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同じ床の上(4) “古民家 カフェ”と毒舌王


西の窓から形のいい山が見えて、東の窓からも山が見えて、北の窓からも山。南の窓は…やっぱ山。

そんなどどど田舎の実家で、難しい性格の母と同居し、ちょっと病みかけたわたし。
迷ったり、辛くなったり、でも、たまに娘が遊びに来てくれるのが救いやった。

娘は、大学の寮で生活をしている。
超ミニミニコンパクトなお部屋だけど、仲間と楽しくやってるみたいだ。

単身で関西に暮らす夫も、週末に
この、どどど田舎に来てくれるということで、田舎ならではの何かないかなぁ、一緒に行くとこ、どっかないかなぁ、とスマホの画面に指垢たっぷりつけながら探したら、

古民家カフェ!



があった。
コーヒー好き好き。大好きのわたしは、じぇったい行きたいぞ!

スマホ片手にメニューやら、外観、内装、見まくった。

その古民家カフェの外観や、内装、メニューに思いを馳せ、画面じゃ伝わらない「匂い」
も、じぇったい嗅がなきゃあかん。と思いたち、楽しみになった。

夫に電話越しで
「お義母さん、ちゃんと誘った?」
と聞かれた。

ドキっ。

いやー。はっきり言って、忘れてました。ヤバイ。

母に古民家カフェのことを話したら、
「それ、行ったことあるわ」
と言うので、母は、てっきりわたしの誘いも断ると思って内心ホッとしていた。

じ、つ、は、
母には、悪いクセがある。だからだ。

お店、食事、観光地、ありとあらゆる楽しい所に連れて行っても
必ず(おおげさじゃぁあーりません、ほんとにいつも)

悪口を言う。

食事に連れていくと、やれ、値段が高いだの、ほれ、肉が硬いだの。

観光地に連れて行っても、
「疲れただけやったわ」

容赦ない言葉に萎え萎えになる。
何回言われても、なかなか免疫がつかないわたしだ。

これじゃ、夫にも娘にも悪いから、本心は、一緒にいきたくなかったんやけど…

「一緒に行くわ!」
という母を無下にするわけにもいかない。

というわけで…やってきました。

看板ないで。マジでココ、カフェ?

どっからどう見ても

ただの民家。

肖像権ってやつを気にして、
イラストにしたけど、
ほんと田舎にポツン。って感じ。
知る人しか知らん憩いの場。

柿の木が旬。

近くには、

陶芸を焼くとこがあるぅー。

陶芸といえば…

まだ記憶に新しい八郎と喜美子。
朝ドラですやん。
『スカーレット』やん。

思い出したのでイラストを書いてみた。


「もう、離さへんで」

関西弁にキュン。

溶けた。

(もう戻らへんわたしの青春は30年前に終わったわ。)

横道にそれましたが、戻します。

中は…写真で。天井だけ。



このようにりっぱな梁りはりがあって、雰囲気抜群。めっちゃ癒される。BGMは、洋風しっとりな感じの曲が静かに流れている。

そうそう、匂いは……特にない。
いや、ないからいいんだよ。
ランチはデザートまでついてて百点満点。



夫も娘も笑ってる。

これはピザ。

焼きたてぇー。

わたしと夫と娘が幸せぇ〜っほわほわってなってるところに恐れていたことが!!!

やはり、今回も例外ではなく起こった。案の定、母は、


「このサンドウィッチ、パン硬すぎる!」
とか、
「これでなんぼ?(値段)」
とか、
「たいしたことないのうー。」

あぁ毒舌王。

ってよくまぁ、それだけ次から次へと悪いとこばっかでてくるよなってくらいに……涙。

娘に

「ばあちゃんのことばで気分悪くしたやろ?ごめんやで。」

と言ったら、娘は笑った。

「いや、ええよー。

誰が何ゆうたって言ったって自分がいいならええねん。

ママだってよくゆうてるやん、服のセンスをディスられても、自分がいいから、ええんやーって。」

(いや、わたしの場合は、単なる負け惜しみなんやけど。笑)

娘よ。りっぱじゃ。泣。


あなたいつのまにこんなにキラキラ成長したん?

涙やん。涙しかないやん。


#毒舌王の称号をあたえようわ我が母よ
#母
#成長に涙やん
#娘ぇー



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