かにその通りだわ…
ウチのオートヘルムST-1000+はボタンを2個同時押しでタックを打ちますので、そのブラインドタッチ(って言うのか?ブラインドプレス?)が出来るようになれば、ヨットを自動的に停船出来たんだ… 全然思いつかなかった…

いや、もうシングルハンドでドローンとか一生しないけれども、チャレンジャーの方がいらっしゃれば後学のためにお伝えしておきますわ。

そうそう、ボートなら自由に止まれるし、マストやブームが無いので比較的楽かと思いますね。

さて、先ほどの1人緊迫モードとは打って変わって帰りは穏やかのんびりセイリング。

冷えたお茶で喉を潤し、

ペットボトルのお茶はPBに限る(安いから)

なんだか目についたので買った

次回は買わない…

よく知らないおにぎりを食して、船上1人反省会ですわ。

その後、セイルを下ろして城ヶ島に帰島し、

気持ちいい天気

フィッシュ&チップスのお店、FISHSTANDの前を通り(後で買いに行こうかな)、

誰か買い物してますな

城ヶ島ベイマリーナに帰港。
上架して、

ヨットの重さが船台にかかると人心地

船体を軽く水で流して、船台の車輪周りを結構念入りに水で流し(←一番劣化する部品がこれ)、エンジンを

フラッシングして、今日のセイリングは終了!

今日のセイリングの収穫は、

ヨット関係の酒の席で「前にシングルで出してドローンをねー」って話すネタが出来たことと、

宣材写真に使おう
パリコレ出れるかも

360度カメラTHETA360で、期せずしてカッコいい写真が撮れた事。

今日のトラック航跡データはこちら。
ごちゃごちゃするので、今回から1本出る度に新しいマップに写す事にしました。
黄色いトラックはドローンの物です、約1km程の飛行距離でした。


↓Walkmeterのデータはこちら(クリックして見て下さい)。

10.9マイルを2時間36分、平均速度は4.14ノットでした。

↓Reliveの動画はこちら。