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がいなおかあ(7)ブラジャーの適齢期

あの頃、どちらかというと肥満体型のわたしがはじめてブラジャーをつけたのが中学3年生の頃だった。胸の膨らみは肥満に比例する。

ブラなしでシミーズにブラウスといった上半身。そんないでたちで学校へ通う夏の日々。

四国地方の方言で「気が強い」という意味で使われる
「がいな」
おかあ(母)は現在81歳。
このおかあ、とにかくジコチュー。
自分肯定ハンパなく、自分は間違っちゃいないと言い放つ。この人の
灰汁(アク)と棘と嫌味とを愛を入れ込み書いてます。


シミーズとは今でいうキャミソール的な下着。

白いシミーズに白いブラウス。

汗ばみ、衣類が肌に張り付く感触を感じる頃、午後の授業が始まる。

透けて見えていたのか。

見えるか見えないかの微妙な乳暈は格好の餌食になる。

男子にからかわれた。

意を決して母に「ブラジャーを買って」と言った。

その時の母の表情は
「あっ!」
2.3秒の間を置いて
「分かった」

娘の成長を忘れていたのだろう。
横目で見たテレビドラマで、バツのわるそうな表情をして俯く役者が母と重なったことを覚えている。

気付いてくれないことの苛立ちを感じた。


わたしは、自分の娘が小学3〜4年生になった頃、運動会の見学時に、競技とプログラムと、ブラジャーを見ていた。多数いる女児の体操服から透けて見えるブラジャー。薄っぺらな体操服にくっきりうつる。

流行りの形や、ブラジャーの適切な年齢時期を知るために半ば躍起になった。

女児の体操服姿を目で追うおばさんのヘンタイ的な仕草は、周りからすると奇妙極まりなかったことだろう。



先日、瀬戸大橋を渡り、母の元へ様子を見にいった。

母は、友達からもらったという桃を切って出してくれた。
所々桃の皮が残っていて、それがチクチクと舌にあたるが、何故かそんなことどうでもいい。 
きちんと皿に入ってフォークまでついて、わたしが座る場所まで運ばれてきた。こんな小さなことで心が動く。

甘い。

口直しにお茶を入れてくれた。
うちとは違うお茶の味。
よく冷えていた。
なみなみと注がれたそれを飲み干すと、

妙な感じがした。

そうだった、この人は、

温かい人だった…


#今回はコミカル風じゃないですね
#なんだかシリアスムードのだい7話
#ブラジャー
#キャミソール
#シミーズなんて若者は知らんやろ 、なんじゃらほい
#シミーズ
#乳暈
#乳輪

To be continued

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